CX-5 クリーンディーゼルエンジン。 インテークに溜まるカーボン除去。 固まる原因も洗浄を。 (後編)
前回ブログの続きです。
三重県からお越し頂いたマツダ CX-5。
H25年式 89000km
前回ブログでインテーク系統に溜まるカーボン除去作業。
DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)で、
インテークに固着したカーボン(煤)を除去しました。
http://minato-motors.com/blog/?p=10335
サラサラの煤が固着硬化する原因は 『熱と油分』
水分なら燃焼熱で蒸発し、付着しても固まる事はないでしょう。
ですがオイルが付着した場合はそんな簡単な訳にはならず、
粉状が固体になり硬化していきます。
ではどこからオイルがインテーク系に流入するのか?
それはターボ車特有の症状である
ブローバイガス過流入によるミストオイル混入。
ターボ車を所有し
それなりの距離を走れば、
インタークーラー内がオイルでベトベトになっているのは、
ご存知の方も多いかと思います。
このCX-5もインタークーラー前後のパイプガスケットから
オイルニジミがありました。
また吸気パイプ内もオイルでベトベト。
オーナー様に了承を得て、
インタークーラー脱着洗浄を追加作業を行います。
かなり大きめのインタークーラーは
フロントバンパー下部の中にあるのですが・・・・。
取付ボルトが抜け落ちている箇所がアリ?
誰かが外した形跡が残っていました。
コレには特に気にせず作業は進み・・・。
インタークーラーが外れました。
吊り下げてしばらくすると、
内部に溜まっていたオイルがポタポタからドバドバへ。
パーツクリーナーを流し込み内部を洗います。
IN・OUTのパイプも洗浄し、
なるべくインテークマニホールドに
オイルが行かぬように予防処置。
キレイに洗浄してガスケットも交換して、
再組み立てを始めると・・・。
インタークーラーの取付ネジがナメており、
トルクが掛からずパイプを固定出来ない・・・。
おそらく以前誰か作業した時のミスなのか?
オーバートルクでボルトを締めて、フランジのネジがナメたのでしょう。
アルミのネジ穴 X ステンレスボルト。
ナメやすそうな組み合わせ。
貫通のネジ穴では無いので、ナット止め も タップ作業も難しい。
ネジ穴の奥に残る『生きてる4山ネジ』を頼りに、
スタッドボルト仕様に変更しました。
4山ぐらいのネジ山では心許ないので、
ネジ補強として2液タイプの金属補強材で
穴を肉盛り&接着処置。
6時間後にパイプを接続し、ナット本締め。
十分強度が出ているので、問題ないでしょう。 バッチリです。
たまたま1週間預かりのCX-5なので助かりましたが、
日帰りなら時間的にチョットヤバかったですね。
ちなみにこの『JBオートウエルド』 WELD=溶接
完全硬化すると強硬度・強接着で肉盛り・切削OK。
開封後25年以内なら取替保証付きだそうで、
2つの液を混ぜない限り固まらないそうですよ~。
最後に試運転をして各学習値を初期化。
もう一度試運転をしてライブデータを収集。
予定通り5つの数値が良い方向に変化して、
新車時と同じ状態に戻ったようです。
また新車時のあのトルク感を楽しめるでしょうね。
エンジン上部にある吸気経路から
吸い込まれたブローバイミストオイル。
ミストは空気に流されてターボを通過し
パイプ・ホースを通ってインタークーラーに溜まります。
CX-5のインタークーラー位置が低いのが幸いして、
上部にあるインマニホールドには辿りにくいようですね。
ですがある程度はインタークーラーに溜まりますが、
吸気の流れに引き込まれて少しずつマニホールドに流入。
カーボン粉とオイルが結合し、吸気経路で固まる。
ディーゼルは空気を吸ってナンボのエンジン。
吸いづらければ新車時の性能が発揮できないのです。
クリーンディーゼルの場合はERGと新気の比率が重要なので、
そこが乱れるとさらにパワーは落ちる。
加速が足りないので必要以上にアクセルを踏み込むと、
燃費も落ちて煤も出やすい。
悪循環ですね。
前を向いて走ればソレで良いという方には、
今回のDSC作業は必要ないと思います。
異常でもなく故障でもなく、経年劣化みたいなものですから
ディーゼルはこんな感じだと諦めてください。
ですが出来るだけ新車時の性能を
取り戻したい方はどうぞご相談くださいね~。
HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています~。
Happy Car Life!!