マークXジオ ANA10 リフレッシュプラン。 99%はゴメンナサイ~。 1%のユーザーに提案していますよ~!!
ある程度の年式・走行距離が経過した車両には、
ある程度の費用を投入するリフレッシュ整備を推奨しています。
提案型整備リフレッシュプラン
http://minato-motors.com/blog/?cat=12
大変好評をいただきありがとうございます。
リフレッシュプラン推奨時期は新車から10年10万キロが、
一つの目安とお伝えしています。
リフレッシュプランの(ある程度の整備予算)って、
いくらするのだろうか?と思われる方も多いのでは?
宜しければリフレッシュプラン整備事例から
(何年何月の○○○は総額費用はいくらですか?)と
メールで聞いていただけるとお答えできますよ~。
http://minato-motors.com/blog/?cat=12
実はリフレッシュプランとは
整備プランの基本パッケージがある訳ではないんですよね。
(リフレッシュ整備のプランニング)を短くして、
リフレッシュプランと命名しています。
アレとコレを整備して定額いくらという事ではなく、
車種や予算、ユーザーの希望・過去整備歴から
私がお勧めの整備を提案し作業を行っています。
(もしこの車両が私の愛車なら、
限られた予算でどこから整備するのか?)
整備士目線から見た愛車メンテナスの提案。
・現状の不満点、改善点。
・お預かり出来る日数。
・今回の整備に掛けれる整備予算
お問い合わせではこの3つをお聞きしています。
http://minato-motors.com/blog/?p=21674
神戸市北区から依頼され入庫したのは、
トヨタ マークXジオ ANA10
走行距離11万キロ
リフレッシュプランのご依頼です。
1年前に弊社でCVTF交換をご依頼いただき、
今回で2度目の整備依頼となりました。
(現状の気になる点・不満点)
・朝一の発進時にコンコン異音あり。
・信号待ち時にアイドリング不安定&ボディへの微振動。
(車内で感じる振動が顕著で不快。)
・ハンドルのセンターにズレがある。
(調整しても数か月後にはまたズレる。)
・低速で段差を通過するとキシミ音がある。
普段の整備は地元ディーラーさんでメンテしており、
少し前に無償修理でエアフロとスロットルボディは交換済み。
・メールからご相談をいただいて予約入庫。
約30分ほど問診や整備の流れを説明しています。
・問診&代車貸し出し その後試運転チェック。
ナビ/ETC付の代車をお貸ししています。
・事前ホイールアライメント&車両点検。
入庫時のホイールアライメント数値をチェックして、
ユーザーさんの違和感と数値をチェック。
エンジンチェックの基本
排気ガステスターで燃焼状態を確認。
スキャンツールを接続してライブデータを確認し、
バッテリーアナライザーで発電充電状態をチェック。
そしてリフトアップして車両全体を点検しますね。
デジタルアナログ両方から点検し、
おススメの整備プランを提案させていただきました。
メール or TELにて整備内容を説明し、
OKをいただけましたので作業を始めますね~。
ちなみに今回の車両はソリッドのブラック。
通常はフェンダーカバーを掛けるだけなのですが、
ソリッドブラックはもともと塗膜硬度が柔らかいので、
マスカーをしてからフェンダーカバーを掛けました。
小傷が目立つカラーは作業に気を使いますね~。
この画像で違和感を感じた方は鋭い。
ブレーキパッドとディスクローターの
当たり面の色が不均一だと思いませんか??
原因はローター裏面の当たり不良。
試運転でもブレーキタッチが甘いな~と感じました。
自宅周辺は凍結防止の塩カルを撒く地域だそうで、
点検では下回りへの錆腐食が気になりましたね。
フロントサスペンション系をバラバラに分解。
普段あまり整備しないサスペンションの
リフレッシュ整備を多くの方が希望されます。
サスペンションは部品点数が多く、
入庫後に部品発注してもほぼ揃わないのが普通。
予約時に前金をいただいて
サスペンション系部品は事前に取り寄せしています。
今回は純正ショックアブソーバーで組替交換しますね。
マウント・バンプ・ダストブーツなど、
スプリング以外は全交換です。
ブレーキディスクローターは4輪ともに研磨で再生しました。
フロント側は錆腐食で再利用が難しい??かと思いましたが、
意外とすんなり研磨でキレイになりましたね。
厚みも十分残っているので、
まったく問題なく再利用可能で再生出来ました。
http://minato-motors.com/blog/?p=14924
前後のブレーキキャリパーをO/Hしますね。
心配していたキャリパーピストンへの
錆腐食は無かったようです。
キャリパーを洗浄してシールを交換し、
ピストンとダストブーツを装着。
組付け後にピストンを何度も出し入れして、
シールを馴染ませてから車体へ組付けますね。
キャリパーホルダー側のスライドピンの動きが渋い(固い)。
スライドピンがスムーズに伸縮出来なければ、
ブレーキパッドの微振動も吸収出来ない。
(つまりブレーキ系異音の原因)
それ以外にもいろんな効果があるので、
自由に動くスライドは地味に必要なのですよ~。
スライドピンのホール側にある古い硬化したグリスを洗い流す。
劣化したゴム製ダストブーツも交換しました。
ブレーキパッドも交換しますが使用するパッドグリスは、
WAKO’S BPR高耐久高粘度の高性能パッドグリス。
バックシムを洗浄して、指で均一に塗り込みます。
この車種のFrハブベアリング交換は、
裏側のボルトを外せば簡単に交換出来るはず・・・。
