梅雨の休日に愛知県 トヨタ博物館に行きました~。
本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に
お越しいただきありがとうございます。
今日はいつもの整備ブログではなく、
ちょっと社会見学に行ってきたお話。
朝から大阪府堺市を出発して、
近畿道・第二京阪・京滋バイパス、
新名神・名古屋高速を乗り継いで長久手市に。
約3時間ちょっとで到着したのは(トヨタ博物館)
世界の自動車とクルマ文化歴史を学べる、
トヨタ自動車が運営するミュージアムです。
前々から行きたいなぁ~と思っていて、
梅雨時期の平日にお邪魔してみました。
入館料も非常に安く、JAF会員割引で20%オフ。
クイックペイでサクッとお会計。
順路通りにクルマ館2Fフロアから見ていきます。
最初にドーンと展示されていたのが
トヨタAA型レプリカ 1936年
トヨタ初の量産車AA型
1980年代にAA型の国内残存車を探したが、
残念ながら発見できなかったので、
トヨタ自身が1から当時の資料を元に復元したレプリカ車。
この車両がこの博物館のメインシンボルして展示されています。
ここから展示車両を見学しますね。
ガソリンエンジン搭載第1号車。
ベンツ パテントモートルヴァーゲン 1886年
まだ円形のステアリングホイールは無く、
タイヤも細くて3輪自転車に近い。
印象的なのは後部にある水平に取り付けられた円盤。
最初見たときはこれ何だ?と思ったが、
じぃ~と観察すると(フライホイールかな?)
単気筒の出力安定化のために搭載されたそうです。
5本スポークのフライホイールを、
手で回してクランキングしエンジン始動。
ベルト駆動で車輪を回し走るそうです。
自動車の夜明け。
いろんな会社から自動車は製造されていたようで、
少しずつ構造や部品が増えてバリエーション豊か。
こちらは100年以上前のEV車。
ベイカー エレクトリック 1902年
EV車の歴史が結構古いのは知っていたのだが、
実車を見るのはもちろん初めて。
動力が人や馬から、
エンジンやモーターに置き換えられた時代。
サスペンションはリーフスプリングで、
パンタグラフ調に重ねた構造。
ショックアブソーバーがないので、
恐らくフワフワした乗り心地なのかな?
そして誕生から20年後にはクルマが急速に進化します。
シボレー スペリア シリーズK 1925年
ドアやウインドガラスが付いたキャビンや、
2灯ヘッドライトが搭載され快適な移動道具へと進化。
室内は革張りのシートに、
大口径のステアリングホイール。
外装デザインは結構凝っていて、
だんだん車両も大型になっていきます。
これだけ重く大きくになったのは、
おそらくエンジンの性能が格段に上がったのでしょう。
この時代の車両に装着されていたタイヤを見ると、
ダンロップが多く装着されていました。
世界初の空気入りタイヤを作ったのがダンロップなので、
そらそうだと納得。
この辺りでは簡素な内装が豪華になり、
一段と大型化していくのが良く分かります。
革を張った簡易な硬いシートではなく、
ソファーに近いフワフワなシートが流行りだったのか?
室内は豪華な応接間に近い雰囲気に。
上流階級の方が乗っていたのでしょうね。
時代的に豪華さを競うメーカーが多かったのでは??
この車両は日本で走行していた車両でしょう。
ナンバープレートが付いていますね。
イスパノ スイザK6 1935年
佐賀 鍋島家13代当主が乗っていたのかな?
フロントガラスの高さが異様に低くて、
チョット視界が悪いのでは?
昭和58年12月の点検ステッカーと、
某年6月までの車検ステッカー。
結構最近まで公道を走れる状態だったみたいですね。
(機会があれば点検分解してみたい。)
そう思うのは職業病でしょう。
そしてこのクルマの誕生で少し流れが変わります。
ここでやっと空気抵抗に気が付いた天才がいたのでしょう。
デソート エアフロー 1934年
流線型ボディーの斬新なデザイン。
ですが天才のデザインやアイデアには
一般大衆には奇抜に映ったようですね。
実はあまり売れなかったそうです。
エンジンもフロントアクスル上に配置し、
重量配分を変えて乗り心地が向上。
現代のモノコックボディに近い構造で、
画期的なクルマだったそうですよ。
あまり売れなかった奇抜なエアフロー。
同業ライバル社は衝撃を受けたようで、
ここから空気抵抗を意識したデザインが主流に。
最初に登場したトヨタAA型のデザインも、
デソート エアフローの影響が大きかったそうですよ。
この辺りの年代から有無に気付いたのが、
大型のサイドステップ。
おそらく馬車からの名残なのでしょうか??
