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スバル レガシィツーリングワゴン3.0R spec,B BPE リフレッシュプラン。 

大阪府近郊だけではなく全国各地から、
弊社のリフレッシュプランをご利用いただきありがとうございます。


今回紹介する入庫車両はスバル レガシィツーリングワゴン。
3.0R spec,B BPE 走行距離18万キロ


群馬県からお越しいただきました。



リフレッシュプランはサスペンションやエンジン・AT/MTに
ブレーキや駆動系などのトータル整備を実施していますが、
このような多重整備を期間内に行うは障害が少しあります。



一つは交換したい部品をお預かり期間内に集めて、
作業の滞りもなく納車する事。


多い時には大小100点以上の部品を交換しますので、
部品が欠品していると作業が進まないんですよね。

常時リフレッシュプランは複数台の方に入庫をお待ちいただいている状態で、
数か月先まで予約が数珠繋がり。

整備リフトや代車にも限りがあるので、
スケジュール通り進行しないと他の方にも影響が出ます。



これに関しては経験上メーカー欠品しやすい部品類は
ある程度把握しているので入庫前に前金をいただいてから
交換予定の部品を取り寄せして対応しています。

2つ目の障害は車両側の錆腐食。

例えば手前の(部品A)を交換したいが、その取付部が錆固着で外れない。
それならその一つ奥にある(部品B)ごと交換する事になるでしょう。

予定外のその奥にある部品Bはメーカーに在庫が有るのか?
生産終了?長期バックオーダー?確認がないと迂闊に外せない。


一つの部品外す為にボルトナットを緩めますが、
ボルトが折れないか?折れても復旧リカバリーは出来るか?

レンチで緩める感触で1本ずつ確認しながらボルトナットを回す。



錆腐食が多い車両と少ない車両では、
整備の難易度と慎重度は大きく違うのですね。




今回のレガシィツーリングワゴンはそのような事を考慮しながら、
少しづつ作業を進めていきました。



群馬県から予約入庫してもらい、問診を行います。

お預かりして試運転や車両点検。


事前ホイールアライメント測定・バッテリーアナライザー、
排気ガステスト・ECU診断。

リフトアップで車両点検。

デジタル・アナログ両面から車両の状態を点検し、
予算に合わせた整備プランを制作し提案します。





それでは作業内容を紹介しますね。


まずは今まで未交換だったウォーターポンプ交換。
タイミングチェーン式の為に今まで交換する機会が無かったそうで、
ユーザーさんの希望により交換する事になりました。

アルミのチェーンカバーを外すのですが、細長いボルトの数が多いね~。

長さも違うのでメモしながら外していきます。

W/P自体の交換作業は難しくないのですが、
エンジンとカバーとの合わせ面が液体ガスケットタイプなので
慎重に完全脱脂して組み立てました。

各ホース・オイルシール類や
サーモスタットも交換しました。



ラジエターは純正品が高額なので、優良社外品のAT車用で対応します。
(MT用は設定が無く、ATFクーラー部を塞げば問題ないでしょう。)

次はMTのクラッチオーバーホール。

現在新車乗用車でのMT車率は数パーセント。

大昔のように仕方なく渋々MT車を乗れば、
クラッチ操作の苦手な方がクラッチを滑らして
ダメになるパターンがありましたが、
その方たちは今現在MT車にはわざわざ乗らないと思います。

今MT車を好んで使用しているユーザーは、
基本的にクラッチ操作が上手です。

今回のユーザーさんもクラッチディスクを摩耗させる事はなく、
上手に運転されているのですが、クラッチ機構のグリスやベアリング等はかなり劣化し、フィーリングが悪い状態。

具体的に言えばクラッチのミートポイントが悪く、操作しずらい。
クラッチペダルが重たく、踏む力で疲れる。
またシフトレバーをリバースにする時にシフトの入りが悪いなど・・。


グリスがある所にはキレイにしてから専用グリスを塗って潤滑強化。
(有るべきグリスが無いとスムーズさが無くなりますよ。)


