マツダ デミオ スカイアクティブD DJ5FS 。 DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)で煤除去作業。 蓄積具合はそれぞれ違うのよね~。
マツダ スカイアクティブDの煤蓄積に関しては、
多くの皆さんは既にご存じだと思います。
これに関しては故障ではなく、
経年劣化とクリーンディーゼルの宿命でしょう。
弊社では2,2D 1.5Dへの吸気系に蓄積する大量の煤を、
ドライアイスを用いた特殊洗浄方法で
完全除去を数年前から推奨しています。
煤の蓄積具合は2.2Dと1.5Dでも違いますし、
同型エンジンでも使用環境やメンテナンス具合によって、
数種類の蓄積パターンに分かれる事が分かってます。
エンジン警告灯点灯によるご相談も多く受けており、
それらの原因の一つが煤蓄積だとお伝えしています。
(警告灯点灯=煤蓄積ではないですよ。原因は多岐に渡ります)
愛媛県からお越しいただいたのは
マツダ デミオ DJ5FS
走行距離7万キロ
DSCの作業依頼をいただきました。
メール相談ではここ最近燃費が落ちてきて、
走行中に失火もするようになってきたので、
地元ディーラーにてインジェクター全交換。(無償修理)
いろいろネットで調べて今後の事も考慮し予防整備を兼ねて、
弊社DSCで煤除去作業を依頼されたようです。
試運転をしてから状態をチェックして、
インテーク系の部品を分解していきます。
デミオの狭いエンジンルームに
押し込められたエンジン部品脱着は、
慣れていても結構大変なんですよね~。
樹脂製インテークマニホールド(インタークーラー内蔵式)
ここからインタークーラーと分離させます。
1・ターボチャージャー
2・吸気シャッターバルブ
3・水冷式インタークーラー
4・インテークマニホールド
5・エンジン 吸気ポート&バルブ
この順番に吸気が流れます。
煤交じりの(6・EGRバイパスバルブの導入口)は、
1,5Dの場合は3と4の間にあります。(2,2Dとは違います)
インタークーラーは上部画像の導入口(6)の上流にありますが、
比較的近いので吸気脈動や乱気流で少し煤が付着します。
結構ベッチョリ付着している車両もありますし、
今回のように軽く付着している車両も多くあります。
これに関してはそこまで問題ではないので、
次に進みますね。
インテークマニホールドの出口。(楕円形の穴8個)
エンジンとの接続部ですがこちらもこの車両は、
そこまで酷い蓄積ではありませんでした。
酷い場合は内径が20%ほど狭くなるような、
蓄積をする場合もあります。
ここも今回の本題ではないので、
次に進みますね。
エンジン シリンダヘッドの吸気ポートを覗いてみると、
吸気ポート内径は数ミリの煤しか蓄積していませんね。
この車両は2,2Dでよく見るポート内径が煤蓄積で狭くなり、
吸気が入りにくい状態でもありませんでした。
ですがこの画像の拡大した様子を観察してください。
奥に見えるインテークバルブのシャフト部に
大量の煤が蓄積しているのが分かりませんか??
イメージ画像ですが本来はポート奥に、
上記のような赤色線のインテーク(吸気)バルブがあります。
バルブシャフト部の上部をカムが押す事で、
バルブは下がり、下にある穴が大きく開いて、
吸気がシリンダに流入するのです。
ですがこのようにシャフト部や傘部周辺に、
大量の煤が固着し蓄積すると、
過給した吸気がシリンダ内に入りにくくなりませんか?
