中古車購入後の事は。 使用者責任と言いまして・・・。
知らなかったのか?
気が付かなかったのか?
分かりませんが・・・。
その後、事故をした時に
誰の責任になるのか?
チョット考えた事例です。
走行中にエンストし、
レッカーで運び込まれた ホンダ ライフ。
取引先の従業員様のお車で、
1年半前に中古車購入したそうです。
エンストした時に、ABS警告灯が点灯したので
知人に聞くと
(ABSが壊れていると、何十万も掛かるよ!)
と言われ・・・。
購入してもう廃車か?と思われたそうです。
入庫してからスキャンツール(G-SCAN)を接続。
ダイアグコードが残っていますね。
エンストした時の電圧低下警告灯なので、
心配しなくても大丈夫ですよ~とお伝えしました。 (点灯して正常)
問題はなぜエンスト(電圧低下)したのか?
その辺を調べていきますね。
とりあえず完全にダメになったバッテリーを、
テスト用の中古バッテリーと交換して
発電状態を確認します。
アイドリング時・2000rpm回転時
無負荷時 ・ 電気負荷ON時
電圧・電流などなどを調べて、
・オルタネーター 発電不良
・バッテリー 劣化
オルタネーターの脱着できるスペースを確認する為、
リフトアップしてお見積。
リフトアップをしながらフロントブレーキパッドが
アルミホイールの隙間から見えた。
正確に言えば、職業的に見たんですけどね。
『明らかにパッド残量が無い』
言うべきでしょう。オーナー様に。
それに コレ も伝えなければ・・・ね。 (見ちゃったし)
このホイールとホイールナットを見た瞬間、
このライフを購入後、
整備を理解している者が作業していないだろうなと。
事情を説明して
・リビルトオルタネーター & 新品バッテリー交換
・Frブレーキパッド交換
・ホイールナット 全数交換
をオーナー様に了承して頂きました。
車両に使われていた
ホンダ純正ホイールナット(左) は座面が球面。
社外ホイールはホイール・ナット(右)ともにテーパー座面。
社外ホイール(テーパー)に純正ナット(球面)を使用すると
接地面が面ではなく、線で接するため
適正な締め付けが出来ず(甘く)、緩みやすい。
ホンダ車の球面ナットは最近の話ではないので、
ほとんどの整備士は知っている事で。
もちろんその危険性も、みなさん(整備士は)知っている・・・。
このライフのナットとブレーキパッドを見れば、
整備暦や状態が分かるので、
お節介と思いながら
(整備の必要性)を説明しました。
外したホイールのナット接地面をみると、
一部(☆)しか接地していないのが良く分かりますね。
今回弊社がブレーキパッドを交換して、
このまま純正ナット(球面)を使用し
緩んでホイールが外れれば・・・・。
誰の責任? これ俺よね・・・。
ん~アブナイ・アブナイ。
・オルタネーター・バッテリー交換 & 充電チェック
・Frブレーキパッド交換
・ナット全数交換 (テーパー座面 中古在庫品)
了承頂いた作業を全て完了し、
オーナー様に説明して納車となりました。
このケースで中古車購入後、
ナットが緩んで事故を起こした場合
誰に?どれだけの?責任があるのでしょうか。
購入1ヶ月後なら?
1年後なら? 3年後なら?
その時中古車販売店が既に廃業していれば?
法律的な事は詳しくありませんが、
ユーザー側が知らなかったと、(免責)にはならないでしょう。
そのあたりの事をオーナー様にお話したんですね。
(よく聞けば父親名義で母・娘が使用しているそうです)
事故が起きる前で良かったのですが
このようにならないためにも、
・信頼できる販売店で中古車購入をする。
・信頼できる整備工場に点検してもらう。
・もしくは自分でチェックする。
になるのかな。
自動車を使用(所有)するという事は
そういう事なんでしょうね。