塗装職人なのに缶スプレー塗装。 結構大変です。
今日は自動車修理ではなく
工業機械の補修修理です。
名前はいえませんが某有名メーカーの工業機械が
お客様へ手渡す前にキズが付いてしまったそうです。
よくあることですね。
年間数回は補修依頼を受けるのですが
自動車塗装とは若干違うので毎回緊張します。
そんな訳で今回は一部白黒写真を使いますね。 色でバレてしまうので。
自動車の塗装作業では
圧縮空気とスプレーガンを使い
調色した塗料を吹き付けます。
ですがこの製品の補修塗料はスプレー缶しかなくて
毎回このスプレー缶で塗装しています。
本当はスプレーガンで吹きたいのですが
訳有ってそれも難しいのです。
しかも今回は一番目に付きやすい場所の塗装。
当然キレイに塗るだけでなく、塗装肌を合わさないといけません。
塗装面をよくみると
鏡面ではなくて
緩やかなラウンドがあるのですよ。
このラウンドの大きさ、荒さ、滑らかさはイロイロあり、
それを隣接パネルと合わすのが『ヌリ肌合わせ』と言っています。
肌を合わす為の
エア圧、塗出量、パターン幅、ガン距離にガン速度。
今回スプレー缶の為、自由が利くのはガン距離と速度。
スプレー缶をお湯で温めて
内圧を上げ、粘度もユルくしてみますね~。
緩やかなラウンドで均一な艶。
うねる曲面を滑らかに塗装。
肌もバッチリ合いましたよ~。
一般の方が缶スプレーで塗装するのを見ると
ほとんどが塗装面からのガン距離が近いと思えます。
今回の冬場で乾きにくいのを考慮して
40cm以上は離していますよ。 (内圧を上げるのはその為なんですね。 )
塗り付けると言うよりも
『優しく乗せるように』
『薄く何回も重ねる』 がコツですよ。
気温高めで離しすぎるとガサガサになるで
その辺は経験でしょうかね~。