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Snap-onスナップオン CTR768W1 電動コードレスラチェットレンチ!! 電動を使うとエアには戻れません~。

今回のブログは弊社で使用している工具編。

Snap-onスナップオンの電動ロングネックラチェットレンチ
(CTR768W1)を紹介しますね。

今現在、自動車整備業界を席捲しているツールの電動化。

インパクトレンチからラチェット、ドライバーなど、
多くの工具で電動化の波が押し寄せています。



ちょうど去年の今頃にUPした電動インパクトレンチのブログ。
http://minato-motors.com/blog/?p=22877

反響が良くて知り合いの整備工場関係者から、
(どんな感じ?いくらしたの?)と多くの問い合わせがありましたね。




最近はエアリールからホースを引っ張ってきて、
エアラチェット&エアインパクトレンチを使う場面はほぼ無くなった。
(高トルク必要時以外は)


エア工具を辞めて、電動工具に切り替えると、
もう元には戻れないのです・・・。(便利すぎて)


エアホースのアノ煩わしさ解消で、
整備士の地味なストレス原因に気が付くのでした。




今日時点ではスナップオンツールズの日本版HPにも、
まだ掲載されていないCTR768W1。(US版HPには有)

HP掲載されている旧型ショートネックタイプのCTRJ761を
ロングネック仕様の高トルク版にしたのがこの工具。

もちろん国内正規購入です。

弊社のリフレッシュプランやDSCでは
多くの部品を分解し、取り付けます。

インマニやブレーキキャリパーやロアアームなどを固定している
ボルトナットを外す作業が凄く多いのです。
(1台数十本~百本以上)




例えばキャリパーホルダー部を外す時はソケットは17~19mm
M14~16ぐらいのボルト径。(ネジ山はだいたい錆有り)


ロングレンチを使って、
ボルトをガツッと手で一度緩める。

緩んだ次にするのは
1・指でボルトをクルクルと緩めるか?
2・ラチェットレンチでカチカチと緩めるか?
3・エアラチェットでグリグリ~と緩めるか?
の三択が普通でしょう。


錆固着が少ないエンジン系整備は1・でイイが、
下回り・足回り系は2・3・を選択する事が多いはず。


電動ラチェットCTR768ならレンチ全長400mmの長さで、
手動トルク214N・mまで許容範囲。(本締付もOK)

そこそこ高トルクで締め付けられているボルトでも、
手動でカツッと緩めてからトリガーボタンを押せば、
グリグリ~とドライブが早回しになりボルトが外れる。




ドライブの電動出力トルクは95N・m
本締・本緩時の許容トルクは214N・m
グリップ下端からドライブ先端までの長さは400mm

この三つのスペックでどんな場面で使えるかは、
整備士の方ならすぐに想像できそうですね。


トリガーの押し具合でトルクとスピードを無段階で調整可能。
ゆっくりも回せるし、早くも出来る。
(エアラチェットではこの微調整が出来ない)
(エアを絞るとトルクも落ちるから)

E/G系整備でクランク・カムプーリーのボルトは無理だが、
それ以外ならほぼほぼ使える守備範囲。



廃版旧タイプのCTR767は、相方が半年ほど使用済み。

カツッと緩めてトリガーON。
軽く手締めしトリガーON。手動でグイッ締る。



エンジンルームやサスペンションの整備では、
これがあるだけで30%は早く仕事が出来るとの事。

またコレ無しでは仕事にならないと申しております。





・固く締め付けられたボルトを緩める工具。(ロングレンチ&メガネ)
・緩めたボルトを早く回す工具(エアラチェット)

