マツダ アテンザワゴンにDSCとATF圧送式交換。 煤除去にはドライアイス。 全化学合成ATF NC-65もオススメですよ~。
某県からお越し頂きました。
マツダ アテンザワゴン GJ2FW
走行距離65000km
・DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)
・ATF圧送式交換 for NUTEC NC-65
2点セットのご依頼です。
今回は諸事情があり、
どこの県から来られたのかは非公開です。
(ナンバーは下一桁とひらがなだけお見せします。)
(高速道路使用で片道5時間ぐらいは掛かったそうですよ。)
SKY-D2.2の煤蓄積は
弊社ブログで数多く紹介していると思います。
(吸気シャッターバルブ~インテークバルブまで)
作業実績数からするとほんの一部になりますが、
宜しければ覗いてみてください。
http://minato-motors.com/blog/?cat=192
アテンザWユーザーさんもこの事が気になり、
この間の大規模リコール時に
ディーラーさんへ質問したようです。
(自分のアテンザの煤蓄積は大丈夫なんですかね?)
(今回のリコール作業で煤は除去されるのですか?)
(最近の車の状態はチョット・・・な感じですけど)
ディーラー担当者が何と答えられたかは伏せますが、
(大丈夫ですよ。心配しないでくださいね。)
という内容の返答だったそうです。
それでもやっぱり気になると言う事で、
今回入庫して頂きました。
ATF交換も兼ねているので、
作業前の試運転でフィーリングチェック。
SKY-D2.2のトルクフルな感じはなく、
2000ccのNAエンジンのような加速。
走れない事はないが・・・??
敏感な方ならスグに分かる気がします。
スキャンツールを接続し、
ライブデータを確認すると
やっぱりアノ数値がダメですね。
早速エンジン吸気系統を分解していきます。
外観からインテークマニホールドは
いろんなモノに隠れて見えないですね。
サクサク分解して
インテークマニホールドを外しました。
インテークマニホールドから
吸気シャッターバルブをパカッと外せば・・・。
こんな感じで吸気シャッターのバルブに
煤が蓄積しています。
その先にあるインテークマニホールドの
入り口を見てみると・・・。
煤とブローバイオイルでベタベタ・カチカチ。
たんまり蓄積してますね。
手前から奥に過給新気が流れるのですが、
こんな感じでは空気が入りづらいですよね。
インテークマニホールドの入り口がこれなら、
出口はどうなっているのか?
横20mm・縦40mmのインマニ穴は、
半分ぐらいが塞がっていますね。
10mm以上は蓄積しているかな。
さらにその先のエンジンシリンダーヘッドにある
インテークポートはどうなってるのか?
見てみましょうかね・・・・。
ここまで蓄積が酷くポートが狭くなると、
カメラのピントが合わないですね。
ポート奥にあるインテークバルブの
シャフトがなかなか写らないです。
インテークマニホールドを手作業でホジホジすると、
大量に煤が出てきましたね。
ある程度はカキ出せますが、
手作業での完全除去は無理でしょうね。
DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)
弊社オリジナルの整備メニュー。
-79℃のドライアイスペレットを
圧縮空気で高速噴射。
昇華爆発力と熱収縮を利用して、
母材を傷付けず付着物を除去します。
使用するドライアイス洗浄機は
グリーンテックジャパン社製。
TV ほこXたて の対決
(どんな物でも剥がす洗浄機 vs 絶対剥がれない塗装)
http://www.greentech-japan.co.jp/hokotate/
ボディが汚れないように
3M社製マスカーでマスキング。
(水・油・溶剤も通さない優れもの)
洗浄機のガンにDSC特殊ノズルを接続し、
インテークポートを軽くショットしてみますね。
