スカイアクティブD アテンザワゴン。 ATF交換とDSCは一泊二日で完了します。
弊社はもともとレクサス・トヨタの車両が
入庫する事が多いのですが・・・。
去年あたりから入庫数が急増しているマツダ車。
それもスカイアクティブ・フル搭載の
アテンザ・CX-5・アクセラのディーゼル。
すっかりこの作業が
定番メニュー化してきましたね。
兵庫県尼崎市からお越し頂いたのは、
マツダ アテンザワゴン GJ2FW
走行距離42000km
ATF圧送式交換 for NUTEC NC-65
DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)
のご依頼です。
まずはATF交換から始めますね。
試運転とATFチェック。
密封式ATの sky-Dr 6速ATでも
自社製作のアダプターを接続すれば、
交換効率の高い圧送式交換が可能になります。
本命ATFを使用する前に
まずはプレ洗浄。
sky-Dr専用プレ洗浄油を使用して、
規定容量分をイッキに圧送式交換しますね。
(プレ洗浄油の銘柄は秘密です。)
ビーカーに入れた廃油と比べると
かなりキレイになったと思いますが、
奥に見える新油と比べれば、
あともう少しですね。
本命ATFは『NUTEC ニューテック NC-65』
ニューテック最高峰の全化学合成ATF (エステル系)。
高価なエステル系基油をベースに使用し、
耐熱性・潤滑性などを極限まで高めています。
ローフリクション・ハイパフォーマンス
ディーゼルの高トルクを受け止める
sky-Dr6速ATにオススメしています。
それではもう一度NC-65でイッキに交換しますね~。
キレイに入れ替わりました。
注意
NC-65は薄緑色のため色味が弱いです。
プレ洗浄油の赤色に干渉されますので、
色まで完全には替わりません。
ここまでキレイになれば、
次回交換推奨時期は6万キロになります。
続きましてはDSC。
インテーク系統に蓄積するディーゼルの煤を除去します。
もともとは直噴ガソリンエンジン用に
弊社が開発した整備メニューなのですが、
DSCノズルなどを改良し
sky-Dエンジンに対応しました。
インテークバルブが見えるまで
分解していきますね。
サクサクと馴れた作業ですんなり分解。
インテークマニホールドをエンジンから切り離します。
結構蓄積していますね。
吸気効率が悪いのは一目瞭然。
いきなりドライアイスを
打ち込むとエライ事になるので、
まずは恒例のホジホジで
軽く煤を取り出します。
今回はサラサラ系の煤でした。(約コーヒー缶1杯)
普段の運転の仕方で
ブローバイのオイル付着量が変わり、
ネチョネチョ・ダマダマ・サラサラと
蓄積度や固着に違いがあるのですよ~。
またシリンダーヘッドの
インテークポート側への蓄積度も違います。
今回はインテークマニホールド側で蓄積度が高く、
それ以降の下流域では蓄積度が低いようです。
車両に煤が付かないように、
3M社製高性能マスカーで完全防備。
ドライアイス洗浄機に
3mmドライアイスペレットを投入。
DSC専用ノズルを装着して、
軽くショットしてみますね。
ドライアイスペレットを
圧縮空気で高速噴射。
直撃した部分だけキレイになりました。
狭く複雑な形状をしているポート・バルブ。
数種類のノズルを使い分けて、
隅々までキレイに除去します。
よく間違われるのですが・・・。
サンドブラスト等は噴射するメディアの硬さを利用して、
いわば研磨力でキレイにする作業です。
よって金属に打ち込めば、
メディアが硬いと傷が付きます。
ドライアイスペレットは、
指で簡単に粉々になるほど非常に柔らかい。
メディアの硬度で削っている訳ではなく、
ドライアイスの特性を利用して洗浄。
(熱収縮)と(昇華爆発力)
-79℃のドライアイスが高速衝突すると
付着物が急速冷却され熱収縮で脆くなる。
脆くなった付着物の隙間に
ドライアイスが入り込むと固体から気体へ。
750倍にイッキに昇華し体積膨張。
付着物は外に吹き飛んで、
母材に全くダメージを与えず剥離除去。
ドライアイスは気体になるため、
メディアも全く残らない。
鉄・アルミ・ビーズ・クルミなどの
硬いメディアを使用するブラスト洗浄は、
残留する可能性もあるのでエンジン内部などの
精密部には使えないのですね。
作業後のお掃除も大変ですし。
・インテークマニホールド
・電子制御吸気シャッターバルブ
これらもノーダメージで除去完了。
再利用不可能なのは、
ガスケットぐらいですね。
エンジンを始動し完全暖機。
各学習値を初期化して、
燃料噴射値を再学習させます。
またATFのレベル調整も規定温度で行いました。
試運転をして納車となりました。
2つの作業を合わせて
一泊二日のお預かり作業になります。
(朝9時半入庫の翌日15時頃の納車)
ATF交換もDSCも
本来の性能を取り戻す整備メニュー。
劣化したものは交換し、
汚れた部分は清掃除去。
最新の車両は多少の劣化・汚れが有ったとしても、
ECUが学習し補正を掛けて動いています。
スロットルの開閉を微調整したり、
燃料の噴射量を加減したりと・・・。
ですがそれも限度があります。
補正できる範囲以上の劣化や蓄積があれば、
当然性能は低下すると思いますよ。
ディーゼルなんて空気を吸ってナンボのエンジン、
吸いづらくなれば・・・。
ATF交換はATを守る唯一のメンテナンス。
劣化しないオイルなんて無いですから。
新車時のアノ性能を取り戻したい方は、
どうぞメールにてご相談ください。
HP(お問い合わせフォーム)から
お見積・ご予約をして頂けると助かります。
それではHappy Car Life!!