これらをその都度持ち替え、ソケットを入れ替える動作は、
重整備になればなるほど意外と時間が浪費。

また緩めた後は締付作業があるので、さらに倍。



それを解消するのが、この工具の最大の利点。



旧型CTR767と新型CTR768との品番1つ違いは、
モーター部はほぼ同じでネック部分の膨らみが違います。



中に遊星ギアが追加されフリースピードが350→175rpmにdown、
しかし出力トルクが54→95N・mにUP。

新型はギアを追加して、トルク重視に改良されたようですね。


トリガーONでグリップのLEDランプが点灯します。

14.4Vのリチウムイオンバッテリーは緑なら充電OKで、
赤になればそろそろ充電切れの合図。



毎日整備で使用して(1週間ぐらいで再充電)という感じ。

頻繁にバッテリーが切れる事も無く、
約20分で満充電。



スクエアドライブ・サイズは(3/8 9.5sq)のみ。


レンチ長約400mmで正逆200N・mまでOKのラチェット強度なら、
エンジンルーム系の作業なら結構活躍するでしょう。

足回りのガッチリ締め付けられているボルトもロングレンチで緩めて、
これでグリグリ緩めれば良いし。

インパクトレンチという選択肢もあるのだが、
スペースや高トルクの関係で使えないケースもよくあります。

特にエンジンルームでのタイミングベルト・W/P・オルタネーター交換で、
インパクトはチョット使いづらい。


スペース的に使えない場面やボルト折れの心配な個所などは、
一度緩めてから早回しで緩められるCTR768は結構便利。

TPOに合わせてこれらを使い分けています。



見た目で混同されるアングルインパクトレンチではなく、
ラチェットレンチに早回し機構が追加された工具です。

インパクトハンマーの勢いで締めたり緩めたりするのではなく、
手動レンチとして緩めてから早回しが出来る工具なのです。

もちろん50N・mぐらいなら、
いきなりトリガーONで緩めと締付も出来るという感じ。




電動ラチェットは各メーカーが発売しているのですが、
これ本体で高トルクまで対応の本締・本緩が手動で出来て、
かつ高トルク出力の電動早回しが可能なのは調べた限りでCTR768のみ。



まだコンセプトが近い(TONEトネ CR4000T)
レンチ長があって重量も軽く、手動トルクが610N・m対応
しかし出力トルクが1N・mはあまりにもトルク低過ぎ。
錆び付いたボルトなら電動で早回しは出来ないのでは??
https://www.tonetool.co.jp/products/flyer/flyer_252.pdf




(SPエアSP81613・インガソールR3130)などは
コンパクトエアラチェの電動化をイメージしているのでしょう。
トルク出力が39~73N・mとまずまずなんですが・・・。
長さが300mm以下なので、本緩めの手動トルクが掛けづらい。
http://www.spair.co.jp/ja/products/detail/?id=SP81613&c=electric



ACデルコ・G12は長さとトルクはありそうだが、
グリップ太く握りづらそう。
またプロが使うなら耐久性とアフターケアが未知数。



重心バランスが良好の1.5kgの重量。
長さがあり握りやすく、トルクの掛けやすいゴムグリップ形状。
高強度のラチェット部は小さく、ネック部も細くコンパクト。

電動出力トルク95N・mで手動トルクが214N・m


整備士それぞれ好みがありますが、
弊社のような使い方なら今の電動ラチェット市場だとベストかな。

それにスナップオンなら壊れても補修部品はあるし、保証もある。



唯一の欠点はお値段。

日本でも正式リリースはされていないCTR768は、
他社と比べても高額な電動ラチェットの分類。



使ったことも無く、見た事もない工具に、
整備士がいきなり投入するには少し躊躇する価格帯。



ですが一度この工具を使うと恐らく手放せなくなり、
高価格にも納得できるでしょう。



以前に使用していたSPエアーのエアラチェットと比べてみました。

・MAX締付トルク 20N・m
・フリースピード 220rpm
・全長 168mm

ソケットなら14mmでボルトM10ぐらいならギリで緩められるが、
ブレーキ系やサスペンション整備ではちょっと物足りない。

エンジンルームでタイミングベルト辺りを整備しても、
エアホースが邪魔でストレスを感じる。

また本締め・本緩めするには全長が短いし、
そもそもラチェット強度が低いのでレンチとしては使ってはいけない。




エアラチェットの進化はコンパクト・軽量化が主眼でしたが、
電動ラチェットはそもそも目指す方向が違うのでは?と思います。

・手締めによる許容トルク 150~200N・m
・電動出力トルク 40~90N・m
・フリースピード 150~300rpm
・全長400mmで握りやすい形状のグリップ
・ラチェット強度が高く、コンパクトロングネック。
・重量(バッテリ含む)1.0~1.5kg
・本体、バッテリー、充電器付きで3~4万円以内

もし上記をクリア出来る電動ラチェットが
有名工具メーカーから発売されれば、
恐らく大ヒット電動工具になる可能性があるような?


そんな事を少し考えてみました。



工具メーカーの方!マーケティングとしてはどうですかね?
売れそうな気がするんだけど、無理ですかね~。




それではHAPPY CAR LIFE!!



2020年9月18日

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