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マツダ CX-5 現行KF系 インテークに蓄積する煤除去作業。DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)で1泊or日帰りOK。

山梨県からお越しいただいたのはマツダ CX-5 KF2P H29年式 スカイアクティブ2.2D 

インテーク系に蓄積する煤除去作業DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)のご依頼です。

初代CX-5はKE系で2代目のCX-5はKF系と呼ばれています。


昨年の後半以降から少しずつ問い合わせが増えてきたKF系CX-5の不具合相談。

そこから何台かCX-5とCX-8のDSC作業をして検証してみましたが、結論から申しますとディーゼルは煤が溜まるよね~と再認識したこの頃です。

今回入庫したKF系CX-5は大阪までの道中にエンジン警告灯が点灯し、なんとか到着していただきました。


エラーコードはよくある(EGR流量不足)。

KE系・KF系ともに何個かある定番故障事例の一つでしょう。
早速試運転をして状態を確認し、インテーク系の部品を分解しますね。

インテークマニホールドと吸気シャッターバルブ周辺をチェックします。

KE系で煤がタンマリ蓄積していた吸気シャッターバルブには、あまり煤蓄積はありませんでした。 こちらはKF系から少し改良を加えたのでその効果が出たのかな?

インテークマニホールド入口にあるEGRの導入口は完全に詰まっていました。

こうなると必要なタイミングでEGRをインテークに導入する事が出来ませんよね。

インテークマニホールド出口の8個のポート穴には、多い所で約10mm程の煤が蓄積しているのが分かります。
この感じは初代KE系と変わらないようです。

それではその先のエンジンヘッド側もチェックしますね。

エンジンヘッド側の吸気ポートにも大量の煤が蓄積していました。

ブローバイからのオイル流入により煤とオイルでカッチカチ。
燃焼熱で硬化し、除去の難易度は上がる。




ポート奥にインテークバルブのシャフトが見えますが、その下にはバルブ傘部が隠れています。
傘部にも煤がゴッソリ固着しているのですが、ポート内径が狭いために撮影が難しいですね。


EGR出口の導入パイプがこのように煤で詰まる。
そうなると煤交じりのEGRはインテーク系には入らないですよね。

インテークマニホールドやエンジンヘッド側のポートに蓄積した煤は、この導入口が完全に塞がる前に蓄積した分でしょう。

かなり前から吸気系に煤蓄積が進んでいたのだと思います。



そしてEGRをカットもしくは流量を減らす改造等をすると、別の場所に弊害が出るでしょうね。

その弊害として水冷式EGRクーラーの内部で煤が詰まります。


SKY2.2DのEGR系統は2つ。
・エキゾーストから直でインテークに導入されるHOT・EGR(赤線)
・水冷式クーラーで冷やされたCOOL・EGR(青線)

エキゾーストから高温・高圧でサラサラの煤は、通常ならEGRクーラーのフィンにそこまで溜まらない。

マツダ資料参照



ですが導入口や通路途中で極端に狭くなると、そこにEGR経路のボトルネックが出来るでしょう。

流れが悪くなり、勢いも落ちるのでフィン等の障害物があると少しずつ付着していきます。



中を覗くと四角の穴が開いてるフィンに、煤が付着して塞がりそうですね。




例えば河川の幅を意図的に狭めてボトルネックを作ったとしましょう。そして上流から水とゴミが流れてきます。

狭くしたボトルネックで水路が狭くなれば、その個所のみ流量は減るが流速は早くなる。



だが少し上流にフィンのような障害物があれば、ボトルネックの弊害でフィン周辺の流速が低下し澱むので、ゴミが引っ掛かりますよね。


もしボトルネックが無ければ、川の水の量は多く、そこそこ水流・水量もあるので引っ掛かったゴミは下流に流されると思いませんか?



今回はDSCのオプション整備(水冷EGRクーラー洗浄)も依頼されました。



クーラー新品交換すると部品代が多く掛かるので、弊社では特殊装置と技術で煤を完全除去しています。 (費用は新品交換より半額以下にはなると思いますよ~。)


ドライアイスペレットを圧縮空気で高速噴射。
(熱収縮と昇華爆発力)ドライアイスの特性を利用した洗浄方法。


DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)は弊社が開発した世界初のオリジナル整備で唯一無二。



ほんの一部ですがブログにて紹介していますので、どうぞ覗いてみてください。
http://minato-motors.com/blog/?cat=169



飛散する煤からボディを守るマスキング。
3M社製高性能マスカーを使用しています。

そしてここからさらにマスキングをしていきますが全容は秘密。


ドライアイス洗浄機にドライアイスペレット(粒)を投入し、軽くワンショットテストをしますね。



ペレットが直撃した部分だけキレイになりました。母材アルミもハッキリ見える。


DSC専用ノズルと専用アダプターは自社で製作し、ドライアイス洗浄機のガンにセット。


(エンジンにノーダメージで短時間で完璧に。)DSCキャッチコピー通りに複雑な形状のポートとバルブを洗浄していきます。



最深部にある傘部はもちろん、シャフト裏なども全て煤を除去完了。

クランクを回して、圧縮上死点にセットしながら、次のポートも洗浄します。
4気筒8ポート全てキレイになりました。

インテークマニホールド・各EGRバルブ・バイパスパイプに吸気シャッターバルブ。

水冷EGRクーラーも完璧に洗浄しました。

再利用不可はガスケットのみ。

こちらは純正新品に交換します。


インテークマニホールドを組付けてエンジンに装着し、LLCを再注入。

完全暖機をしながらエア抜き作業を行います。

劣化しやすいラジエターキャップも交換して、
各学習値と燃料噴射量を再学習させます。

最後にゴニョゴニョっとマル秘作業をし、試運転をして納車となります。


点灯していたエラーコードも消去して、再点灯が無いかを確認。


これで当分は吸気系の煤蓄積からは解放され、本来のSKY2.2Dに戻ると思いますよ~。


弊社のDSC作業は1泊2日のお預かり。  朝9時半入庫で翌日午前中の納車になります。

(特急日帰り作業)もオーダー可能で、その場合は朝9時半入庫で当日19時頃の納車予定となります。


ミナト自動車は大阪府堺市にある世界遺産(仁徳陵古墳)のすぐ隣。

JR阪和線(百舌鳥もず駅)まで徒歩2分。


大阪中心のミナミ・キタまでは30分程で到着しますので、大阪観光を同時に楽しまれる方が多いですね。

代車もお貸ししています。


DSCやATF交換等の御見積・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。

必要事項を記入していただいて是非ご相談ください。
それではHAPPY CAR LIFE!!



2021年2月20日

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