宮城県からリフレッシュプラン。 マークX GRX121 サスペンション・ブレーキなどなどリフレッシュ整備。
前回ブログで紹介したマークX GRX121.
モデリスタ スーパーチャージャー付3GR
走行距離19万キロ
宮城県から陸送され
ATF交換・DSCを依頼されました。
http://minato-motors.com/blog/?p=14223
作業後に車両の気になる所をオーナーさんに確認すると、
車両全体を診断整備するリフレッシュプランを
実施する事になったのは前回ブログでお伝えしましたね。
それではリフレッシュプランの作業内容を紹介します~。
・事前アライメント測定(足回り劣化チェック)
・排気ガステスト (S/C付ならHCは許容範囲)
・スキャンツールによるECUチェック
・リフトアップし車両点検
・バッテリーテスト (劣化 CCA-NG・要交換)
エンジン~足回りまで
各テスター・アナライザーを使用しチェックして、
オススメの整備プランを提案させて頂きました。
整備見積を提示しOKが貰えましたので作業を始めます~。
入庫した時から気になった異音(ザーザー音)。
10~15km/hほどの低速から唸り音がしていたので、
おそらくB/G系だと・・・。
リフトアップしVSC解除で後輪を回します。
音の発生源はプロペラシャフトセンターベアリングでした。
車体からシャフトを外して手でベアリングを回すと、
軽~い異音アリ。
手でココまで鳴るなら
走行時だともっと酷いでしょう。
分解して新品B/G ASSYに交換しました。
水の浸入を防ぐゴムシールがもともと無い構造で、
水没するとやはりダメでしょう。
おそらく震災水没時にダメージを受けたのだと思います。
次はフロントブレーキ。
錆はありますが
状態はそこまで酷くないかと思いきや??
ディスクローター裏側も点検すると、
パッド当り面は錆で不均一になっていますね。
ディスクローターは
Made in Japan スター社ローター研磨機で修正。
厚み残量も十分あり、
段付きや歪みは修正できました。
ブレーキパッドも交換します。
バックシムにWAKO’S BPR。
(高性能パッドグリスを使用)
そこからキャリパーに組み付け。
キャリパーホルダーも清掃して
ディスクローターは耐熱塗装。
(数キロ走行すればパッド面だけキレイに剥離します。)
1ヶ月前に地元ディーラーで定期点検整備をし、
Frキャリパーのピストンシール等は交換したそうです。
ですがキャリパーのスライドピンが錆で酷い状態、
即交換させて頂きました。
ちなみにプロペラシャフトの異音も
原因不明だったそうです。
リアブレーキはパッド残量少な目ぐらいで、
パッと見た感じは問題なさそうですが・・・。
キャリパーを外して診てみると・・・。
フロント同様に錆で当り面が悪いですね。
リアはキャリパーを整備していないようなので、
オーバーホールを提案しました。
表面には錆がありますが、
重要な内部はキレイですね。
ピストン・スライド部ともにOK。
キャリパーは完全洗浄して、
シール&ブーツを交換。
重要な箇所は清掃・洗浄。
必要な箇所にグリスアップ。
リアディスクローターは錆の腐食が酷く、
研磨途中で厚み不足。
再利用不可のため、
純正ローターに左右交換します。
自社で研磨作業をすると状態次第では作業を中断し、
こちらの判断で交換に変更が出来るのがメリットですね。
キャリパー等を組み付けてサイドブレーキも調整し、
ブレーキフルードも交換しました。
LLCはラジエターリフレッシャーで脈動圧送式交換。
エンジン・ラジエター・ヒーターコア
全てのLLCを一気に交換します。
LLC再生強化剤を注入して防錆・消泡を強化し、
エア抜き作業後にレベル調整します。
ショックアブソーバーは限界にまで劣化。
乗り心地も非常に悪く、
フワフワ・ユラユラ。
ダストブーツは無くなり、
シャフトからはオイル漏れ。
もともと純正アブソーバーに
ローダウンスプリングを装着していましたが、
今回はカヤバ エクステージ・スプリングKITをチョイス。
(マウント・バンプ・インシュレーター等は全て純正品です。)
純正採用されているカヤバ・アブソーバー。
エクステージなら純正AVSがそのまま使えるので、
可変ダンパー機能は継続使用出来ますね。
KITスプリングはエクステージアブソーバーへの専用設計、
純正ノーマル状態から約2cmほどのローダウンになります。
サスペンションアームブッシュの中で一番負荷の掛かる
Frロアアームリアブッシュも左右交換しました。
カーエアコンリフレッシュαで
エアコンガスをメンテナンス。
・減少する冷媒ガスを全量回収。
・高密度吸湿フィルターで冷媒再生。
・真空引きで配管内の水分と空気を除去。
・規定量を重量管理で液化高速充填。
NUTEC NC-200コンプレッサー強化オイルも
同時に注入します。
約140gほど冷媒ガスが足りなかったようですね。
これらは全てデンゲン社製エコマックスJrが全自動で行います。
(冷却性能テストは作業者が行い判断します)
デフオイルもNUTECニューテック。
ハイパフォーマンスギアオイル75W90
全化学合成(エステル系)で交換しました。
純正中空G/Kはトルクレンチでマシ締めします。
モデリスタS/C用 ブローバイホースの亀裂劣化。
ブリヂストンの耐熱耐油ホースに変更します。
アライメントリフトに移動して
サスペンションアームブッシュを1G締付。
ブッシュテンションを開放します。
そこから試運転をして
トータルアライメントを測定調整しますね~。
米ハンター社 アライメントテスター(ホークアイWA470)
4つの高性能カメラで
ホイールに装着したターゲットを捕捉。
高水準の水平レベルが確保された
イヤサカ ビシャモン マルチアライメントリフト。
正確な測定をし
ローダウンを加味した数値で調整しました。
ちなみに入庫時の数値は約1mmのFrトゥアウト。
スラスト角も悪く
ハンドルセンターは0度5分のズレ。
全てを解消しましたので、
かなり乗りやすくなったと思いますよ~。
入念に試運転とチェックをして
陸送会社に依頼して納車します。
今回は入出庫ともにオーナーさんとはお会いする事はなく、
全てメールとTELでやり取りのみ。
いつも納車時は画像を見ながら
作業説明するのですが
お会いしていない分は
なるべく詳細に・分かりやすく作業説明し
内容をブログ公開しました。
本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に
お越し頂きありがとうございます。
弊社のリフレッシュプランは
よくある定期点検とは少し趣旨が違います。
ある程度年式・走行距離が経過した車両を、
まだまだ長く良い状態で使用したい方向けの整備で
それ相応の費用は掛かります。
一般向け大多数ユーザーに推奨するメニューではなく、
百人に一人いるか?いないか?のマニアックな整備でしょう。
国産車でココまでの整備をディーラーさんにお話しても、
やんわり断られると思いますし・・・。
(さりげなく新車カタログを手渡されるでしょう。)
ATFチェンジャーやアライメントテスター、
ドライアイス洗浄機やラジエターリフレッシャー などは
おそらく完備していないと思いますので。
実際にこのマークXユーザーさんも
地元ディーラーで整備相談したのですが
あまり良い返事が得られず弊社入庫となりました。
もしマークX同様に愛車をリフレッシュされたい方は
どうぞHP(お問い合わせフォーム)からご相談くださいね~。
http://minato-motors.com/blog/?p=12375
それではHappy Car Life!!