ディーゼルは多くの空気をシリンダに充填させる事が重要で、
(ボトルネック)になる障害物はなるべく無い方がベスト。
流速はターボ加給でナンとでもなるが、
流量は設計時より狭くなるとどうする事も出来ないよね。
トヨタ資料によると最新ディーゼルは
吸気での横旋回流(スワール流)を創出するより、
多くの吸気を取り込むストレート型ポート形状で
縦旋回流(タンブル流)へと進化しているそうです。
ディーゼルは空気を吸ってナンボのエンジンですから、
それが出来ないと本来の性能が発揮しずらいのでしょう。
またバルブ形状が変形する程の煤蓄積になると、
理想的な縦旋回流が形成されないので
燃料との撹拌効果も落ちるのですね。
繊細なエンジンの吸気ポートで
強固に固着した大量の煤除去は
基本的にはO/H以外はほぼ無理でしょう。
ですが弊社が開発したDSC。
(ドライアイスショットカーボンクリーニング)なら、
<エンジンにノーダメージで完璧に>。
短時間で除去が可能になったのです。
ドライアイス洗浄機という一般自動車整備工場では、
まず導入する事のない特殊洗浄機で、
短時間の除去作業を実施しています。
(日帰り or 1泊お預かり)
・圧縮空気でドライアイス粒を高速噴射。
・衝突した粒が煤の隙間に入り込み、
昇華爆発力で一気に炸裂します。
ドライアイスは固体から気体に一気に変わると、
体積が750倍に膨れ上がる。(昇華)
このドライアイスの特性を十二分に使う切るのが、
ドライアイス洗浄の洗浄原理です。
また熱収縮作用も重要で対象物の温度が高いほど、
付着物の剥離作用が向上します。
(エンジン高温時はダメですが、温かい方が除去しやすい)
高温の金型洗浄やケミカル・水分不可の機械類洗浄に
広く使用されるこの洗浄機。
金属やゴムシールを使用している精密なエンジンに使用しても、
全くノーダメージで傷を付ける事も皆無です。
ご安心ください。
圧縮上死点にセットして、
1気筒ずつ除去していきます。
1.5Dの場合は手前から奥に伸びる吸気ポートは
バルブ付近で直角に下方に方向を変えます。
複雑なポート・バルブ形状でも、
弊社が開発したDSCノズルとアダプターを使い分けると、
完璧に煤を除去出来ました。
傘部には燃焼熱でカッチカチに固着していますが、
こちらも完璧に除去をしていますよ~。
(ポートが非常に狭いので撮影が出来ないのが残念です。)
インテークマニホールドや
インタークーラーもキレイになりました。
吸気シャッターバルブやEGRバイパスパイプも、
DSCで完璧に煤除去出来ましたね。
ガスケット類は純正品で全交換して、
元の状態に組み立てします。
同時に定番でダメになっているラジエターキャップも交換して、
LLCを注入しエンジン始動。
各学習値や補正等を再学習させて、
最後に試運転をして納車になります。
吸気ポートやインテークマニホールドに煤が蓄積し、
吸気抵抗が増えてのボトルネック。
または今回のデミオのようにインテーク(吸気)バルブ以外は、
そこまで酷い蓄積は無い。
しかしインテークバルブのシャフトや傘部に
大量に蓄積してのボトルネックも最近多い傾向ですね。
(煤の溜まらない・蓄積しない乗り方はありますか?)と、
よく聞かれますが私はこう返答しています。
<煤蓄積を気にして車両に合わせた運転をするのは、
精神的に良くなく、あまり意味がないと思いますよ~。>
<他のメーカーディーゼルでも溜まるので、
気にせずガンガンとトルクフルに使用した方が良いのでは。>
ガンガン使用して新車時からのレスポンスや
パフォーマンスが低下してくれば、
ぜひ弊社のDSCで回復メンテの実施を推奨しています。
年内も残り僅かですが、
DSCでドライアイス洗浄機はフル稼働。
(夏に洗浄機のメーカー定期O/Hも実施済み)
(覚悟はしていたがO/H費用はウン十万円)
故障があるとお客様に迷惑が掛かりますからね。
それにしても今年一年間で、
何トンのドライアイスペレットを使用したのか?
年末最後に確認しようかな~??
HAPPY CAR LIFE!!