千葉県からはMPV LY3P リフレッシュプラン。 サスペンション・ATF・LLCをリフレッシュ。
千葉県からお越し頂きました。
マツダ MPV LY3P 2.3T
走行距離 13万キロ
リフレッシュプランのご依頼です。
http://minato-motors.com/refresh/
千葉県を朝一に出発して、
大阪にはお昼15時頃に到着。
問診後にそのまま弾丸で
千葉県にお帰りになられました。
翌日仕事だそうですが、タフですね~。
今回のリフレッシュプランのメイン整備は
乗り心地の悪化と今後の使用などを考慮して、
サスペンションリフレッシュが最優先課題。
そんな時は前金制となりますが、
サス交換部品を事前入荷を推奨。
一つでもメーカー欠品があると、
作業が中断して納期が遅れます。
予算の兼ね合いもありますが、
メイン整備が決まっているなら
ある程度の部品は事前入荷するのも良いですよ。
通常は車両点検後に整備プランを提案し
部品発注する為に前金は不要です。
事前アライメントを測定して、
入庫時のサスペンション状態を把握します。
ビフォーアフターは結構重要で、
弊社は重視しています。
・スキャンツール G-SCAN インターサポート社
・バッテリーアナライザー アーガス社
それ以外にも排気ガステスターなども使用して、
車両状態をデジタル的に点検します。
リフトアップしてタイヤを外し、
車体のチェック。
昔ながらのアナログ点検は、
各部品などを外して状態を確認します。
特にブレーキはキャリパーを外して、
ブレーキパッド残量&状態チェック。
固着やグリス切れ・ブーツ破損等は、
ある程度分解しないと分からないモノなのです。
点検をして御見積をし、
プラン内容にOKが頂きましたので
作業を進めますね。
まずはFrショックアブソーバーから始めます。
ストラット式のアブソーバーを外して、
分解交換しますね。
ショックアブソーバーのアッパーマウントは、
左右同品番の共通部品。
マウントやアッパーシートは角度付けしているので、
取付時には位置決めが必要です。
外した部品を見ると
位置決めが正確ではなかったようですね。
またロアシートへのスプリングの収まりが悪く、
これも正確な取付状態ではありませんでした。
誰かが以前作業したのか?
マーキング印が有ったので、
間違った作業で組み付けしたのでしょう。
今回はカヤバ製アブソーバーが欠品のため、
オール純正で交換します。
アブソーバーのみの交換ではなく、
周辺消耗品も同時交換。
ゴム製品は長年の使用で硬化し、
もう本来の性能は発揮できないと思います。
・アッパーマウントの印とアッパーシートの印。
・アッパーマウントに有る緑色の印。
左右で位置が違うのが分かりますか??
・赤矢印が車両前方
・赤丸が車両外側
アッパーシートの切り欠きと、
マウントの切り欠きの位置が
左右で違うのが分かりますか?
非常に分かりづらいですが、
これを正確に合わせないと、
ダメなんですよ~。
普段から整備書を見ない整備士は、
今の車両は扱えないと思っています。
メーカー・モデル・年式によって、
チェックポイントは違いますから、
あやふやな経験で作業するのは
もう無理な時代なんですよね。
マツダの場合はサスペンションアームブッシュや、
ボールジョイントなどは単品供給しない傾向があります。
そうなると高額になるがASSY交換しかない。
百歩譲ってブッシュは良しとしても、
ボールジョイントブーツが破けると
車検には不合格になる。
コレぐらいの部品は、
単品販売して欲しいなと思います。
リアサスペンションもリフレッシュ。
ロアアームのブッシュが破損していますが、
ブッシュのみの供給が無いので左右ASSY交換。
コレぐらいのアームブッシュなら
簡単に打ち替え出来るのにね~。
砕けたバンプやスプリングシートも、
同時に交換しました。
上記画像はリアブレーキ内にある
パーキングブレーキ調整用の穴です。
点検時ではフット式のサイドブレーキペダルの踏み込み量が、
かな~り深い状態でした。
(あぁ~コレはサイドブレーキ調整してないな??)