ですが錆固着で外れない場合も多いのです。
こんな時は油圧プレスで交換しますね~。
ハブベアリングを組み替えして、
ロアボールジョイントも交換しました。
フロントドライブシャフトをO/Hします。
ベアリンググリスは使用し続けると、
油膜が劣化し粘度も低下します。
トロトロに劣化したグリスでは、
ベアリングを守る油膜確保は難しい。
摩耗してガタが出る前に、
純正ブーツグリスKITでリフレッシュ。
壊れる前の O/H実施の方が、
壊れてからのリビルト交換より安いんですよ~。
ドライブシャフトを洗浄してから、
中間ベアリングを打替え交換。
これで左右のグリスとブーツの交換は終了。
耐久性の高い純正ブーツグリスなら、
今から10万キロは使用できるでしょう。
リア側も整備します。
塩カルでの錆腐食が考えられる車両を整備する時は、
分解するボルトナットは入庫点検時に緩めます。
何故なら錆固着で部品交換が困難になり、
プラン通りに作業が進まない可能性があり。
(うわぁ!ココ錆付いてるやん)となると、
予定が大幅に狂うのですよね。
今回も入庫点検時にチェックすると、
リア・ロアアームのトゥ調整用カムボルトが固着して、
回す事も・抜く事も出来ませんでした。
いくらサスペンション整備しても
最後にホイールアライメント調整が出来ないと、
効果は半減します。
何としてでも外さねば・・・と。
こんな時にはセイバーソーを使用します。
私の足と比べると分かりやすいのですが、
かなりデカイ電動ノコギリみたいな切断工具です~。
話は変わりますが・・・上記画像の靴に注目。
私や相方は重整備する時以外は、
基本的にクロックスを履いています。
整備業界で安全靴を履かないのはタブーですが、
そんな事は気にせず10年ぐらいは愛用していますね。
おかげて冬は暖かく、軽くて丈夫。
洗えば数分で乾いて水虫にもならず。
窮屈さも無いので小指の巻き爪もならない。
お堅い整備工場なら絶対NGでしょうね。
閑話休題
サブフレームを傷付けずにアームを外すには、
ブッシュの両脇を2か所をカットします。
場所的に火花が出る切断方法は使えないので、
セイバーソーのような切断工具が必要でしょう。
交換した右側はもちろんですが、
左側も今後錆びないようにグリスアップ。
ボルトとブッシュ内径にグリスを薄く注入しておけば、
当分錆固着する事も無くなると思いますよ~。
リアのショックアブソーバーも交換して、
スタビ・インナーブッシュも前後交換しました。
ブレーキフルード交換をしながらエア抜き作業も行います。
エンジンマウントインシュレーター全数交換。
エンジンからの振動を消すには効果的。
直4エンジンなら7万キロぐらいで振動が気になる。
V6エンジンなら12万キロぐらいで気が付くでしょう。
劣化が激しい右マウントインシュレーターは特にプラプラで、
仕事が出来ていなかったようです。
4点のマウントを交換しました。
冷間時やアイドリング時の異音は総合的に判断して、
オルタネーター ワンウェイプーリーが怪しい。
外してみるとクラッチプーリーの動きが固いね。
このクラッチ部が劣化するとベルトがスリップし、
異音が発生してベルトの寿命が縮みます。
またオルタのシャフトに過大な振動が常時伝わると、
オルタのシャフトが歪んで発電不良にもなるでしょう。
今回はオルタの発電状態は良好でしたので、
プーリーのみ純正対策品に交換しました。
クラッチ部の出っ張りが、
対策前後では形状が違いますね。
オルタネーターの発電状態が良好なら、
プーリー交換は予防整備&オルタ延命に有効でしょう。
エアコン冷媒ガスも点検&リチャージします。
カーエアコンリフレッシュα
for NUTEC NC-200コンプブースト
冷媒ガス規定充填量 450gに対して、
回収できたガスは250gでした。
どうやら200gほど量が少なかったようです。
冷媒ガスは多くても少なくてもダメなんですよね。
正確に重量管理でチャージしましょう。
アライメントリフトに移動して、
各ブッシュを1G締付。
ブッシュに無駄なテンションを一度開放し、
4輪接地状態で締め付けます。
そこから軽く試運転をしてサスペンション系を馴染ませて、
ホイールアライメント調整を行いました。
測定直後の数値はこんな感じで、バラバラですね。
特にキャスターは本来調整が出来ない箇所ですが、
整備書通には無い作業でこちらも調整していきます。
最終的にはこんな感じになりました。
なかなかキレイに整いましたね。
試運転をして最終チャックを行い、
無事納車となりました。
後日メールにてレビューをいただきました。
先週納車でマークXジオのリフレッシュをお願いしておりました○○です。
より一層愛着がわきました、永く大切に乗ろうと思います。
またお世話になる機会があるかと思いますので、その際はどうぞよろしくお願いいたします。
こちらこそご利用ありがとうございました。
リフレッシュプランは全てのユーザーに対象とした
整備メニューではありません。
恐らく100人に1人ぐらいの方が興味を持ち、
実際に依頼するかも??のニッチな整備メニューです。
暴論をいえば99%のユーザーには不要な事だとも思っています。
ですが自分の愛車に愛着があり、
まだまだ良いコンディションで使用したいと思う。
非常にニッチなユーザーさん向けの整備を、
ブログにてドンドン発信していきますね~。
リフレッシュプランのご相談・ご予約は、
HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。
どうぞ宜しくお願い致します。
それではHAPPY CAR LIFE!!