トヨタ ヴェルファイア 20系 V6 3.5L リフレッシュプラン。 新車時のコンディションに戻す10年に1度のリフレッシュ整備。
三重県からお越しいただいたのは、
トヨタ ヴェルファイア GGH20W
走行距離8万キロ
リフレッシュプランのご依頼です。
メールからのご相談から予約入庫していただきました。
・現在気になる不具合はないが、あと5万キロは使用したい。
・傷んでいる消耗品などは今回の整備で交換したい。
リフレッシュプランで入庫する車両にしては、
この車両は走行距離が浅い部類に入るでしょう。
ユーザーさんの整備予算も十分ありますので、
バッチリ新車時に近づけるような整備を
提案させていただきました。
入庫してから、まずは問診を行います。
どのような整備を希望されているか?などをお聞きして、
リフレッシュ整備をする方向をお話ししています。
その後に試運転をして
エンジンの燃焼状態を調べる排気ガステスト。
(アイドリング時ではCO、HC、CO2ともに良好ですね。)
ホイールアライメントを事前測定してから、
リフトで上げてタイヤを外し車両全体を点検します。
バッテリー&オルタネーターの充電発電状況は良好ですね。
車両点検から整備プラン御見積を提示し、
オーナーさんに了承が得れましたので作業を始めます。
メール相談時にサスペンション整備は必須作業でしたので、
入庫前に前金をいただいてサス部品一式を入荷しておきました。
部品点数が多いサスペンション部品は、
メーカー欠品もよくあるので事前入荷をしています。
20系ヴェルファイアの定番整備個所
(リアアクスルビームブッシュ破損。)
8万キロでこの状態なら10万キロ超えてくると、
パックリ裂けてくるでしょう。
今回は予防整備としてブッシュを交換します。
アクスルビームを分解し、
SSTを使用してブッシュの打替え交換。
位置決めのマーキングに合うように、
慎重に圧入しました。
スプリングのインシュレーターも同時交換します。
リア ショックアブソーバーも交換しました。
リアのハブベアリングを回した感じでは、
まだまだ大丈夫そうですね。
手で回して軽~い手応えはダメですが、
少しニュルッと回る感触なら問題ないでしょう。
今回は交換を保留としました。
フロント サスペンションやブレーキを、
バラバラに分解しました。
今回はショックアブソーバーは純正品で交換します。
マウントやインシュレーター、バンプ等も交換しますね。
フロントハブベアリングとロアボールジョイント交換。
ロアアームはASSY交換で、
スタビブッシュも交換します。
ドライブシャフトもグリス・ブーツ交換でリフレッシュ。
(劣化したグリスやゴムブーツ等を交換します。)
これをしておけば、
この先10万キロは余裕で使えるでしょう。
分解して洗浄してから
右シャフト中間ベアリングも同時に交換しますね。
ブーツ・グリスKITは、
耐久性の高い純正品を使用します。
次はブレーキ系の整備をします。
パッド当たり面には深い傷が付いていました。
ブレーキディスクローターは研磨機で再生しますね。
リア側は少し歪みがありましたが、
軽く2回ほど研磨してあげると均一になりましたよ~。
最後にブラックつや消し耐熱塗装をして仕上げました。
シムに付着している硬化した古いグリスを除去して、
ブレーキパッド交換。
WAKO’S BPR高性能ブレーキグリスを使いました。
高粘度・高耐久のこのブレーキパッド用グリスは、
グリス性能が長持ちするので常用しています。
スパークプラグをNGK高性能スパークプラグ
(RXプレミアムプラグ)に交換しました。
V6の手前側の3本は簡単ですが、
奥側の3本は少し狭いので手間が掛かりますね。
スロットルボディも清掃&初期化で
アイドリング安定化に寄与します。
5万キロ毎には実施しましょう。
エンジンマウントも純正品で全数交換しました。
信号待ち時に室内に伝わる微振動があれば、
交換した方が良いかと思います。
ブレーキフルードを交換して、
LLCも圧送式交換で全量交換します。
忘れがちなラジエターキャップも定期的に交換しましょう。
ATFもオイルパン脱着洗浄をして、
ガスケットも交換します。
ストレーナーも同時交換ですね。
そこからATFチェンジャーを接続して、
まずはNUTEC NC-RF(仮名)でプレ洗浄。
http://minato-motors.com/blog/?p=17434
全量をイッキに圧送式で交換します。
やっとここまでキレイになりました。
(まだまだATFに濁りがありますね。)
ここから15分ほどアイドリング状態で待機し、
次は本命ATFでもう一度交換します。
使用するのはニューテックNC-65
全化学合成ATF (エステル系)
ローフリクション・ハイパフォーマンス
NUTEC最高峰のATF
最後に規定温度でフルードレベル調整を行いました。
全ての部品を組み立てて、
整備リフトからアライメントリフトに移動。
そしてサスペンションアームブッシュを1G締め付けして、
無駄なブッシュテンションを開放します。
これをしておかないと交換したブッシュが早期に劣化するので、
地味ですが確実にしないといけない作業なんですね。
少し試運転をしてブッシュ等を馴染ませて、
ホイールアライメントを調整します。
調整前の数値を見ると、
当然ながらバラバラな数値になっていますね。
サスペンションを整備してから、
ホイールアライメントを調整しないと、
折角の整備効果が半減しますよ~。
またブログでは非公開ですが、
ステアリング系の部品も交換しているので、
最大切れ角も要調整ですね。
この車両のリア側は基本的には調整出来ない構造です。
トータルトゥやリアキャンバーがあまりにも悪ければ、
リアシム調整で整える場合もあります。
スラスト角は少しズレていますがトータルトゥをから判断して、
リアシム調整は不要と判断しました。
これぐらいならタイヤが偏摩耗する事もないでしょう。
最終的にはこんな感じで調整しました。
スラスト角以外はキレイに整いましたね。
試運転をして最終チェックをし、
無事納車となりました。
お預かり期間は約2週間になります。
(1週間で整備完了し、残りはチェック期間にしています。)
これぐらいの規模の整備をすれば、
乗った瞬間に違いが分かるでしょう。
新車から少しずつ性能劣化している各部品は、
知らないうちに性能低下していますからね~。
このような整備は10年に1度で良いかと思います。
長く良い状態で愛車を維持されたい方には、
弊社のリフレッシュプランをオススメしますね!!
HAPPY CAR LIFE!!