ニッサン ステージアPMN35 リフレッシュプラン。 金沢から陸送プランで入庫しました~。
『もしその車両が私の愛車なら、
限られた予算の中でどこから整備するのか?』
こんなテーマを掲げながら
お客様のお車をリフレッシュする整備メニュー
(リフレッシュプラン)
今回のリフレッシュプラン依頼で富山県から運ばれてきた
ニッサン ステージア PNM35 走行距離119000km
遠方のため弊社までの2往復が難しい場合は、
陸送プランもご用意しています。
提携陸送会社の最寄営業所までは
ユーザーさんにて搬入してもらい弊社までの陸送依頼。
今回は富山県在住の方なので
陸送会社の最寄営業所は金沢SC。
搬入後は大阪営業所経由の弊社届け。
今回は往復ともに陸送をご利用いただきました。
もちろん今回始めての入庫ですから、
ユーザーさんとは面識ゼロ。
そこでこんな場合はお電話にて会話をさせていただき、
希望整備や車両の不満点・改善点をお聞きしています。
なるべく多くお話をして整備方針をお伝えし、
安心してお任せいただけるよう努めています。
(電話問診)みたいなものです。
試運転をして事前アライメントを測定します。
数値的にはフロント トゥ以外は悪くはない。
ただ乗り心地は非常に悪い。
試運転ではフロントからコトコトと結構な大きさの異音があり
コーナリングでフラつき揺れが収まらない。
この後に行うサスペンションのリフレッシュで
見違えるように改善するでしょうね。
エンジン燃焼状態のチェックには、
排気ガステスターで確認します。
HCの数値が高く140ppm
臭いもチェックすると良く分かりますね。
スキャンツールを接続しライブデータを確認。
バッテリーアナライザーでバッテリー充電状態チェック。
リフトアップして下回りやエンジンなどと、
ブレーキキャリパーは外して各部点検。
ここまで調べて整備プランが制作できます。
(よくある無料点検とは全く違う内容でしょう。)
車両状態と整備プラン内容をユーザーさんに説明して、
予算に合わせた内容にまとめます。(協議)
整備プランが決まれば
事前入荷した部品以外の部品を発注します。
それでは作業内容を順番に紹介しますね。
フロント足回りはバラバラに。
ここまで分解すればボールジョイント部のガタは
判定しやすいですね。
まずはブレーキから。
右リアキャリパーは数年前に固着したそうで修理済み。
今回4輪とも分解すると右リア以外の3個も
錆が進行していました。
(完全固着の一歩手前ですかね。)
そのうち1個は再利用不能。
他の2個はまだ何とかなるレベルですが、
今回は3個全てキャリパーピストンを新品交換します。
(右リアのピストンのみ再利用は可能でした。)
キャリパーとダストブーツの縁が錆腐食が少し有り、
軽くブラストして耐熱塗装。
キャリパーシリンダーのダストブーツ溝のみ塗装し、
内側はグリスとフルードがあるので未塗装です。
(シリンダー内は塗っちゃダメですから)
キャリパーシールを装着し
新調したピストンを挿入しダストブーツ装着。
ピストンを出し入れしてブーツの装着具合と
ピストンの動きを確認します。
錆で再利用不可のブレーキパッドのバックシム。
新品に交換してWAKO’S BPRグリスを塗りました。
(耐熱・耐水・耐久グリスがパッド共振を防ぎ持続します。)
キャリパーのスライドピンの穴はやや錆気味。
ホーニングブラシでキレイにし、
グリスとダストブーツを交換しました。
ホルダー部のシムも新調すれば完璧ですね。
ディスクローターも研磨にて再生。
荒れたローター面を整えて、
ブレーキタッチを回復させました。
これでコントロールしやすくフィーリングの良い、
安全なブレーキになりましたね。
もちろんパーキングブレーキも調整しています。
ショックアブソーバーは純正品のオーテックモデル。
PNM35専用のアブソーバーを新調します。
フロント ショックアブソーバー交換
マウント・バンプ・ダストブーツ等も同時に交換します。
リアショックアブソーバーもオーテック。
ブッシュやスプリングゴムシートも交換しました。
