ランドクルーザープラド KZJ95W リフレッシュプラン 後半編。 ATF圧送式交換&ホイールアライメント調整などなど。
前回ブログから紹介しているプラドのリフレッシュプラン。
今回は引き続いて後半編をご紹介しますね。
http://minato-motors.com/blog/?p=21176
ランドクルーザープラド KZJ95W
H11年式 走行距離29万キロ
リア側のショックアブソーバーを交換します。
プラドのラダーフレームに装着されている、
ショックアブソーバー上部のナットはチョット回しにくい。
また場所的に泥が溜まりやすく、錆も発生しやすい。
今回も上部のナットを緩めると、
ショックのボルトが折れました。
錆でボルト部が脆くなっていたようです。
リアのトレーディングアームのブッシュ交換。
車体からアームを外して、油圧プレスで打ち抜きますね。
14tほどプレスしても全く動かないので、
少し方法を変更。
まずは内部のゴムブッシュを打ち抜いて、
外側のカラーに切れ目を入れて(逃げ)を作りました。
すると10tぐらいで打ち抜けましたので、
新しいブッシュを圧入しました。
リアのパーキングブレーキは調整のみ。
固着しやすい所にグリスアップをしておきますね。
エンジンのラジエター交換を提案しました。
LLC漏れは無いのですが
樹脂製アッパータンクに熱劣化が見えました。
このまま放置すると割れたり漏れたりしますので、
走行距離的に交換をオススメしました。
黒い樹脂製タンクが茶色く変色していますよね。
こうなると脆くなって割れる前兆なので注意が必要です。
またラジエターキャップの樹脂部も茶色く熱劣化。
ここまで変色させるには6年以上は掛かるでしょう。
おそらく長い間交換していなかったのだと思います。
サーモスタットやロア&アッパーホースも同時交換。
組み付け後にLLCを圧送式で全量交換しました。
これでエンジンやヒーターのLLCも交換出来ます。
最後にエア抜き作業とLLC強化再生剤を入れて、
冷却系はひとまず完了。
フューエルエレメントも交換し、
1KZ-TE前期モデルディーゼルの
数少ないセンサー系も予防整備で交換します。
オイルの漏れがあるトランスファー オイルシール。
シャフトを外してシール交換をしました。
フロントデフ・リアデフ・トランスファー
3点のギアオイルを交換しますね。
ガルフ プロガード 75W90 LSD対応
新品ガスケットに交換してトルク締め。
ATFも圧送式で全量交換します。
記録簿をみると少し前にオイルパンの脱着をしているので、
今回は圧送式交換のみ行います。
NUTEC リンシングフルード(NC-RF)でプレ洗浄しました。
やや濁りはありますがビーカーの廃油に比べると、
少しはキレイになりましたね。
そこから15分ほどアイドリング状態でリンシングタイム。
今度はNUTEC ニューテック全化学合成ATF
(ZZ51改)でもう一度全量交換しますね。
ここまでキレイになれば次回交換推奨距離の
5万キロは十分使用できると思いますよ~。
カーエアコンリフレッシュα で、
エアコン冷媒ガスをチェック。
デンゲン社エコマックスJrで
冷媒ガスを全量回収再生し再充填。
内蔵の重量計で測定しながら、
規定充填量で正確に作業します。
コンプレッサー保護強化に
NUTEC NC-200も同時注入しました。
エアコン冷媒ガスは多くても少なくてもNGで、
潤滑性と気密性を向上させるNC-200は、
一定の年数でメンテ注入を推奨します。
アライメントリフトでサスペンション系の
各ブッシュを1G締め付けします。
整備リフトで足が伸びた状態でアームブッシュを組み付けると、
タイヤが接地した状態では過大な捻れがブッシュに掛かります。
捻れて無駄なテンションか掛かっているブッシュは、
ブッシュの早期劣化の原因になりますので、
着地した状態で一度開放し再マシ締めしていきますね。
そこから軽く試運転をして、
サスペンションの各部品を馴染ませますね。
そしてホイールアライメントを調整します。
ハンター社 ホークアイWA470
最新鋭の4センサーカメラ搭載 アライメントテスター
イヤサカ ビシャモン マルチアライメントリフト
水平精度を長期に維持する国産リフト。
最終的にはこんな感じで調整しました。
数値合わせだけのホイールアライメントではなく、
ブッシュやショックまでリフレッシュ整備して、
本来の性能に戻した後のホイールアライメント調整。
弊社はサスペンション整備に必要な付随作業として、
ホイールアライメント調整を位置づけています。
最後に試運転を重ねて、最終チェックを繰り返し、
無事納車となりました。
リフレッシュプランは
よくある車検整備のような保守整備でもなく、
よく見るノボリに書いてある無料点検作業でもありません。
10年10万キロ以上走行した車両を、
もう一度予算を掛けて整備するリフレッシュメニューです。
今回のプラドオーナーさんからも
(ディーラーでは見ない箇所の整備を中心に)と
希望整備と合わせてオーダーされました。
世界トップクラスの耐久性があるプラドですから、
適材適所な整備をして長く使用するのもアリだと思いますよ~。
2部構成で紹介しました
ランドクルーザー プラドのリフレッシュプラン。
今回作業した箇所以外にも
何点か気になる整備箇所がありましたので、
(こうなればココを整備してくださいね。)と
アドバイスをさせて頂きました。
リフレッシュプランのご依頼は
HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。
どうぞ宜しくお願い致します。
HAPPY CAR LIFE!!