マツダ CX-5 インテーク系の煤堆積完全除去。ドライアイス洗浄でDSC。マルチサーブでインジェクターとDPF洗浄
愛知県からお越しいただいたのはマツダCX-5 KE2AW 走行距離6万キロ
まだまだ長く愛用したいので今回はエンジンやATなどのメンテナンスを依頼されました。
依頼作業内容
・DSCドライアイスショットカーボンクリーニング
・水冷EGRクーラー洗浄
・インタークーラー洗浄
・マルチサーブ インジェクター洗浄システム
・マルチサーブ DPF洗浄システム
・ATF完全圧送式交換
・デフトランスファ ギアオイル交換
・カーエアコンリフレッシュα
これらの作業は基本的には1泊2日で行います。
これぐらいの作業ボリュームだと朝9時半入庫で翌日のお昼16時ごろの納車ですが、今回は1週間預けると言う事なので、ゆっくり作業をさせていただきました。
問診をし試運転をしてから、作業を始めますね。
インテーク・EGR系の部品を外していきます。
インタークーラーを外して立て掛けておくと、自重落下でオイルが出てきました。
作業中はこんな感じでオイルを排出させて、内部を洗浄します。
水冷EGRクーラー・EGRの各バルブやインテークマニホールドを外します。
水冷EGRクーラーの内部フィンは外周から詰まってくる場合が多いですね。
こちらも走行距離6万キロですが、もう詰まりが始まっています。
酷い場合は上記画像のような感じで詰まります。
フィンが全詰まりはエンジン警告灯が点灯しますよ~。
インテークマニホールドと吸気シャッターバルブには、予想通りの煤堆積。
酷い箇所は厚み18mmほど堆積していました。これでは経路が狭くなり、吸気抵抗が過大になりますよね。
マニホールドの出口もこんな感じ。
煤の堆積で25%ほど経路が狭くなり、同じく吸気抵抗が掛かります。
エンジンシリンダヘッド側のインテークポートには、あまり煤の堆積はありませんでした。
スカイアクティブ-2.2Dの煤堆積パターンは全部で4パターン。
インテークマニホールド側で堆積して、エンジン側は堆積していない今回は一番多い堆積パターンです。
こうなるとシリンダー内の吸気充填率も低下するのですが、一番大きいのはアクセル開度に対してのレスポンス低下。
アクセルコントロールがしづらく、ターボの効きも唐突なCX-5になる。新車時に感じたグイグイ走るフィーリングは薄くなるでしょう。
マスキングをしてドライアイス洗浄を始めますね。
ここからは完全非公開で見学も不可。
工場の扉も締め切って作業をしています。
ちなみに画像のマスキング風景も完全体ではなく、マスキング途中ですよ~。
DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)は6年前に弊社が開発しました。もう千台以上の作業実績があります。
世界初のDSC洗浄技術は唯一無二。
他社の整備工場や整備系ユーチューバーから、(ぜひ見学をさせてほしい!!)と依頼が多いですが、全てお断りさせていただいています。
ウナギ屋の秘伝のタレは門外不出ですが、DSCも同じくシークレット。
ドライアイス洗浄機にDSC専用ノズルとアダプターを装着。
まずは軽くワンショットしますね。
ドライアイスペレットが直撃した箇所だけキレイになりました。
自社で製作した数種類ある(DSCノズル)と(DSCアダプター)を組み替えて、ポート内部やバルブに堆積した煤を完全剥離させますね。
4気筒8ポート全てDSCで除去完了。
バルブ傘部に固着した煤も全て洗浄できました。
「遅い仕事は牛でも出来る』
昔、私が見習いの時には、よくそう言われて怒られました。
丁寧で遅い仕事は意味がなく、それはアマチュア。
早く確実で丁寧な仕事がプロ。
皆さんの職場にいませんか?丁寧にしているけど(仕事の遅い人)。
それではダメですよね。
(エンジンにノーダメージで短時間に完璧に)
DSCキャッチコピー通りに、弊社では作業が進みます。
インテークマニホールドと吸気シャッターバルブ・EGRバルブやEGRクーラーも全て洗浄完了。
EGRクーラー内のフィンは細長い棒を差し込んで、全ての穴が貫通しているかを確認しています。
ディーゼルは空気を吸ってナンボのエンジンですから、空気が吸いづらい状態になるとエンジンパフォーマンスは落ちるのです。
吸気充填率が下がり、燃料と空気の撹拌が乱れれば、燃焼効率が落ちて燃費が悪くなります。 また燃料がキレイに燃えないので、当然煤の発生量が増えるのですね。
結論を言えば煤が堆積した状態で乗り続けても、いい事なんて何もないのですよ。
ガスケット類は全て純正品で交換し、元の状態に組み立てます。
インタークーラーは洗浄剤を流しこんで、内部をキレイにしてから装着します。
劣化しやすいラジエターキャップは新品に交換しますね。
LLCを補充して、エア抜き作業を行いました。
最後に各学習値の初期化とインジェクター噴射量の再学習をし、大切な(マル秘作業)をゴニョゴニョにてDSCは一旦終了。
時間がないので次に進みます~。
ATF交換も並行して作業をしています。
フルードチェックをしてから、オイルパンを外して洗浄しました。
ストレーナーを交換して、オイルパン洗浄後に再装着。
オイルパンの液体ガスケットは某国から直輸入している特殊なものを使用しています。高性能かつ作業性が良いので短時間で作業が出来るのですね。
ATFチェンジャー(トルコン太郎)に接続して、ニューテックNC-RFでプレ洗浄。
全量イッキに圧送式交換しました。
この時点で結構きれいになりましたね。
15分間のアイドリングタイム後に、今度は本命ATFで再交換します。
ニューテック史上最高峰のATF NC-65
全化学合成ハイパフォーマンスATF(エステル系)
極薄で強靭な油膜性能は市販ATFでは最強レベル。
高い耐熱性はストレート走行レベルでは、そう簡単には劣化しません。
みんカラ等でのSNSでも絶賛好評中なので、今更弊社が説明するほどでもないと思います。
ほぼ完璧に入れ替わりました。
ここまでキレイになれば次回交換推奨距離は約6万キロ。
フルードクーラーを洗浄して、規定温度でレベル調整を行いました。
こんな感じで1日目は終了。
マルチサーブ DPF・インジェクター洗浄システムやギアオイル交換は、2日目の朝から作業します~。
次回ブログでその様子を紹介しますね!!
それではお楽しみに~。HAPPY CAR LIFE!!