マツダ CX-5 ドライアイス洗浄で煤除去作業。 最近多いEGR系のエンジン警告灯の点灯。 予防整備でATF圧送式交換などなど。
マツダ スカイアクティブDユーザーなら、
弊社の事をご存じの方も多いかと思います。
(マツダ ディーゼル 煤蓄積)
このようなキーワードで弊社ブログに辿り着き、
メール相談から予約入庫していただいています。
年々強化される排気ガス規制の厳しさに、
それをクリアするためにあらゆる対策や新機構で
メーカーが日々対応しているのが現状でしょう。
上手くいく場合もあれば、
結構無理して弊害が出るパターンもあるようで・・・。
少し前に公開したトヨタ ランドクルーザープラドの
煤蓄積もDSCで対処し大きな反響をいただいています。
http://minato-motors.com/blog/?p=24132
クリーンディーゼルではない時代のエンジンですが、
EGRを使用すると走行距離によっては、
どうしても煤が溜まるのです。
このような状態は構造的欠陥ではなく、
車種特有の経年劣化だとアナウンスしています。
マツダSky-Dに関しては数年前から煤蓄積の除去を、
地道に対処しブログにてアナウンスをし続けています。
http://minato-motors.com/blog/?cat=192
入庫車両のごく一部ですが作業事例です。
結論から言えばSky-Dは早め早めの適切なメンテナンスで、
(良いコンディションを維持していくのが最良だと)
最近は特に感じています。
先日関東から入庫したアテンザGJはエンジン警告灯の点灯で、
DSCの依頼があり対処させていただきました。(P40100)
このお車は無事警告灯が消えて、
現在は良好な状態で走行しているそうです。
また別件では北陸から来店したCX-5も
同じように警告灯が点灯し、DSCを施工。
こちらも当初は消灯したのですが数週間後に再点灯し、
いろいろ対処した結果はDSC作業には含まれない箇所の
EGR系の更に奥まで煤の蓄積が進んでいたようです。
お話しをお聞きすると警告灯が点灯していたが、
走行は可能だったので処置をせずに使用し続けたそうです。
点灯してスグにDSCの依頼をいただければ、
あそこまで被害拡大も無かったと思いますので、
警告灯の無視は良くない事だとお伝えしました。
人間の体もそうですが基本的には悪くなる前に、
先手を打って治療(メンテナス)をしましょうね!と
弊社ではアナウンスしています。
兵庫県からお越しいただいたのは、
マツダ CX-5 KE2AW
走行距離43000km
スカイアクティブディーゼルの定番整備である、
・DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
・ATF完全圧送式交換 for NUTEC NC-65&NC-RF
その他いろいろの整備を依頼されました。
まずはDSCから始めますね。
試運転をしてコンディションを確認。
インテークマニホールドを外すために、
吸気系やEGR系の部品を分解します。
エンジンヘッド側インテークポートの煤蓄積は、
走行距離相応でしょう。
(蓄積が始まってきたかな?という程度。)
奥に見えるインテークバルブのシャフトと
そのさらに奥にあるバルブ傘部には、
結構な塊の煤蓄積が確認できました。
インテークマニホールドを分解して、
こちらの蓄積状態も確認しますね。
上記1~2枚目の画像にある吸気シャッターバルブには、
定番の煤蓄積が確認できます。
またインテークマニホールド内部にも、
大量の煤が溜まっていました。
(特に3枚目のマニホールド入り口が酷い)
Sky-2.2Dの蓄積パターンは
弊社で確認しているだけで4つあります。
今のところは今回のようなタイプが、
一番多い蓄積パターンですね。
軽くホジホジすると、
大量に煤が出てきましたね。
手作業ではこれが限界なので、
あとでDSCで煤を完全除去します。
完全防備のマスキングをしてから、
ドライアイス洗浄機をセット。
圧縮空気でドライアイス粒を高速噴射。
熱収縮と昇華爆発力で母材にダメージを与えずに、
強固な煤塊を剥離させます。
軽くワンショットでこんな感じになりました。
数種類あるDSC専用ノズルとアダプターを使い分けて、
インテークポート、バルブ傘部&シャフトを、
ドライアイスをショットして洗浄しますね。
クランクを回して圧縮上死点にSETして、
1気筒ずつ作業をしています。
(エンジンにノーダメージで短時間に完璧に)
こんなキャッチコピーでDSCを紹介しています~。
全8ポート全て洗浄作業完了。
ブラインドで目視できないバルブ傘部も、
完璧にキレイになりました。
・インテークマニホールド
・吸気シャッターバルブ
・EGRバルブ X2個
・EGRバイパスパイプ
こちらも全てキレイになりましたね。
インテークマニホールドの入り口も、
一目瞭然のビフォーアフター。
空気の入りづらい状態でもディーゼルは動きますが、
新車時に目指した燃焼状態には程遠い。
また燃焼状態が悪い状態を続けると、
DSCで対処する以外の場所までダメージを残す。
なんでも早めに対処しておけば、
良いコンディションで使用出来るのではないでしょうか?
