トヨタ クラウン200系 インテークに蓄積するカーボンをドライアイス洗浄。DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)で完全除去しました~。
京都府からお越しいただいたのは
クラウン GRS200 4GR-FSE
弊社オリジナル整備のDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)を紹介しますね。
トヨタ・レクサスのFR車に搭載されているGR直噴ガソリンエンジン。
今回のGRS200クラウンは2.5Lの4GR-FSEエンジンで(D-4)燃料噴射システムを採用しています。
国産・輸入車問わず直噴ガソリンエンジンのインテーク系に蓄積するカーボンは非常に厄介な存在で、6年ほど前までは一般的には認知されていなかった現象です。
それでも一部の整備工場や一部のユーザーにはカーボン蓄積の弊害は認知されていたのですが、強固に蓄積したカーボンを除去する事が難しい為に放置されていたのが現状でしょう。
燃焼異常のノッキング・アイドリングの不安定や微振動・加速レスポンスや燃費の低下などが不具合として報告されています。
そこで6年前に弊社が独自に開発したのがDSC (ドライアイスショットカーボンクリーニング)
ドライアイスの特性を利用するドライアイス洗浄機を導入し、エンジンをO/Hせずに(エンジンにノーダメージで短時間に完璧に)カーボンを除去する清掃系整備を開発したのです。
そして日本初はもちろんですが世界初でもあるでしょう。今でも唯一無二のオリジナル整備になっています。
それでは試運転をしてからDSCを始めますね。
インテークのサージタンクやマニホールドを分解します。
6つの穴から12個の穴が見えてきました。
インテークポートとバルブの状態を確認します。
インテークポートの内径にはビッシリとカーボンが蓄積しており、奥に行くほど厚みが増すカーボン層は約1mmぐらいかな。
そしてインテークバルブのシャフト部にはカマキリの卵状のカーボンが直径10mmほど固着しています。 また傘部にも高温で焼き付いたカーボンが覆いかぶさっていますね。
こうなると燃焼室に導入される吸気渦が乱れます。
E/G設計時に想定した理想的な(タンブル・スワール気渦)が発生せず、インジェクターから噴射されたガソリンが想定通りに混合気にならない。(不完全な混合気の形成)
また噴射から点火までの時間が短い直噴の場合は、混合気になれなかった燃料が高温で燃焼されるので煤(カーボン)が発生します。(燃料の無駄)
それがまたEGRでインテークバルブに付着し、徐々に固着して悪循環に陥り、そして蓄積していきます。
それをイッキに完全除去するのがDSCという整備なんですよ。
・圧縮空気でドライアイスペレットを高速噴射。
・熱収縮と昇華爆発力
ドライアイスの特性を利用した洗浄方法。
ドライアイスペレット自体は柔らかいので、エンジンにダメージを与えることなく、作業が出来ます。
金属バルブやアルミヘッド、ゴムシールなどの損傷はゼロです。
飛散したカーボンからボディを守るためにマスキングを行いますが、お見せできるマスキング風景はここまで。
完璧で特殊なマスキング詳細は非公開としています。
ドライアイス洗浄機にDSC専用ノズルとアダプターを装着し、まずは軽くワンショットします。
弊社が独自に製作したノズルやアダプターはもちろんですが、作業中の風景も完全非公開になります。
ですが作業中の画像は全て撮影していますので、納車時にお見せしています。ご安心ください。
ドライアイスの粒が直撃した部分だけ、母材金属が見えるほどキレイになりましたね。
複雑な形状のポートやバルブを完璧に洗浄するために、複数あるノズルとアダプターを組み替えて引き続き作業を進行します。
6気筒12ポート全て除去完了。
ポート手前から最深部のバルブ傘部までキレイに除去出来ましたね。
作業は圧縮上死点にセットしてバルブ全閉状態で作業をしていますので、剥離したカーボンが燃焼室に入る事はありません。
またドライアイスは常温だとスグに昇華して気体になるので、エンジン内部に残留する事もありません。
煤まみれのスワールコントロールバルブもDSCでキレイになりました。
またスロットルボディも清掃し初期化します。
ガスケットを交換して、元の状態に組み立てますね。
並行してDSCのオプション整備(スパークプラグ交換)も行いました。
DSCと同時なら交換工賃がお安くなりますよ~。
使用するスパークプラグはNGK最強プラグの(プレミアムRX)で交換しました。長寿命かつ高性能プラグです。
学習値を初期化しエンジン始動し、完全暖機から試運転をして再学習を行います。
これで静粛性と高性能が両立した4GR-FSEに戻りましたね。
アイドリングの音も非常に静かになりました~。
DSCと各オプション整備だけなら、朝9時半入庫で当日夕方納車の日帰り作業で納車が可能です。
HP(お問い合わせフォーム)から絶賛受付中です~。
こんな感じでエンジンをDSCで整備したクラウンGRS200は、実は車両全体を整備するリフレッシュプランでの入庫でした。
サスペンションからブレーキ・ハブをオーバーホール。
ATF完全圧送式交換やホイールアライメント調整も行いました。
・ブレーキO/Hでコントロールしやすいブレーキに。
・ATF交換でスムーズで素早いシフトフィーリングに。
・サスペンションのリフレッシュ整備で乗り心地が向上し異音も解消。
・ホイールアライメント調整で高速安定性を維持。
ほかにも多くの整備を行いましたので、過走行のクラウンがピシッと引き締まったクラウンに戻りましたので、本来のクラウン200系になったと思います。
信号待ち時にボディに伝わる微振動はありませんか??
本来のクラウン200系は驚くほど静かですからね~。
トヨタならクラウンやマークX、レクサスならIS、GSに搭載されているGR直噴ガソリンエンジンで新車からのフィーリングや燃費低下、乗り心地低下は基本的に整備不足です。
正しい整備を確実に行えば、新車時に近いコンディションまで戻ると思いますよ~。
それではHAPPY CAR LIFE!!