ロアアームNO,2は左右交換。
劣化したブッシュやボールジョイントをASSYで交換しました。
タイロッドエンドやナックル部のジョイントは、
ブリスを入れ替えてダストブーツは社外品で交換。
メーカーの純正ダストブーツ単体、
もしくB/J単位で部品供給は無し。
車検に不合格になる為
ダストブーツは社外汎用品で対応しました。
社外汎用ブーツを使わなければ、
ナックルASSY交換で部品代が数万円。
(ダストブーツぐらいは純正供給してほしいですよね。)
(社外ブーツは1個数百円ですし)
試運転時のコトコト音の原因は、
ロアアームNO,1 スタビリンクロッドのボールジョイント。
組み付けた状態では分からないですが、
外してみるとガタが大きい。
こちらも交換しました。
サスペンションがバラバラな状態なら、
サブフレームを降ろしてのE/Gマウント交換はオススメ。
非常に狭くナットが回せないのですが、
工具を駆使して何とか交換しました。
ATマウントインシュレーターは
簡単に交換出来ました。
FRベースの4WDでFrドライブシャフトの負荷は少ないですが、
今回はFrのみオーバーホールをします。
(FF車2WDの負荷に比べてですが・・・。)
(4WDのリアはまず大丈夫でしょう。)
耐久性の高い純正ブーツ&グリスKITでリフレッシュ。
ここまですれば今後10万キロは
Frドライブシャフトの心配はなくなるでしょうね。
排気ガスの数値が悪いのは、
スパークプラグの劣化でしょう。
イリジウムプラグの電極が磨耗しギャップ拡大は
良い状態ではないですね。
NGK 長寿命&高性能プラグ (RXプラグ)
こちらで6本交換しました。
おそらく一度も清掃した事が無いだろう。
かなり汚れていた電子制御スロットルボディ。
専用クリーナーで清掃し、
スキャンツールから初期化(急速TAS)を実行しました。
これでアイドリングも安定し、
燃費にも貢献してくれるでしょう。
フロント/リアデフオイルは
ガルフ プロガード 75W90
粘度の低いトランスファオイルには
アイシンAFW+を使用しました。
エアコン冷媒ガス量は40gほど少なかっただけなので、
漏れも無く優秀ですね。
重量管理でリチャージし、
NUTEC NC-200も同時注入しました。
全てを組み立ててから、
アライメントリフトに移動。
1G締め付けをしてブッシュの無駄なテンションを開放し、
ボルト・ナットをマシ締めします。
そこから軽く試運転をして、
ホイールアライメントを調整しますね。
組み立てたスグの状態はバラバラな数値ですが、
ハンター社ホークアイWA470で測定しながら
各アライメント数値を調整します。
クレイドル調整でSAIやFrキャンバー・キャスターを整えて、
リアはキャンバー/トゥを微調整。
最後にステアリングセンターとFrトゥを調整します。
出来るだけ左右差を少なくし、
直進安定性重視で調整しました。
最後に試運転をするとコトコト異音は消え去り、
かなり走りやすいステージアになりましたね~。
ユーザーさんに報告し陸送手配で納車をします。
ありがとうございました。
本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に
お越しいただきありがとうございます。
http://minato-motors.com/blog/?p=17765
6月中旬から始まる設備工事のため、
予約スケジュールは非常に混雑しております。
予約が確保しずらい状態ですがご理解の程宜しくお願いします。
それとリフレッシュプランの整備の中で、
サスペンション整備をメインに希望される場合は、
前金を頂いて部品を事前に入荷するようしています。
今回のステージアのオーテックショックは
リア右のみがメーカー在庫無しで納期は1ヶ月強の予定でした。
ステージアのメール相談されたのが3月中旬。
車両入庫日が4月末でショック入荷が4月25日。
サスペンション系は全部品が揃わないと、
作業が進まないのでご協力をお願いしています。
それではHAPPY CAR LIFE!!