ドライアイスペレットが直撃した箇所だけ、
キレイに剥離してますね~。
4気筒8ポートあり
クランクを回して1気筒づつショット。
インテークバルブは全閉にし、
燃焼室には煤が行かないのでご安心下さい。
数種類あるDSCノズルを組み合わせ、
全ての蓄積物を除去洗浄。
フルパワーの洗浄力とDSCノズルを使用すれば、
ポート内径とバルブ傘部まで全てキレイになりました。
もちろんバルブ傘部や
シャフト裏まで除去しています。
エンジンには全くダメージを与えないので、
どうぞご安心下さいね。
ほぼ新車時と同じ状態までキレイになりましたね。
どう見ても空気の流れが良くなったと思いますよ~。
(ディーゼルなんて空気を吸ってナンボのエンジンですから。)
もちろんガスケットは純正品で交換。
常時5台分はストックしていますよ~。
DSCオプション整備の(インタークーラー洗浄。)
煤が固着する原因にもなるブロ-バイオイルが、
インタークーラー内に溜まってますね。
DSCの作業中は縦に吊るして、
溜まっているオイルを排出。
最後に洗浄剤を流しこみ、
キレイに内部を洗浄しました。
今回のアテンザWは
結構オイルが溜まっていましたね~。
吸気系の部品を元の状態に組み付けて、
エンジンを始動し暖機します。
各学習値の初期化・燃料噴射補正再学習など、
スキャンツールを使いアダプテーション。
とりあえずDSCは完了です。
次はATF圧送式交換。
マツダSKY-Dr6速ATは密封式になりますが、
弊社オリジナルのアダプターを接続すれば、
交換効率の高い圧送式交換が可能になります。
本命ATFを使用する前に、
まずはプレ洗浄を行いますね。
使用するプレ洗浄ATFは非公開。
マツダATF(FZ)に適合したATFを使用しています。
真っ黒に劣化した純正ATFを排出しながら、
プレ洗浄ATFを同時に注入。
全量圧送式交換をすれば
結構キレイになりましたね~。
本命ATFにはNUTEC 『NC-65』
ニューテック最高峰の全化学合成ATF(エステル系)
1リットルの金額がビックリするぐらい高価ですが、
NC-65の指名率やリピート率を考えると
ガッガリする事はないと思いますよ~。
ストリート走行からサーキット走行まで、
これ以上のATFはそう無いと思います。
NC-65に入れ替えて、
もう一度圧送式で全量交換を行いますね。
キレイに入れ替わりましたね~。
注意
NC-65は薄緑色のため色味が弱いです。
プレ洗浄油の赤色に干渉されますので、
色まではキレイに入れ替わりません。
規定温度でレベル調整をすれば作業完了です。
ここまでキレイになれば
次回推奨交換時期は6万キロになります。
最後に試運転をして納車となりました。
(本来のSKY-D2.2&6速ATになったと思いますよ~。 )
このアテンザWオーナーさんとお話すると
普段は片道45分の通勤使用。
エンジンオイル・オイエレメントは、
新車購入したディーラー店舗で定期的に実施。
ディーラーさんに全く問題ないと言われても、
新車購入時にあったトルクフルな加速や
敏感なレスポンスが無くなり
それがどうしても気になったそうです。
同時期に入庫した名古屋ナンバーのCX-5も同様で、
アテンザが終わり次第、DSC作業に掛かりますね。
・自動車なんて消耗品で走ればなんでも構わない。
・メンテナンスに費用はあまり掛けたくない。
と思うのが大多数の普通のユーザーでしょう。
DSCやATF圧送式交換は言ってみれば特殊な作業で、
どこでも出来るお手軽な整備ではありません。
自分の愛車が大切で出来るだけ新車時に近い状態を
長く続けたい方に向けたニッチな整備。
(万人受けはしないでしょうし・・・。)
(この車が気に入っている。長く使用したい。)
SKY-D2.2へのDSCやATF交換をした後の説明時には、
皆さん同じ事を言われますね。
それが出来るか?出来ないか?は、
メンテナンス次第だと私は思っています。
Happy Car Life!!