オプション整備のインタークーラーも洗浄して、
ガスケット類は純正新品で交換し組立。
消耗品のラジエターキャップ交換もDSCに含めています。
(オーバーヒートの原因になるので)
各学習値をリセットし、
燃料噴射学習を行って次の作業に移ります。
・注意・
DSC作業は完全非公開になっています。
企業秘密の部分が多いのでネット公開出来るのは、
ここまでになりますがご理解の程宜しくお願いします。
ATFも圧送式で全量交換しますね。
Sky6速AT専用アダプターを装着し、
ATFチェンジャーを接続します。
まずはプレ洗浄から行いますよ。
高価な本命ATFを使う前に、
安価なATFでプレ洗浄します。
でも安価なだけではなく、
信頼性の高い高品質なフルードで。
そこでNUTECさんに弊社が依頼し開発していただいた
NUTEC(NC-RF仮名)で全量圧送式交換を行います。
http://minato-motors.com/blog/?p=17434
奥左に見えるのが新油モニター
中央ビーカーが交換前の廃油
右手前がプレ洗浄後の状態です。
結構キレイになりましたね。
そこから15分のインターバルを開けて、
本命ATFでもう一度交換します。
本命に使用するATFはニューテックNC-65。
極薄で強靭な油膜性能は市販ATFでは最強レベル。
ローフリクション・ハイパフォーマンス、
ストリート走行であればかなりロングライフ化になりますよ。
半面フルード単価は純正比で数倍高価ですが、
ATF自体は頻繁に交換するフルードではないので、
一度に交換して長く使う方が経済的だと思っています。
それではもう一度圧送式交換を行いますね。
完璧に入れ替わりましたね。
最後にフルードクーラーを洗浄して、
油温を検知しながらレベル調整を行いました。
安価なATFで頻繁に交換するより、
高性能なフルードを交換効率の高い方法で交換する方が、
結果的にはお得なんですけどね~。
DSCオプション整備 LLC圧送式交換
ラジエターリフレッシャーで、
交換しにくいLLCを全量入れ替えします。
脈動圧送式でLLCを全交換したあとに、
LLC再生強化剤を注入して各添加剤を補強し、
エア抜き作業も行います。
LLCも劣化しますから定期的に交換しましょう。
こちらも定番のオプション整備(カーエアコンリフレッシュα)
AC冷媒ガスをリセットし、
規定充填量でリチャージします。
また全化学合成ベースオイル(エステル系)を使用した、
NUTEC NC-200も同時注入し、
コンプレッサーオイルの補充と油膜強化をしますね。
冷媒規定充填量490gに対して、
回収できたのは370g。
結果的に120gほど少なかったようです。
CX-5の場合は490gの±25gの範囲で
冷媒を充填しないといけないので、
多くても少なくてもNGです。
エアコンのメンテナンスは不要と思っていませんか??
今回のCX-5はAWDなので各ギアオイルも交換します。
ニューテックNC-70 全化学合成ギアオイル75w90
・リア デフオイル交換
・トランスファオイル交換
ガスケットも交換して規定トルクで締め付けしました。
壊れてから整備する。
不具合があってから整備する。
ソレはソレで悪くはないのですが、
場所によってはダメージが大きくなり、
被害個所が増える可能性はあるでしょう。
例えばE/Gオイル交換をせずに長期使用し続けていたとします。
するとE/Gからガラガラ異音が発生し、
慌ててE/Gオイルを交換する方はいないと思います。
むしろ(そうなる前に)定期交換などのメンテをしているはず。
ではそれ以外の個所の整備はどうされていますか?
その車種に合ったメンテナンスを行っていますか?
私は長く良い状態で使用したい考えの人なので、
愛車には早め早めにメンテナンスをしています。
弊社を利用する方もどちらか言えば、
同じような考え方のユーザーが多い印象ですね。
その車種に合ったあまりメジャーではない予防整備を
弊社ではブログから少しずつ提案しています。
今回のCX-5に実施した全内容なら1泊2日で完了し、
朝9時半に入庫で、翌日お昼前の納車となっています。
また真夏以外は(日帰り特急作業)でも対応可能。
ATF交換・DSCについての御見積ご予約は、
HPお問い合わせフォームからお待ちしていますね。
それではHAPPY CAR LIFE!!