東大阪市からリフレッシュプラン。 ニッサンZ11キューブ。 作業重複度も考慮しますね。
大阪府東大阪市からお越し頂いたのは
ニッサン キューブ YZ11
走行距離129000Km
リフレッシュプランのご依頼です。
メールからの相談内容は
・このキューブを長く乗りたいので今の状態はどうだろうか?
・これから実施した方が良い整備などを提案ほしい。
とお問い合わせがありました。
・予算は大体○十万円以内で!!
・お預かり日数は何週間!!
希望整備内容も明確で
分かりやすい相談は非常に助かります。
http://minato-motors.com/blog/?p=7626
スケジュールを調整して入庫して頂き、
まずは問診から。
・今までの整備状況と使用環境。
・現在の車両への不満点や不具合点。
今後の使用期間や走行距離などをお聞きして
このキューブに最適な整備をプランニング。
試運転をしてから排気ガステスト
エンジン燃焼状態のチェックをしますね。
スキャンツールを接続し
エラーコードとライブデーター数値の確認。
Z11系キューブ 特有のあるライブ数値を確認すれば、
普段のオイルメンテナンスがよく分かりますね。
次にトータルアライメントを測定し、
足回りの劣化度を判定します。
これらのチェックした数値 と 実車を診た点検結果から、
キューブに必要で最適な整備プランを提案しました。
オーナーさんとはTELにて打ち合わせ。
メール送信した御見積書をお互い見ながら
整備プランの内容を説明し、
数回修正してプラン内容が決定しました。
それでは始めますね。
点検するとリアハブベアリングからの異音アリ。
タイヤを外しフリーでハブを回転させると、
カラカラ~と軽い音が・・・。
ハブベアリングの劣化ですね。
ルノーの影響か?フランス製のB/Gが使用されているので、
Z11キューブでは定番の故障になっていますね。
どう考えてもB/Gは日本製の方が丈夫なんですけどね~。
ベアリングをプレスで交換していきます。
右がダメなら、いずれ左側も・・・。
予防整備で左右のベアリングを交換しました。
フロントロアアームのブッシュ破損。
ホイールアライメントの位置決めに重要なブッシュが、
ここまで劣化すれば調整する前に要交換。
このような状態でアライメントを調整しても、
その数値は長く維持は出来ないでしょう。
アライメントが狂う原因も
予算の範囲で解消していきますね。
外してみると
結構破損してますね~。
左右ロアアームASSYを交換しました。
ロアアーム交換と同時にしたのは、
ドライブシャフトのオーバーホール。
ドライブシャフトのインナーブーツから
グリスがニジミ出てきています。
ゴムブーツが割れてもいないのに、
ドライブシャフトを整備しないといけないの?
と思われるかもしれないですが・・・。
シャフトを外しブーツを分解すると、
タラ~と液体が垂れてきましたね。
本当はバターぐらいの硬い粘度のグリスが、
劣化し粘度が落ちてユルユルに。
そうなると油膜が確保出来ないので、
ベアリングが磨耗し異音が出ます。
異音が鳴ってからASSY交換するも良し。
その前に予防整備をするのも良し。
今回は相談の上、オーバーホールとなりました。
もちろんアウター側もキレイに洗浄し、
非常に硬い新品純正ブーツを組み立てます。
アウターブーツは昔のようなゴム製ではなく、
プラスチックのような硬いブーツが使用されています。
通常のブーツバンドでは固定出来ないので、
カシメ式の硬~いバンドをKTC製の専用工具で締め付けますね。
プライヤータイプの安価な工具が売っていますが、
このバンドの締め付けは無理です。
実際に買って失敗しました。安物工具の銭失いです。反省。
KTCのこの工具は非常に使いやすいですね。
ドライブシャフトをミッションから引き抜けば、
CVTFも排出されます。
CVTF交換はオーナーさんからの希望作業だったので、
CVTF交換と同時にドライブシャフトの整備は
工賃が重複するのでお徳です!と説明しました。
別々にするとフルードも工賃も重複し、
無駄な出費が多くなりますからね。
オイルパンを脱着洗浄して、
アイシンCFExでイッキに全量交換。
ほぼ完全に入れ替わりましたね。
LLCも圧送式交換。
ラジエターリフレッシャーで
ラジエター・エンジン・ヒーターコアのLLCを入れ替えます。
ハンター社の最新アライメントテスター (ホークアイWA470)
・4つの高精度カメラでホイールに装着した
樹脂製軽量ターゲットを捕捉。
・約20cmタイヤを前へ回転させればターゲットのセンタリングは不要。(補正演算します。)
そこからハンドルを左右に動かし、キャスター等を測定。
鉄ホイールもだいたいセンターに来るように
アバウトな取付で全く問題なし。
センサーとCPUの進化で
もうこんな時代になりました。
今後はもっと簡単になるでしょうね。
http://minato-motors.com/blog/?p=10832
直進安定性重視のセッティング。
やはりショックアブソーバー劣化の影響で、
狙い通りの数値にはなりませんでしたが、
入庫前の乱れた数値を出来るだけイイ感じに持っていきました。
乗りやすい 走りやすい 車両になったと思います。
ある程度使用した車両の整備プランは、
一律ではありません。
過去の整備状況や運転頻度
オーナーさんの希望整備箇所などにより、
整備重点ポイントも違ってきます。
そこに車種特有の整備部分もあるので、
診てみないと分からない部分が大きいですね。
(コレとコレの交換はおいくらしますか?)と
よくメールにて相談されるのですが、
その見積金額はあまり意味が無いと思っています。
例えばタイミングベルトの交換。
カム・クランクシールは交換するのか?
ウォーターポンプも同時にするのか?
ラジエターホースは?アッパーもロアも?
サーモスタットは?
ファンベルトにプーリーB/G??
15万キロ前後ならラジエター アッパータンクの劣化が
気になる時期ですよね。
例えばサスペンションアームのブュシュ交換。
国産車の場合、多くはアームとブュシュはASSY部品。
ブュシュのみの交換は出来る車種が限られる。
作業が重複するボールジョイントの交換は?
ロアアームを外すとエンジンマウントを外す車種もあり、
同時に交換しても良いかもしれません。
目的の整備のみの費用を
知りたい気持ちは理解できますが、
重複・付随・推奨する他の部品を
どの程度まで作業するかで、
見積金額は大きく変わると思いますよ~。
リフレッシュプランのメインテーマは
(この車両がもし私の愛車なら、限られた予算でどう整備するか?)
これに尽きます。
整備士が愛車の整備に
バラバラな個別の整備など絶対にしない。
重複する無駄な作業はしたくないですからね。
リフレッシュプランのご相談は
HPお問い合わせフォームからどうぞ~。
よろしくお願いします。
Happy Car Life!!