遅い車検も良い意味でなら。 原因と結果のリンク。
突発的な故障や事故の保険対応など
お盆休み明けから、何かとバタバタしています。
車検整備の依頼で入庫した
キューブキュービック H16年 BGZ11
15万キロ走行
前回、前々回の車検整備では
適材適所な整備をしていますので
大きな不具合は特に無し。
排気ガスの状態の良好ですね。
ですが10年15万キロ走行していますので
細かい部分の不具合を直していきますね。
エンジン上部からのオイル漏れ
下部まで滴るほど漏れていますね。
ヘッドカバーガスケット からの漏れ
(ガスケットの劣化)も多少あるのですが
本当の漏れ原因はエアエレメントにあると思います。
ニッサンが採用している湿式タイプのエアエレメント。
ホコリやゴミの吸着率は高い為、
詰まりやすいのが難点です。
(地域にもよりますが2万キロもモタナイのでは?)
(詰まり気味)と(オイル漏れ)は
案外リンクしている場合が多いのですよ~。
INマニホールドやイグニッションコイルなど
カバーガスケットより高い位置にも
オイルが付着していますよね。
エアエレメントがキレイな時は
問題ないのですが
詰まってくる(汚れる)とブローバイ用の穴(2ヵ所)から
必要以上にブローバイガスを吸い込みます。
吸い込まれたブローバイガスには
必要以上にオイルが含まれていますので
それらが吸気系通路に混入し
溜まって隙間から漏れてくるのです。
エアエレメント、
ガスケット一式
を交換しますね。
電子制御スロットルも同時に清掃しますね。
専用洗浄剤でバルブに
蓄積したカーボンを除去します。
この時に溶解力の高い洗浄剤を使うと
モーター及びECUまでショートしますので
注意してくださいね。
蓄積したカーボンが除去されて
バルブの隙間が開きましたね。
再度組み立てて、エンジン再始動すると
エンジン回転数は上昇&ハンチングをしますので
学習値を初期化(急速TAS)してあげます。
アイドリングの安定に効果ありですよ。
バッテリーと発電状態をチェック。
特に異常なし。 まだまだイケそうですね。
リア ブレーキライニングも
残量が少ないので交換します。
ダストを取り除き
ライニング交換して
ブレーキ調整。
リアの効きの甘さが
フロントに負担が掛かかり
Frブレーキパッドが早く減る。 (同時に全体的な制動力も落ちます)
こちらでも前後ブレーキはリンクしているのですよね。
リアドラム式のブレーキは
定期的に調整してあげないと
フロントブレーキパッドの減りが早くなりますよ~。
オイル漏れの原因 → エアエレメント。
Frブレーキの負担増 → リアブレーキ調整。
その故障箇所だけを直すのではなく
故障原因まで探求して整備するのが
正しい車検整備になると個人的には思います。
そうなると点検&作業の時間も掛かるし、
作業の関係性やお見積内容をユーザー様に
説明しないといけませんので
弊社では日帰り車検などの
スピード車検が出来ないのが現状なんです。
ですが私としてはイイ意味での 『遅い車検』も
それはそれで良いのでは?と思っています。
お店(人)それぞれですよね。