アクセラXD sky-D2.2 ディーゼル。 DSCで煤除去作業。
愛知県からお越し頂きました。
マツダ アクセラXD BM2FS
走行距離69000Km
インテーク系統に蓄積する煤を除去する
DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)のご依頼です。
『普段から結構高回転まで回す方なので
そんなに煤は溜まっていないと思うけど・・・。』
『アクセル開度とターボ加速とのリニア感が悪くなったので、
DSCを実施しようかと検討中。』
メールにてご相談頂き、入庫してもらいました。
軽くエンジンを冷やしてから、
インテークバルブが見えるまで分解していきます。
もうすでにかなりの台数のsky-D2.2を分解しているので、
手間取る作業もサクサク進み・・・。
インテークマニホールドが外れました。
インテークマニホールド上流にある吸気シャッターバルブは
8mm近い厚みのカーボンが蓄積していますね。
インマニ入り口のEGR合流点は御覧のように、
煤で塞がれて・・・・。
半分ぐらい吸気経路が狭くなっていました。
インマニ出口も煤詰まり。
マニホールド内壁にびっしり煤が溜まっているので、
もしDSCが無ければ除去出来ず
インマニは交換になると思います。
それではシリンダヘッド側の
インテークポートも見てみましょうか。
インテークバルブは煤で埋もれ、
ポート内径には大量に蓄積。
さすがディーゼル、コレでも走る。
ですがコレを見れば、性能低下は仕方がないですね~。
恒例のホジホジをすると
ポートが完全に埋れましたね。(煤多すぎ!)
現在何十台もsky-D2.2をDSCしましたが、
まとめてみると溜まる傾向は3パターン。
<1>
インマニと吸気シャッター付近で蓄積が酷く、
シリンダヘッド・ポート側には蓄積が少ない。
<2>
1とは逆にシリンダヘッド・ポートに蓄積が多く、
インマニ・吸気シャッター側には蓄積が少ない。
<3>
吸気シャッターバルブ~インテークポート・バルブまで、
全域で煤の蓄積が多い。
今回のアクセラは<3>のパターンに該当するようですね。
このアクセラ オーナーさんにお聞きすると
・純正オイル&エレメントはディーラーにて定期的に交換。
・低距離短時間の使用状況ではない。
・エンジン高回転の領域も積極的に活用。
それでも煤が溜まるようですね。
次世代洗浄 ドライアイス洗浄機を使用して、
短時間に・完全に・エンジンにノーダメージで、
強固に固着した煤を剥離・除去していきます。
煤がボディに付かないように、
3M社の高性能マスカーで完全防備。
DSC特殊ノズルを使い分けて、
インテークポート内をキレイにしますね。
軽く数秒ほどショットすれば、
ドライアイスペレットが直撃した部分だけキレイに剥離。
ドライアイスペレットは非常に柔らかいので、
圧縮空気で高速で打ち込んでも、
エンジンには全くダメージが無いのです。
ドライアイスの特性である、
熱収縮と昇華爆発力を利用して洗浄しています。
特に冷却経路が近い1番シリンダのポートは、
なかなか強固にコビリ付いて大変でした。
燃焼熱とブローバイオイルの為でしょうか?
通常の倍ほど時間が掛かりました。
最終的には4気筒8ポートすべて除去完了。
バルブ傘部の固着した煤も、
完全に除去しましたよ~。
ドライアイス洗浄機が無ければ、
再使用不可能のインテークマニホールドも
無事に再生完了。
各バルブもキレイに洗浄して、
交換したのはガスケットのみ。
DSCオプション整備のインタークーラー内部洗浄。
ターボ車特有のブローバイオイルが
インタークーラー内に溜まります。
サラサラの煤が固まる原因にもなるので、
定期的に洗浄する事をオススメします。
全ての部品を組み立てて、
エンジン始動・完全暖機。
各学習値を初期化し、
燃料噴射補正も再学習させます。
試運転をして無事納車となりました。
ここまで蓄積して吸気効率が落ちても、
ディーゼルは普通に走ります。
ただ新車購入時のあの強力なトルクは、
この状態では発揮出来ないと思いますよ。
(発揮が出来ない・低下に気が付かない)うちはね、
まだいいのですが・・・。
たとえ加速が鈍くても、
カーボンが剥がれてバルブに挟まり圧縮低下しても、
新車保証があるうちは
無償で修理してもらえるでしょう。
おそらく本当にこれが問題になるのは、
この無償保証が切れた時かな?と思います。