茨城県からマツダ CX-5。 DSCで煤除去作業。 DSC+大阪観光+伊勢神宮参拝もアリですよ~。
DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)とは
弊社オリジナルの特殊自動車整備。
もともとレクサス・トヨタのガソリン直噴GR系エンジンの
インテークバルブに蓄積する非常に硬いカーボン蓄積を
完全除去するために開発しました。
ドライアイス洗浄という自動車一般整備では使わない
特殊な洗浄機を使用しノズルとアダプターを
自社で製作しました。(一部メーカー製作)
それをスカイアクティブ・ディーゼル2.2D用にモディファイし、
強固に大量に蓄積したカーボン(煤)を短時間で除去。
DSCで洗浄するとエンジンにノーダメージで、
完璧な煤除去作業が行えるのです。
茨城県からお越しいただいたのは
マツダCX-5 KE2AW H24年
走行距離18万キロ
DSCのご依頼です。
1年前のメール相談時には15万キロとお聞きしていましたが、
そこから1年間走行し18万キロオーバーでの予約入庫となりました。
エンジン回りに覆い尽くすハーネス等で、
インテークマニホールド自体はあまり見えませんね。
周辺の部品を外してインテークマニホールドと、
吸気シャッターバルブを外します。
ここまで分解すればエンジンシリンダーヘッド等の
吸気経路が確認できます。
まずはエンジンヘッドの吸気ポートから見ましょうか。
吸気ポートを覗き込むとこんな感じの煤蓄積。
(どちらか言えば蓄積量は少ない方ですね。)
ポート奥にあるバルブシャフトに
固着しているカーボンは燃焼熱でカッチカチ。
バルブ傘部のキレイなスカート形状には、
ゴボゴボにカーボンが固着しています。
バルブが開いた時の吸気経路は
おそらく蓄積により狭くなっているでしょう。
バルブ傘部は目視では判断出来ないので、
細長いL字の超硬ロングピックを使い感触で判断しています。
次はインテークマニホールド側を確認します。
こちらはビッシリと煤が蓄積し、
蓄積が多い所で5mmぐらいでしょうか。
こちらもカッチカチのカーボンが固着していますね。
そして一番酷く蓄積しているのが吸気シャッターバルブと
インテークマニホールド入り口。
ほぼ半分以上は吸気経路を塞ぎ、空気の流れを阻害しています。
SKY-D2.2の蓄積パターンは弊社で確認しているだけで4パターン。
1・インテーク入り口・吸気S/V周辺
2・インテーク出口とヘッド側吸気ポート
3・上記1・2両方に蓄積。
4・EGR導入口が蓄積で塞がる
今回は1・の蓄積パターンでした。
画像の上から突き出ている丸いパイプはEGRの導入口。
これを引き抜くとこんな感じ。
そして引き抜かれたインテークマニホールド入り口は、
かなり酷い状態でした。
この状態からドライアイスショットをすると
煤が飛び散り大惨事になりますので、
まずはホジホジしてある程度の煤を取り出しますね。
某自動車評論家が30分ぐらい走行すれば、
煤は乾いて吸気の流速で吹き飛ばされると仰いますが、
私にはとてもそうとは思えない。
(ブローバイのオイルで固まるから)
またあるブロガーは
『吸気経路が狭くなれば、流速が早くなるので問題ない』とも・・・。
ガソリン・ディーゼル問わず
最新のエンジンはいかに吸気抵抗を減らし、
多くの空気(O2)をシリンダーに充填するかがミソ。
流速が早くなっても充填量が低下すれば、
新車時の性能(燃焼)は発揮できないと思っています。
(トヨタ資料 引用)
エンジン開発時に最適な吸気経路を設計し、
スーパーCPで膨大な回数のシミュレーションは行っているはず。
ですが経年劣化で想定外の煤が蓄積し、
吸気経路を乱してしまえば開発時とは全く違う
燃焼状態になるでしょう。
違う見方をすればここまで塞いでいても
茨城県から大阪府堺市まで走行できるので
スゴイといえばスゴイよね。
それではDSCを始めます。
まずは煤でボディが汚れないように完全防備のマスキング。
ドライイアス洗浄機に米粒ほどの3mmペレットを投入し、
強固に固着したカーボンを除去しますね。
圧縮空気でドライアイスペレットを高速噴射。
(熱収縮と昇華爆発力)ドライアイスの特性を利用して、
母材金属やゴムシール等を傷めずに煤を除去します。
弊社がドライアイス洗浄を採用したのは、
噴射するメディアの残留がゼロになるからです。
硬いメディア(鉄・アルミ粉、樹脂ビーズ、クルミ等)で行うと、取り忘れがあるとバルブシートの挟まる可能性があります。
ドライアイスペレットは柔らかい粒状で放置すると昇華して気体に変わり消えていきます。残留の可能性はゼロになります。
軽くショットしてこんな感じ。
ペレットが直撃した部分だけキレイになりました。
数種類あるノズルとアダプターを組み合わせて、隅々までキレイに洗浄します。
