福井県からランドクルーザープラド リフレッシュプラン。 20万キロは朝飯前!!プラドなら40~50万キロを目指しましょう。
福井県からお越しいただいたのは、
ランドクルーザープラド KDJ95W
H13年式 12万キロ
リフレッシュプランのご依頼です。
・4年前に5万キロの中古車を購入。
・やや燃費悪化と停止から加速時のトルク低下が気になる。
世界トップクラスの耐久性を誇るプラドですから、
12万キロぐらいではハッキリ分かる劣化は感じないはずですが、
今後20万・30万キロ以上快適に走行するために、
リフレッシュ整備を希望されました。
入庫後に問診をしてから
オーナーさんは電車にて福井県にお帰りになられました。
・代車で帰る。
・目の前のJRモズ駅から電車で帰る。
・関空から飛行機で帰る。
この3パターンが多いですね。
試運転をしてから事前ホイールアライメントを測定します。
数値的にはやや乱れ程度ですがフワフワ感は表面化しており、
乗り心地は良くなさそうですね。
リフトアップをしてタイヤを外し、
E/G・足回り・下回り・ブレーキ等を点検します。
アーガス社バッテリーアナライザーで点検すると、
CCAの数値がやや低下していました。(要注意)
・点検結果から弊社がオススメする整備
・オーナーさんが希望する整備
2つを合わせたプランを予算を考慮しながら御見積。
整備プランはメール or TELにて説明をして、
どこまで整備をするかを相談し内容を決定します。
それでは作業を始めますね。
おそらく長い間ノーメンテだったブレーキ関係は、
キャリパーを分解してディスクローターも外します。
またフロントサスペンションやハブナックルも分解しました。
一つ一つの部品が重くて強靭、
作業をすれば頑丈な作りが実感できます。
ちなみに簡単に分解してそうにみえますが、
これが結構大変で・・。
例えばスタビライザー リンクロッドのナットを緩めるには、
まずはワイヤーブラシでねじ山を掃除。
その後にWAKO’Sラスペネを吹いて、少しずつ緩めていきます。
そうしないとネジ山がナメてナットが緩まず、
最悪は切断して外す手間が掛かります。
怪しい箇所は手間を掛けながら分解作業をするので、
それなりに時間が掛かるのですよね。
塩害車や旧車両などは
少し気を使いながらの作業しています。
ブレーキキャリパーのオーバーホールで分解します。
引き抜いたキャリパーピストンは固着するほどではありませんが、それなりに錆が付着していました。
ブレーキパッド交換時にピストンの錆付着を無視し、
強引にピストンをキャリパーに押し込めば、
キャリパー内で引っ掛かりが出て異音が出ます。
ブレーキパッドのみの交換してキーキー異音が出れば、
大体キャリパー側の整備不良でしょう。
なるべくして成る(鳴る)のですね。
弊社では10年10万キロぐらいで、
ブレーキキャリパーのO/Hをオススメします。
キャリパーを完全に洗浄してから、
シールとダストブーツを交換しました。
この時にキャリパーをキレイに洗浄しておかないと、
ブーツ装着時にゴミが混入しますので要注意。
最後に組み付けたピストンを出し入れし、
シールとグリスを馴染ませます。
もしスムーズにスライドしなければ、
この時点で修正します。
キャリパーホルダー部も清掃&グリスアップ。
ブレーキパッドも交換しますが、
リア側のバックシムは錆腐食が酷いため交換しました。
WAKO’S BPRパッドグリスをバックシムに塗りこめば、
耐熱・耐水・耐振動は完璧ですね。
フロントディスクローターを研磨します。
基準厚 22mm
限度厚 20mm
上記画像のように軽く削った時点で21mm
フロント側は磨耗が酷く、
キレイに研磨すれば限度厚ギリギリでしょう。
御見積では研磨での対応でしたが、
私の判断で新品ローター交換に変更しました。
リアの厚みは十分なので研磨再生し、
耐熱塗装(艶消しブラック)で化粧直し。
これで安全に制動が出来て、
コントロールしやすいブレーキになりましたね。
ロアアームはASSY交換はせずにブッシュ単体交換。
油圧プレスとSSTで圧入交換します。
ロアボールジョイントは単体供給が無いのでASSY交換します。
アッパーアームも同様に。
アッパー/ロア両方をアームASSYで交換するより、
ブッシュ交換の方がはるかに安価。
アーム自体は鉄の塊なので
歪みが無ければ十分再利用は可能です。
シャシに組み付ける時には
ボルト首下シャフト部にグリスを薄く塗ります。
(ネジ山には塗らない!!)
こうするとシャシ穴とボルトの隙間が密封され、
水分の侵入を防ぎます。
今後10年はボルトが内部で錆付く事はないでしょう。
ショックアブソーバー4本は純正品で交換しました。
アッパーマウントやクッションブッシュも、
もちろん同時交換ですね。
フロント・リアのスタブライザーの
リンクロッドやブッシュ交換。
横揺れだけではなく、
ギシギシ音の発生も抑えましょう。
ハブ・ナックルもO/H。
大きなハブベアリングやオイルシールを分解&圧入。
アッパーボールジョイントも圧入交換。
油圧プレスとSSTでサクサク作業しました。
ドライブシャフトO/Hのために、
Frデフからシャフトを引き抜きますが・・・・。
まったく抜けずに作業を変更。
インナーボード側は引き抜かずに、
車上でグリス&ブーツ交換をする事にしました。
左右ドライブシャフトを分解洗浄して、
劣化し粘度の落ちたグリスを除去。
純正ブーツ/グリスKITでIN・OUTを整備すれば、
今後10万キロはメンテする事もないでしょう。
(高耐久の純正ブーツなら安心ですね。)
パーキングブレーキのライニングシューが緩まず、
また誰かが整備した形跡が・・・?
