マツダ スカイアクティブディーゼル DSCで煤蓄積を完全除去。 最近多い、いつもと違う蓄積事例。
今月はアテンザ・CX-5 アクセラ等の
スカイアクティブ 2.2DへのDSC依頼が多い月でした。
重いDSCガンを抱えての連日ショット作業で、
ちょっとヘトヘトな2月最終週。
兵庫県からお越し頂いたのはマツダ アクセラ
BM2FW H26式 走行距離35000km
(新車購入 ディーラーにてオイルメンテ。)
新車時から比べて燃費やDPF再生距離等の低下が気になり、
DSCでインテーク系の煤除去をメールからご相談。
走行距離はまだ3万キロ代ですが
普段の乗り方から煤蓄積具合の確認も兼ねて依頼されました。
サクサク分解して
インテークマニホールドを外します。
インテークマニホールドをパカッと分解し、
吸気シャッターバルブを確認しますと、
結構な量の煤が蓄積していますね。
さらにインテークマニホールドの入り口を観察すると・・・・。
40~50%ぐらいは煤の蓄積で詰まっていました。
こうなるとどうなるか?
ターボで過給された空気が
インテークマニホールドに入りずらくなります。
逆に過給新気が入りずらい分、EGRは必要以上に流入します。
パワーを産む空気(o2)が少なくなり、
パワーを産まないEGR(co2)が制御以上に入れば、
当然パフォーマンスは落ちるでしょう。
そして少し遅れてから排気にあるO2センサーで異常を感知し、
吸気バルブを制御して理想のバランスに整えます。
アクセル開度が変化する度に、
後手に回りながらも何とか理想なバランスに
ECUが戻しています。
その繰り返しですね。
実物を見ずに弊社の画像だけで判断して、
『EGRが煤で詰まってEGR量が減少し、パワーが低下』と
間違った解釈をしている方がいますが真相は逆です。
(EGRに含まれる煤が吸気経路で詰まり、
過給新気が理想量ほど入らずパワーが落ちる)
が弊社の見解です。
さらにインテークマニホールドの出口を見ると・・・。
煤の蓄積が少しずつ進行していますね。
軽くホジホジすれば大量の煤が出てきますが、
内部で固着しているので半分以下しか排出は出来ない。
あとでドライアイス洗浄でキレイにしますね。
エンジンヘッド側も煤が蓄積し始めていますが、
インマニ入り口周辺に比べれば、まだマシな方でしょう。
酷い場合は全ての箇所で蓄積している車両もありますが、
おそらくメンテナンスと運転方法の差なのでしょうね。
3万キロにしては多いように思えますが、
平均でみると少ない部類でしょう。
エンジン側のインテークポート及びバルブ傘部の蓄積は、
ドライアイス洗浄機を使用して除去します。
指で潰せるほど柔らかいドライアイスペレットを、
圧縮空気で高速噴射。
-79℃のドライアイスの特性を利用し、
熱収縮と昇華爆発力で煤を剥離除去。
エンジンにノーダメージで、
短時間&完璧に除去が出来るのは
おそらくDSCだけだと思います。
1気筒ずつ圧縮上死点にセットして
軽くワンショットでコレぐらい。
数種類あるDSCノズルを使用して、
ポート内を全てキレイにしますね。
4気筒8ポート全てキレイに除去完了。
除去しにくいインテークバルブのシャフト裏や、
バルブ傘部も入念に除去しています。
2つの電子制御EGRバルブも、
DSCで洗浄しました。
手作業でここまでキレイにするのは、
非常に難しく出来たとしても時間が掛かる。
とても日帰りでは作業が終了しないと思います。
去年に制作したSKY-D用改良型DSCノズルで、
劇的に洗浄スピードは速くなり、
今回のアクセラへのDSCは
特急仕上げの日帰り作業で行いました。
(通常は一泊二日で作業しています。)
元の状態に組み付けますが、
もちろんガスケット類は純正新品を使用。
(常時5台分以上はG/Kをストックしています。)
オプション整備(インタークーラー洗浄)
作業中は吊るしておいて、
最後に洗浄剤を流し込みキレイにしました。
ブローバイからのエンジンオイルが溜まるので、
定期的に排出した方が良いでしょう。
最後に各学習値をリセットして、
完全暖機後に燃料噴射量を再学習しました。
35000kmの走行距離でコレぐらいの蓄積。
個人的にはあまり蓄積が酷くなる前に、
除去する事をオススメしています。
この部分に蓄積すると新気吸気が入りにくくなり、
EGRが必要以上に流入します。
なぜ新気が入りにくくなって、
EGRが必要以上に流入するのか?
それによるデメリットは??
納車時には作業画像を交えながら、
この辺りの仕組みを説明させて頂いています。
ただココ最近よく見るようになったのが、
今までとは違う下記画像の蓄積パターン。
インテークマニホールドの入り口には蓄積せず、
EGR導入パイプの入り口での固着です。
(先ほどのアクセラとの違いが分かりますか?)
一年前には見られなかったのですが、
最近ちょくちょくこのパターンの車両が複数入庫。
なぜ四角いEGR出口で詰まるのかは、
今のところ不明です。
EGR経路が詰まれば、
これはコレで問題を抱える事になりますね。
その中で一番酷かったのは、
某県からお越し頂いたCX-5。
EGR導入口が完全に塞がり、
パイプ内部でカッチカチに固まっていました。
もちろん新車購入でエンジンオイル等は
ディーラーさんで定期的に交換している車両です。
全容がイメージしやすいように
EGR導入パイプを回転させますね。
パイプ内まで完全に塞がり強固に固着していましたので、
ドリルで煤塊を割りながら除去しました。
煤塊の硬さのイメージは、
サクラドロップスぐらい硬いかな。
ここまでサッパリ除去してから、
あとはドライアイス洗浄で再生しました。
マツダ資料引用
出口が塞がってしまうとEGRが全く入らないので、
エンジン警告灯が点灯したそうです。
点灯させながら弊社に入庫し確認すると、
P40100 (EGRシステム流量不足)
DSC作業して
とりあえずは仮処置を終えました。
原因は他にもあるようなので、
ユーザーさんに状況を説明し、
地元ディーラーさんに相談するようにアドバイス。
高圧的なクレームを訴えるのではなく、
冷静に的確な事情を説明すれば、
出来る範囲でディーラーさんも真摯に対応してくれるでしょう。
・弊社でDSCをした画像と説明資料を持って
ディーラーさんに行ってはどうですか。
・ミナト自動車の見解では○○が悪い可能性があるので、
それを担当の方に伝えてくださいね。
このようにアドバイスをして、
ディーラーさんで対処して頂いた事例も多いですね。
(中を開けてみて、初めて分かる事もある。)
定期的なメンテナンスのつもりで、
DSCを利用するのも良いのかな?と最近は思っています。
DSCの御見積・ご予約は
HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。
日中は作業をしていますので
お電話での対応は難しいです。
メールにてお問い合わせ頂けると助かります。
どうぞ宜しくお願い致します。