もちろん圧縮上死点にセットして全閉状態で行います。
またバルブ傘部やシャフト裏も数種類のノズルと
アダプターを使い分けて完璧に除去しました。
アルミ製のボディを硬いもので擦るわけにもいかず、
またケミカルもモーター回路の破損原因になるため使えない。
それでも酷い汚れの吸気S/Vも、
手作業ならこれぐらいまで出来ますよ~。
ある程度はキレイになったが、
プロの仕事としては美しくない。
これではとても作業後の画像を
オーナーさんにお見せする事は出来ないですよね。
弊社のDSCならここまでキレイにしています。
EGRバルブもDSCで洗浄しました。
こちらはサラサラの煤が付着しているだけなので、
簡単に除去可能。
故障していない限り高温高圧のEGRバルブやバイパスパイプは、
詰まったり蓄積したりはしないのです。
(温度が高くブローバイに触れないため)
複雑な構造のインテークマニホールドもDSCでキレイに再生。
空気の流れを阻害する煤塊が無くなり、
スムーズな吸気経路が復活しました。
純正ガスケットで再組み立てし、
冷却水を補充します。
弊社はインテーク系ガスケットの再利用など絶対にNG。
おそらく往復数万円の交通費を掛けてまで来店いただいたオーナーさんも、ガスケットの再利用など望まないでしょう。
いい仕事が台無しになりますからね。
インテークに煤が蓄積する原因の一つに、
ブローバイからのオイル流入があります。
ターボ車である以上はオイル流入は仕方が無いのですが、
こんな時こそキレイに洗い流しましょう。
オプション整備(インタークーラー洗浄)も同時に行いました。
DSC作業中は吊るしてオイルを自重落下。
さらに洗浄液で洗い流してキレイサッパリしてあげます。
もちろん強い過給圧があるので、
IN・OUTのガスケットは純正新品で交換しますよ。
エンジンを始動して完全暖機。
LLCのエア抜き作業も行いながら、
スキャンツールを使用して各学習値を初期化していきます。
さらに燃料噴射量補正も再学習してあげますね。
よくメールからの質問で
(社外ECU(PCM)を装着してますがDSCは出来ますか?)
と問い合わせがありますが全く問題なく大丈夫です。
運転席にあるODB2のコネクターにスキャンツールが接続できれば、特に支障はありません。
今回のオーナーさんも関西観光+DSCのセットで
来店していただきました。
当日は天王寺→新世界→難波→道頓堀→心斎橋と、ベタベタな大阪観光コースを歩いて堪能したそうです。
・天王寺(あべのハルカス)
・新世界(串カツの行列 通天閣)
・難波(わなか たこ焼き 吉本NGK)
・道頓堀(カニ・グリコ看板)
・心斎橋(360度 ビルビル店店人人 多し )
テレビで伝えられるイメージからの初大阪観光なら、
上記コースでも結構楽しめると思いますよ~。
いつもは朝9時半入庫の翌日お昼納車ですが、
翌日の予定を尋ねると伊勢神宮に参拝予定・・・。
それではお昼からの引き取りでは伊勢神宮には、
15時頃の到着になります。
急遽納車時間を翌日9時半に変更し、
早めの出発を提案しました。
弊社から伊勢神宮までは高速道路で約3時間。
伊勢神宮参拝と参道にあるお土産屋さん(おかげ横丁)など、
こちらも観光が楽しめますよ~。
近畿圏以外からお越しの方で時間に余裕があれば、
DSC+伊勢神宮参拝もアリですよ~。
DSCの御見積・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。
どうぞ宜しくお願い致します。
HAPPY CAR LIFE!!
(その後オーナーさんからレビューを2回に分けていただきました。)
CX-5のDSCの効果は言われた通りすぐに体感することができました!
特に帰り道が渋滞が多かったものですから、ノロノロ運転の時のアクセルワークが楽になりました。
それと、出だしのピックアップが鋭くなりましたね。
燃費の方は渋滞が多かった為、比較が出来ませんが2キロ位良くなったかと思います。
DPFに入るのも距離が伸びたように思います。また近いうちに燃費を検証して報告できたらと思います。
片道一般道6割高速4割で走りました。渋滞はほとんど無く流れは良かったです。・燃費は車の表示で20リッターを少し超えた位でした。施行前よりも2キロ~3キロ位良くなってます。新車の時と変わらない感じになったと思います。・DPFの距離は140キロ前後だったのが200キロ前後になりました。今回の施行は大変満足です。大切に乗っていきたいと思います。ありがとうございました。
ガソリンもディーゼルも排気量の大小・ターボ有無関係なく、
経年劣化の煤蓄積を解消すれば本来の性能に戻るはず。
(ただし壊れていなければ)
確実に完璧に清掃・洗浄・除去する事が
難しいだけなんだと弊社ではお伝えしています。