馬車からのデザインに決別して、
ステップ部分が無くなっていきましたね。
今のクルマのようにサイドがスッキリしました。
乗り降りがしやすい低床フロアになったので、
ステップが不要になったのでしょうかね。
初代フィアット500 トッポリーノ 1936年
さきほどのデソート エアフローから数年で、
ここまでスッキリしたデザインに変貌。
この辺で大型豪華一辺倒から小型車も増えて
クルマが変わっていくのがよく分かります。
ここであのビートルの原型が登場。
フォルクスワーゲン KdFワーゲン 1942年
(フォルクスワーゲン社より寄贈)が興味深い。
そして2Fフロアの最後はこのクルマ。
メルセデスベンツ 300SLクーペ 1955年
ガルウイングのビジュアルが凄いんですが、
世界初の直噴ガソリンエンジン搭載も見逃せない。
ただ技術的には無理があり噴射ポンプを止めても、
少しの間はガソリンを噴射し続けるため、
エンジンオイルの希釈が激しかったようです。
そして直噴は自動車エンジンの歴史から隠れるようになり、
1996年三菱GDIで再び表舞台に登場するのですね。
3Fフロアに移動します。
3Fへのエスカレーターを登った先には、
トヨペット 初代クラウンRS型 1955年
・観音開きの個性的なドア形状。
・前ダブルウィッシュボーン式
・後リーフスプリングのリジットアクスル
国外メーカーと技術提携せずに
純国産設計で開発された初の量産車。
海外ノックダウン式生産が主流だった日本で、
新たな一歩を踏み出したのがこのクラウン。
KdFワーゲンから9年後にフォルクスワーゲン タイプ1
愛称ビートル 1951年
説明不要の名車ですね。
ダットサン フェアレディSP310 1963年
国産初の量産スポーツカー
奥に見える赤い車両がホンダ S500
3人乗りなのかな?
リアシートは横向きの3人乗りでした。
ダットサン サニー 1966年
トヨタ カローラ 1966年
やっと小型大衆車が日本で誕生して、
クルマが身近になった時代ですかね。
ここで登場するのがトヨタ2000GT 1968年
実車を見るのは初めてです。
この辺りの年代の車両はうっすら記憶の中にあるような・・・。
初代ゴルフにファミリア、ホンダシビックCVCCなど、
発売当時は知らないけれど、走っている姿は見た事がある。
ハイラックス、エスティマ、セルシオ、
ユーノスロードスターNAなどなど。
一気に70年代~90年代を通り抜けて・・・。
少し前に大阪なにわ検査場で見かけた
レクサスLFAのプロトタイプ
最後は燃料電池車 トヨタ MIRAI 2014
1886年のモートルヴァーゲンから2014年のMIRAI。
約130年間のクルマ進化が見れる貴重な空間でした。
そこから横にあるクルマ文化館に移動。
今年4月にオープンした(クルマ文化資料室)を見学。
クルマ史の年表や年代別に並べたミニチュアカー。
ボンネットやラジエターの上にある、
ガラス製ブロンズ製のマスコットコレクション。
1日2回 展示物のガイドツアーがあるので、
一緒に回って説明や解説を受けました。
NHKブラタモリが好きなのは
専門家の分かりやすい説明や解説があるからで、
博物館も解説してくれる方がいると、
非常に助かり面白い。
かなり古い時代から最近までの
自動車販促用カタログやポスター、チラシ。
各国別のクルマデザイン切手にナンバープレート。
文化的資料が展示しており、
クルマ館とは違う角度から歴史に触れる事が出来ます。
当日は企画展示室はリニューアル工事中。
カフェやミュージアムショップもありましたよ。
子供から大人まで楽しめる施設ですが、
どちらか言えば大人の方が楽しめそう。
一緒に来た妻も飽きずに見ていたので、
クルマに興味がない女性でもOKだと思います。
滞在時間は約2~3時間は必要かな。
レストランも併設しています。
個人的には1900年初頭から1950年ぐらいの車両が
展示してある2Fフロアが印象的でしたね。
当時の技術者の工夫や知恵がビジュアルで確認出来る。
ステアリングやウインドスクリーンにワイパー、
サイドミラーに灯火類がどんどん充実してくる。
(これ付けたら便利じゃね!!)
(ソレよりコッチの方がイイでしょ!!)
こんな感じでクルマが進化したんでしょうね。
自動車整備士的にはもう少しエンジンルームや
サスペンションあたりが観察出来る展示方法が欲しかった。
リフトアップとは言わないでも、
下から眺めるクルマの進化も魅力的では??
整備士はクルマを下から見る機会が圧倒的に多いので、
職業的にはそんな風に思ってみました。
構造的なモノは次回行きたい候補にリストアップしている
(トヨタ産業技術記念館)でぜひ見学したいと思います。
近いうちにまた愛知まで行こうかな。
それではHAPPY CAR LIFE!!