ということでダイヤルを回してクリアランス調整。
ダイヤルのねじが見えてきたのが、
分かるでしょうか??
効きも回復し、
適正な位置での踏み応えになりました。
点検するとラジエターリザーバータンクのLLCが、
LOWラインを下回っていました。
またLLCを長年交換した様子もないので、
LLC圧送式交換を行います。
・右が回収している劣化したLLC
・左が注入中の再生LLC
劣化したLLCを回収し
5ミクロン・20ミクロンのダブルろ過。
ラジエターリフレッシャーでの圧送式交換は、
エンジン・ラジエター・ヒーターコア全ての
LLCを入れ替えできます。
毎分7Lの吐出量で30分間。
計算上210Lが循環ろ過する事になりますね。
最後に着色料・防錆剤・消泡剤を強化する
LLC強化再生剤を入れてエア抜き作業。
車種によってエア抜き作業手順は違うのですが、
このLY3Pはヒーターホース部のゴムキャップを空けて
エア抜きをするのが正解です。
キャップを空けても全くエアが出てこないので、
注意深く覗いてみると・・・・。
パイプ内部が詰まっていましたね。
軽くホジホジしてゴミを取り除けば
貫通してLLCが出てきました。
長い間エア抜き及びLLC交換を
実施していなかった証拠でしょう。
もしくはこのゴムキャップを外さずに、
間違ったエア抜きをしたのかも??
忘れがちなラジエターキャップも消耗品なので、
定期的に交換しましょう。
このキャップも重要な仕事をしているのですよ~。
エンジン始動後にNからDレンジ。
もしくはNからRレンジにシフトすると、
軽いショックがありました。
エンジン・ATの前後の振れを止める
ロア側エンジンマウントのブッシュ切れ。
バックリ裂けているので、
新品ブッシュに交換しました。
ショックがほぼ無くなりましたね。
ATF圧送式交換
ATFの状態をチェックして、
アイシンAFW+でプレ洗浄を行います。
新油と比べるとマダマダですが、
廃油と比べると少しマシになりましたね。
アイドリング15分後に
もう一度AFW+で全量交換します。
キレイになりましたね。
ATFはキレイな状態を維持する事が、
ATの予防整備に繋がると思います。
ハンター社 ホイールアライメントテスター
(ホークアイ WA470)
最新鋭のテスターでホイールアライメントを調整します。
MPV LY3Pのリア側アライメントは、
純正機能でキャンバー・トゥ調整が出来ます。
フロント側は純正機能のトゥ調整と、
ナックルのボルトガタによるキャンバー調整が可能です。
SAI数値が左右で1度14分と大きく差が出ているので、
サブフレームを緩めてのクレドル調整も行いました。
SAI・包括角度まで調整するのはアライメント専門業者か?
知識の有る整備工場ぐらいでしょう。
(普通はここまで調整しない箇所でしょう。)
キャンバーとキャスターとSAIを確認しながら、
微調整をして良いバランスに整えました。
こんな場合はメーカー基準値は無視して、
全体のバランスを優先します。
サスペンションもリフレッシュし、
乱れたアライメントも調整したので、
かなり乗りやすいMPVになったと思います。
お預かり時間は他の車両と平行してするので
約2週間で納車となりました。
本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に
お越し頂きありがとうございます。
ある程度走行した車両の整備は、
(いくら掛かるか?)ではなく、
(いくら掛けれるか?)だと思います。
劣化している部分は無数にあるが、
全ての部品を予算無視で整備するのは非現実。
限られた予算でどの部分を
優先的に整備するかは?
一般ユーザーの方では分かりずらいと思います。
http://minato-motors.com/blog/?p=12375
・車両現状の不具合や不満点
・お預かり出来る期間
・今回のリフレッシュ整備に掛けれる予算
をお聞きして最適な整備を提案するのが、
リフレッシュプランの狙いです。
また整備士のスキルが試される
遣り甲斐のある作業だと実感しています。
リフレッシュプランのご予約等は
HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。
Happy Car Life!!