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ハイエースワゴン 4WD   点検整備。  過去の整備暦から見えるモノ。

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今回は2部作でまあまあ長編です。  長いですよ~。

 

 

 

 

ハイエースワゴン 4WD KZH116G

H12年式 23万キロ走行

 

 

点検整備をメールから依頼して頂きました。

 

 

 

 

 

初入庫の問診時では

・坂道などでの加速が悪い。(昔に比べて)

・クーラーの効きがイマイチ。(特に昼)

とのご相談。

 

 

試運転をしてからリフトアップしていきます。

 

 

 

ザックリ診た感じでは、概ね良好

 

気になる点を整備していきますね。

 

 

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試運転時に

効きがイマイチだったブレーキ関係。

 

フロント・リアともに

残量や当たり面などは問題なし。

 

 

 

 

 

ただリアブレーキ調整が甘かった のと

ダストが多かったので、

 

ダスト清掃&調整をしていきますね。

 

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リアドラム車の場合、

ブレーキの効き・ペダルタッチ・全体の制動力は

リヤ側のコンディションに依存されます。

 

 

 

フロントはディスクブレーキのため、

キャリパーなどに不具合がなければ調整は不要

 

 

 

リアドラムのアジャスターを回し、

手動でブレーキ調整をしていきますね。

 

 

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基本的なリアドラムブレーキ構造は

リアのライニングが減る → サイドブレーキの引きシロが過大に。

 

逆に

ドラムブレーキを調整する→  引きシロが少なくなる・元に戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前作業者がリアブレーキ調整をせず、

緩くなったサイドワイヤーのみ を調整していると

 

ドラムブレーキ調整が出来ないので

リセットの為にサイドブレーキワイヤーを一度緩めますね。

 

 

 

 

それから左右リアドラムの調整をして、

サイドBワイヤーも再調整

 

 

 

 

ブレーキペダルの踏み応えが良くなり、

4輪すべてのブレーキングが向上しますよ。

 

 

 

サイドブレーキがやたらと深い・大きい事はないですか?

リアドラムブレーキ車なら要注意。

 

 

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エンジン冷却水(LLC)の点検。

 

 

リザーバータンクの液面は最下限以下でした。

 

 

 

 

 

ラジエターキャップを空けて、LLCを取り出すと

かなり劣化した状態・・・。

 

 

LLCの着色料が劣化して赤?茶?緑?かわからない。

(トヨタ系は赤ですが、コレはおそらく緑だと思います。)

 

 

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(写真では赤く見えますが、肉眼では薄緑茶色です。)

 

容器に入れてLLCをシェイク

 

 

 

 

泡がいつまでも消えない事から、

添加剤(消泡剤・各防錆剤・着色料)が

完全に劣化していますね。

 

 

 

少なくとも4年以上LLCを放置しないと、

ここまでの劣化度にはならないですよ~。

 

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リアヒーター ・ ラジエター ・ サブラジエターから

LLCを抜いて新しいLLCを圧送式交換していきます。

 

 

配管が長いのでエア抜き作業は慎重に。

 

 

 

 

 

冬に岐阜・長野にある御岳周辺のスキー場に行かれるようで、

濃い目のLLC濃度50%にしてみました。

 

 

LLCが劣化して氷点下で凍ると、

エンジンが損傷しますので。

 

 

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(左がエンジンLLCの廃液  右がインタークーラー用LLC廃液)

 

 

エンジンルームの奥にある

水冷式インタークーラーの冷却水も交換します。

 

なぜかこちらのLLCはキレイでした・・・。

 

 

 

リフレッシュして再充填しますね~。

 

 

 

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最後に冷却ラインの加圧テスト

 

漏れはないので、しばらく様子を見てもらいますね。

 

 

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外気温35度

内気循環   ドア窓全開

 

フロント・リアAC   クールMAX 風量MAX

エンジン回転数 2千回転。

 

吹き出し口温度  27℃

 

 

 

 

冷えないね。こりゃダメだ。

 

 

 

注意

ドアを全開して測定してくださいね。

閉めて測っちゃダメですよ~。

 

外気温からどれだけ冷やせるか?が性能テスト。

閉めて内気循環 時間を掛ければ、そりゃ冷えて当たり前ですからね。

 

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低圧・高圧ともに低めの数値。

 

 

エコマックスJrで(カーエアコンリフレッシュα

全自動回収・再生・充填作業をしますね。

 

 

 

 

 

規定充填量はリアクーラー付きで1200g ±50g

 

まずは冷媒ガスが

どれくらい入っているか調べましょうか。

 

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カーエアコンリフレッシュαの結果

 

回収したガス量は 290g

不足分の冷媒ガス 910g

 

 

 

4分の1しか冷媒ガスが無いので、

冷えが悪いのも当然。

 

 

重量管理をした

規定充填量1200gをチャージしてみると・・・。

 

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同じ条件で17℃まで冷えましたが、

高圧側が やけに高い・・・

 

 

コンデンサーファンは作動していますが、

配置的に放熱性が悪そうです・・・ね。

 

 

 

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サブラジエターとACコンデンサーを

水道水で強制フィン洗浄

 

 

水気を切って試運転します。

 

 

最終的には14℃まで下がってくれたので、

ひとまずOKでしょう。

 

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ガス漏れしそうな箇所を

リークテスターでチェック。

 

 

 

バルブキャップのパッキンが無いので交換しますね。

 

 

 

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最後にNUTEC NC-200を注入の為

もう一度カーエアコンリフレッシュαをします。

 

真空引きは長めの20分

 

 

コンプレッサーオイル補充も忘れずに。

 

 

 

 

 

 

 

本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に

お越し頂きありがとうございます。

 

 

次回ブログも引き続き  (ハイエースワゴンの点検整備)を

紹介しますね。

 

Happy Car Life!!

 

 

2015年8月19日

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