(運転席のPブレーキレバーのワイヤーの長さが異様でした)
よ~く観察するとPブレーキ機構のアームが錆固着しており、
変な辻褄を合わせたワイヤー調整をしていたようです。
前作業者はプラドのPブレーキ機構の構造を
あまり理解していなかったようですね。
これではPブレーキの効きは甘くなります。
リターンスプリングを分解しフリーにしても
赤い矢印の幅でレバーが固着。
(つまり左のみ常時Pブレーキが効いた状態。)
・それだと引き摺るのでシューの調整でクリアランスを広げる。
・そしてワイヤーの長さが異常に余るのでレバー側で縮める。
・これだと右のみしかPブレーキが作動しなくなりますね。
そこで支点に注油しながら、
何十回も動かして固着を解消しました。
そして左右とも支点にグリスアップして錆固着防止、
正しいワイヤーの長さで再調整。
これでレバー操作約5ノッチほどで、
左右のPブレーキが正常作動します。
プロペラシャフト等のユニバーサルジョイントに
グリスアップを実施。
ブレーキフルードを交換してエア抜きをし、
元の状態に組み付けます。
ATF完全圧送式交換はオールNUTEC ATFで。
http://minato-motors.com/blog/?p=17434
プレ洗浄ATFは(ニューテック NC-RF リンシングフルード)
本命ATFは全化学合成(エステル系) ニューテックZZ51改
キレイに入れ替わりましたね。
ZZ51改なら次回交換推奨時期は約5万キロです。
フロント/リアデフオイル と トランスファオイル。
ガルフ プロガード75W90 LSD対応で交換します。
停止からの加速時モタツキが気になると相談され、
各センサー値を確認しても大きな異常は見当たらない。
そこでディーゼルエンジンのインテーク系煤蓄積を確認し、
インタークーラーや吸気シャッター・EGRバルブを分解しました。
バルブの詰まりや密着不良は目視では異常はなく、
煤の蓄積もほどほどでしょう。
(そこまで悪いとは思えない。)
(マツダSKY-Dより煤蓄積ははるかに少ない。)
清掃してダイヤフラムの気密テストをしてから、
元の状態に組み付け。
スキャンツールからアクティブテストで強制駆動しても、
正常に動いているのでEGRバルブ系統には問題無し。
過去の交換暦が不明のフューエルフィルターも交換しました。
オーナーさん曰くエンジンが冷間時には症状が出ず、
外気温が高い夏の完全暖機後に発症するそうです。
冬は完全暖機後も症状が無いそうで、
入庫時の大阪の気温は微妙な20~25℃。
入庫時の試運転では症状を確認出来ており、
(あ~このモタツキ。分かる分かる。)と思っていましたが・・・。
EGRバルブ系を清掃して燃料フィルターを交換し、
ATF交換終えると25℃の外気温では発症しなくなりました。
完治したのか?外気温が低いのか?は分かりませんが、
もし今後外気温が上昇して症状が再発した場合は
地元で(ある2点の部品)を交換して下さいとアドバイスしました。
旧型ディーゼルとクリーンディーゼルの過渡期のE/Gなので、
そんなに複雑な制御はしていないのですけどね。
とりあえず経過観察です。
アライメントリフトで1G締め付け。
アームブッシュのテンションを開放し再締付すれば、
無駄なブッシュの捩れが無くなります。
そこからホイールアライメントを調整しました。
・イヤサカ ビシャモン アライメントリフト ロング版
・ハンター ホークアイWA470 アライメントテスター
リジッドアクスルのリア・スラスト角は調整不可ですが、
フロント側はキレイに整いましたので良い数値でしょう。
サスペンション等を整備したので
新車時に近い走りやすいプラドになったと思います。
カーエアコンリフレッシュαで
AC冷媒ガスをリセット。
NUTEC NC-200も同時に注入し、
ACコンプレッサーの潤滑気密を強化しました。
約2週間のお預かりで作業は完了し、
無事納車となりました。
引渡し時には作業内容の説明に合わせて、
撮影した画像をお見せしています。
バシバシ撮影してるので
軽く100枚以上は撮影しているのですよ~。
納車後にオーナーさんからメールをいただきました。
何も知らせていないお子様とドライブに行くと、
プラドの乗り心地改善がスグに分かったそうです。
トータル的なサスペンション整備は同乗者の事を考えても、
費用対効果の良い整備だと思っています。
(10万キロ車のショックだけ交換はあんまり意味がないです)
それとお知らせなんですが、
リフレッシュプランでサスペンション系を整備する場合、
部品代金を前金でいただいています。
入庫してからの発注では部品欠品やバックオ-ダーがあると、
納期が読めず納車日が不明になります。
そうならないようにある程度の部品は事前に発注して、
準備をしています。
現在弊社の設備入れ替え工事中。
http://minato-motors.com/blog/?p=18126
毎週リフレッシュプラン予定車が入庫しますので、
最近は部品在庫量が急増中。
そこで保管スペースの確保も兼ねて、
バックヤードも増床中です。
リフレッシュプランのご相談・ご予約は、
HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。
どうぞ宜しくお願い致します。
HAPPY CAR LIFE!!