奈良県 アルファード MNH10系 リフレッシュプラン。 効果的な整備が車両復活の近道ですよ~。
奈良県からお越し頂きました。
アルファード MNH10 V6 3.0L
走行距離 106000km
リフレッシュプランのご依頼です。
初代アルファード10系は根強い人気車種で、
リフレッシュプランの依頼件数は非常に多いですね。
内外装がGoodコンディションのMNH10は、
今回は足回り系とATF交換をメインに依頼されました。
リフレッシュプランでは希望整備が
足回りやATF交換がメインでも、
もちろん車両全体をチェックします。
試運転後に排気ガスをテストすると、
完璧な燃焼状態。
Tベルトやスパークプラグ系は交換済みなので、
エンジン関係は問題ないでしょう。
バッテリーアナライザーでの
充電・発電状態も良好でした。
リフレッシュプランに含まれる『事前アライメント測定』は
現在のサスペンションコンディションを見極めます。
この数値を整備プランニングの参考にし、
整備提案の材料となります。
典型的な悪いアライメント数値は、
むしろよくあるある数値です。
継続検査(車検)で行うサイドスリップ検査の弊害で、
フロントトゥが大幅にアウトになっていますね。
トータルアライメントを調整せず
長年サイドスリップ検査に合格し続ければ、
だんだん高速安定性が悪くなる矛盾。
(サイドスリップとトータルアライメントは全く違います。)
(車検制度にはトータルアライメントの概念はないですからね。)
リフトアップして各部を点検し、
予算に合わせたオススメの整備プランを
提案させて頂きました。
協議しながらプランを多少微修正し
オーナーさんからOKが出ましたので、
作業を開始しますね。
前後ブレーキキャリパーのオーバーホール。
・キャリパーを分解して完全洗浄。
・ゴム製ピストンシール&ダストブーツ交換。
・ブレーキパッドは残量が多いため研磨で再利用。
・ディスクローターはリア側は研磨し、フロントは新品交換。
あまりにもパッド残量が多ければ、
セオリーではないですが再利用も可能です。
フロントディスクローターは状態が悪く、
厚みが限度に近いので新品交換となりました。
リア側は問題なくOK。
研磨作業で再生します。
リアは研磨してから耐熱塗装。
フロントはトキコ製のディスクローターをチョイス。
ここまで作業すれば、
当分はブレーキメンテから開放されるでしょう。
今時のブレーキホース・マスターシリンダは、
コレぐらいの年式・距離では問題ないですし。
定番のリアアクスルビーム・ブッシュ交換。
バックリとブッシュが左右とも割れていますね。
ビームASSYを車体から外し、
ブッシュを打ち替えます。
ディーラーさんでは基本的にASSY交換が多いそうですが、
弊社ではSSTがありますのでブッシュのみ交換が可能です。
また位置決めも重要で、
間違えて装着すると再使用が難しくなりますね。
調べた訳ではないですが、
このビームブッシュ交換を日本で一番作業しているのは、
もしかして私ではないかな?と最近思っています。
(何十台も交換した人いるのかな~?)
フロント左右のロアアーム交換は、
アームブッシュの単体供給がない為、
アームASSYでの交換になります。
アルファード10系のロアアームは簡単には外れないのですが、
こちらも何十台も作業しているのでサクサク分解します。
またロアボールジョイントも同時交換ですね。
10万キロも走行すれば、
すっかり劣化しているショックアブソーバー。
ふわふわ・カタカタと乗り心地が悪化、
高い車両重心はロールのたびにフラツキます。
今回は前後4本を
カヤバ ニューSR-Sでリフレッシュ交換。
バンプやベアリングなどの消耗部品も同時交換ですよ~。
AT容量に対して車重が重すぎるアルファード。
ATF交換はミッション予防整備の唯一の方法。
まずはAT内部を
徹底的にキレイにしますね。
・オイルパン洗浄・ストレーナー交換
・アイシンAFW+で全量圧送式交換
規定容量分をイッキに交換して、
やっとここまでキレイになりました。
奥に見える新油と比べると、
まだまだ汚れていますね。
もう一度AFW+で全量圧送式交換をします。
ここまでキレイになれば、
次回推奨交換時期は4万キロとお伝えしています。
アライメントリフトの上で
ショックアブソーバーやブッシュなどを1G締付。
ブッシュテンションを開放してから、
もう一度締め付けます。
これをしないとブッシュの寿命が縮みますよ~。
試運転をし再度アライメントを測定すると、
まだリアの数値が良くないですね。
SPC社 (リアシム71024)を使用して
調整不可のアクスルビームのアライメントを調整します。
ブレーキとハブを外して、
アクスルビームとの間にシムを挟みます。
シムの厚み(角度)は6種類あり、
数値に合わせて選択。
再測定すると
ほぼキャンバーとトゥの左右差がなくなり、
スラスト角もゼロになりましたね。
特に左リアはキャンバーが-1度50分ぐらいあったので、
イイ感じに修正出来たと思います。
直進安定性に影響するリア数値が決まれば、
フロント側を調整します。
左右のキャンバーを整えて、
トゥとハンドルセンターも調整しました。
ハンター社アライメントテスター (ホークアイWA470)
4センサー X 4ターゲット
旧型テスターと大きく違うのは
ホイールに傷が付かない軽量樹脂ターゲットと(WinToe機能)
ホイールに取り付けるターゲットとホイール面との間には、
シリコンリングが付いてます。
柔らかいシリコンリングのおかげで、
ホイールには傷が付かないのですよ~。
ステアリングセンターをWA470に記憶させて、
トゥとセンターを同時に調整出来るWinToe機能。
トゥ調整中にハンドルやステアリングロッドが動いても、
WA470のセンサーが捕捉し続けて数値を案内します。
(よってステアリングホルダーでの固定はしない)
センターがほぼ1回で決まり、
作業者にとっては非常に便利で仕事が早い。
部品欠品等もなくスムーズに作業が進行し、
2週間預かりで納車となりました。
納車後にオーナーさんからのレビューでは、
・直進安定性が向上し乗り心地が回復した。
・ブレーキングがリニアになり、効きが良くなった。
正しい整備をすればここまで変わるのか?と、
改めて整備の重要性や効果を実感されたようですね。
ショックアブソーバーが劣化しブッシュが破損したままでは、
10年10万キロ相応のコンディションでしょう。
それに入庫時のアライメント数値がこのようでは、
自動車は真っ直ぐ走らないし、ドライブの疲労も大きい。
元の素材が良いアルファード10系は、
10万キロぐらいで乗り換える車両ではないと思います。
きちんと整備すれば
まだまだ新車時に近い走りになり、
十分満足いく愛車に変わると思いますよ~。
弊社がオススメする(リフレッシュプラン)は、
よくある定期点検等ではありません。
定期点検や車検整備時に実施しない作業を、
集中して行うするトータルメンテナンスです。
それ相応の費用は掛かりますが、
満足度の高い整備メニューと自負しています。
リフレッシュプランのご相談・ご予約は、
HPお問い合わせフォームからお待ちしていますね~。
Happy Car Life!!