ディスク・カバー・ベアリングはもちろんフライホイールも交換します。
新車時に近づける整備を目指しました。



エンジンクランクリアシールも交換して、
組み立てていきますね。


またシフトレバー操作でリバースが入りにくい症状。
原因はシフトワイヤー取付部ブッシュの破損。

地元ディーラーさんに相談しても治らなく、
困っていたようです。

組立後に試運転をしてクラッチペダルの位置調整をして、
なかなかシフトがしやすい車両に戻りましたね。




フロントサスペンションとブレーキ類を分解しました。

下回りの錆が酷くて1分で交換出来る部品に、数十分掛かる。
錆腐食との戦いが始まりました~。


塩害の多い降雪地では当たり前なんでしょうが、
大阪って基本的に塩カルでの塩害もなく、雪も降らない地域なんです。
(特に堺市は。)

なんて事ないボルトナットなんですけど、
折れたままでは装着できないのでリカバリー。

今回はドリルで貫通させて裏から
ボルトを差し込んでナット締めにします。

フロント側の錆はまだマシな方で、
サクサク部品を交換していきます。

・ロアアームのブッシュやボールジョイント等の交換。
・ドライブシャフトのブーツグリスO/H
・ハブベアリング交換


それでもナックルからFrハブB/Gは錆固着で外れず、
少し手間取りましたね。


リアサスペンションのアームブッシュを交換します。

リアは錆腐食が酷くて、なかなか手強いです。


一つずつは大した事は無いのですが、
錆腐食でのナットボルトの固着が多すぎると
どんどん時間が経過していきます。

また部品商に追加部品の在庫確認も同時に行います。


切断して外した部品がメーカー長期欠品していると、
いろんなスケジュールに影響するのでね。

さすがにここまで腐食したドライブシャフトをO/Hしても意味が無いので、
中古品を手配してこちらをグリスブーツO/Hします。



リアサスペンションのブッシュ交換。

スバルの良い所はサスペンションブッシュを単品販売してくれるので、
アームASSY交換より大幅に安くリフレッシュが出来る。



リアハブベアリングとスタビリンクロッド、
バックプレートも新しく交換します。

ブレーキをO/Hしますが、
こちらもなかなかの錆状態でした。


キャリパー自体はなんとか出来ましたが、
ピストンの腐食が激しいのでこちらは新品に交換して
シーツとダストブーツを交換します。




キャリパーホルダー部のスライドピンも洗浄して、
ブーツを交換しグリス注入。

ブレーキディスクローターは4枚とも全滅で、
今回はDICELのパッドとディスクで交換しました。



フロント・リア・MTのギアオイルは、
ガルフ プロガード75W90で交換。

キャリパーを組付けてブレーキフルード交換&エア抜き作業。


エンジン、ATマウントを4点全数交換しました。

サブフレームを外しながらエンジンを宙吊り保持し、
マウントインシュレーターを交換すれば
エンジンからの微振動は激減しますよ~。



すべての部品を組み立てて、
整備リフトからアライメントリフトに移動します。

そこから仮締めしているサスペンションアームブッシュを1G締付。

不要なブッシュテンションを開放し、
もう一度締め付けします。

黄色のテープは仮止めの印。

締付後に赤色ペンでマーキング。


軽く試運転をしてサスペンションブッシュを馴染ませてから、
ホイールアライメント調整を行います。

SAIは基準値内に収まりませんでしたが、
なるべく左右差の内容に微調整。

これぐらいであれば問題なくイイ感じ。

感度が劣化していたエアフロメーター&A/Fセンサーを交換して、
排気ガスも良好な数値になりましたね。

最後に何度も試運転をして、各部調整、締め付け点検。
無事予定通りのスケジュールで納車となりました。




スキーにも使用し登山の足として未舗装林道も走行する。
レヴォーグの新車購入も検討したがもう少し相棒として付き合いたので、
今回は多くの予算を準備しリフレッシュプランを依頼されました。




今回のブログでは紹介出来なかった個所も整備しており、
掛かった整備費用は100万円オーバー。
ですがそれに見合うだけのコンディションには戻ったと思います。


走り出せば新車から15年以上経過し
18万キロ走行したとは思えない車になりました。



希少なフラット6のレガシィツーリングワゴン3.0R BPE
リフレッシュ整備をしてみるとなかかなイイ車ですね。

手放すには惜しい車なのは分かる気がします。






リフレッシュプランをのご依頼は
HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。


出来ましたら過去の整備事例を見てもらい、
何年何月の○○はいくら費用が掛かった?と
聞いてくれればお答えできます。
(整備費用の参考にして下さいね。)


それではHAPPY CAR LIFE!!




2020年8月29日

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