『マツダCX-5 DSC 特大号』 ATF圧送式交換 と 煤除去作業。 NUTEC最高峰ATF 『NC-65』
今回の依頼はスカイアクティブ-ディーゼルの
インテークに蓄積する煤(カーボン)除去作業と
ATF圧送式交換。
まずはDSC。
(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)から。
来店して頂いたのは
山口県からは CX-5 シルバー 54000km
福井県からは CX-5 レッド 74000km
KE2AWの2台を2日連続で作業させて頂きました。
まずはシルバーCX-5から
インテーク系をシリンダヘッドのポートが
見えるまで分解しますね~。
吸気シャッターバルブの煤の蓄積は
予想より少なめですが、
インテークマニホールドには
非常にカーボン量が多かったですね。
煤にオイルが染み込んで、
ネチャネチャ系に固着していました。
次はレッドCX-5も
同じように分解します。
こちらの方は吸気シャッターバルブの
ほとんどが煤で塞がれており、
吸気経路は30%以下しか確保していません。
コレでよく福井県から辿り着けたな?と思いますが、
時速100km/h で通常走行出来たそうですよ。
そして不思議な事に
インテークマニホールド内の煤の量は少なめでした。
インテークマニホールド内の煤の状態ですが、
シルバーCX-5はネチョネチョ・ダマダマ系の塊が多く、量も多い。
逆にレッドCX-5はサラサラ粉末系で量は少なめ。
それではシリンダヘッド側にある
インテークポートを見ましょう。
まずはシルバーCX-5から。
入り口の吸気シャッターバルブに煤が少ないのに、
ポート側は非常に煤の蓄積が多いですね~。
恒例のホジホジをすると、
ポート内は煤に埋もれてしまいます。
次はレッドCX-5を見てみると・・・・。
吸気シャッターバルブが塞がるほどあった煤は、
ポート側にはほとんど無くて量も少ないです。
こう見ると2つの車両は
非常に対照的ですね。
シルバーCX-5のインタークーラーは
ブローバイオイルの溜まりは少なめ。
軽く洗浄してキレイになりました。
レッドCX-5のインタークーラーは
ブローバイオイルの量は非常に多い。
しかも当日雨の中を走行し
来店したから?
吸気した湿度の高い空気が
インタークーラーで膨張し冷やされるので
結露の水が非常に多い。
オイルと混じって乳化してますね。
洗浄液を大量に使って
内部を洗い流しました。
インタークーラーの汚れ具合をみても、
やはり対照的ですね。
いよいよドライアイス洗浄を始めます。
飛び散ったカーボンがボディに付かないように、
3M社製高性能マスカーで鉄壁ガード。
ドライアイス洗浄機に
ドライアイス3mmペレットを投入し、
圧縮空気で高速噴射。
熱収縮 と 昇華爆発力
エンジンにノーダメージで
複雑な形状のポート内をキレイに洗浄します。
ドライアイスが衝突した瞬間に固体から気体に変わりますが、
その膨張率は750倍になりチョットした小爆発。
この特性を利用したのがドライアイス洗浄。
軽~くショットすれば
ドライアイスペレットが直撃した部分だけ
煤が剥離しましたね。
数種類のDSC特注ノズルを使い分けて、
インテークバルブ・ポートを完璧に洗浄します。
4気筒8ポート X2台分
全てキレイに除去しました。
インテークマニホールド と 吸気シャッターバルブも
ドライアイス洗浄でキレイにします。
マニホールド内は複雑な構造なので、
手作業でキレイにするのはほぼ無理。
ネチョネチョ・モソモソの煤が纏わりついて、
行く手を阻みます。
吸気シャッターバルブは電子制御モーターがあるので、
水やケミカル系はNG。
ドライアイス洗浄ならノズルと各流量を調整をすれば、
繊細な電子バルブでも問題なくキレイに出来るのですよ。
精密金型から電子基盤までを洗浄するために、
開発されたのがドライアイス洗浄機ですから。
これぐらいは余裕で洗浄できるのです。
レッドCX-5はATF圧送式交換も同時に作業しました。
sky-Dr専用の特製アダプターを接続し、
まずはプレ洗浄を行います。
sky-Dr用のプレ洗浄ATFでイッキに全量を交換します。
真っ黒だった劣化したATFは、
ほぼほぼキレイになりましたね。
本命ATFを使用する前に、
AT内部をキレイにしておきます。
NUTEC ニューテック 『NC-65』
NUTEC最高峰のATF
全化学合成ハイパフォーマンスATF(エステル系)
もともと輸入車 大排気量エンジン搭載車の
多段ATやDCT用に開発されたNC-65。
極薄で強靭な油膜性能は高トルクのエンジン出力を
ATでロスせずそのままタイヤへ伝えます。
またギアや湿式クラッチを守るため、
極限まで油膜を強化しています。
おそらく市販品ATFでは最強でしょう。
(お値段はビックリですけど・・・・。)
もう一度イッキに全量交換しますね。
キレイに入れ替わりましたね。
注意
NC-65は薄緑色の為色味が弱いです。
プレ洗浄油の赤色に干渉されやすいので
色までは完全には変わりません。
最後にATFのレベル調整。
年間数百台のATF交換をしているので、
レベルゲージなしのATでも問題なく作業可能。
試運転をして各学習値をリセット、
納車となりました。
シルバーCX-5のユーザーさんは
毎日の通勤で短距離走行(10分)が多め。
煤が蓄積しやすいと言われる使用状態でした。
ですがレッドCX-5のユーザーさんは
俗に言われている
・短距離走行を繰り返す。
・渋滞が多くノロノロ運転が多い。
・緩やかな運転であまり飛ばさない。
などには一切該当せず、
地元ディーラー担当の方にも相談したそうですが
レッドCX-5さんは(煤が蓄積しやすい運転ではない)
と言われたそうです。
もちろん普段からオイルとエレメントは
純正品で定期的にディーラーにて交換。
納車後の翌日にレッドCX-5の方から
お礼のメールとレビューも頂きました。
<エンジン>
・アクセル操作の感度が良くなり、
加速がしやすく新車時の感覚を思い出した。
・特に右足親指の微調整でアクセルワークが出来る。
リニアな加速で以前のように踏み込むと加速に驚く。
(タイムラグが無い)
・またアイドリング時や走行時の
エンジン音も静かになった気がする。
ディーゼルは空気を吸ってナンボのエンジン。
吸いづらくなれば出力は低下します。
そこに環境のために仕方なく流入させているEGRとのバランスが
崩れればより出力は落ちるでしょう。
エンジン音も当然で
掃除機の吸い口を塞げば音が大きくなりますよね。
それと理屈は同じです。
このsky-DエンジンのDSCを実施した方の多くのレビューを
統括するとこんな感じになりますね。
次に<ATミッション>
・ギクシャク感がなくなり、非常にスムーズな印象。
・予想以上に体感できた。
sky-Dr6速ATミッションを数十台ほど試乗した私の感想は
シフトフィーリングが荒く、スムーズではない方かなぁ~と。
GRS系クラウンの6速ATは数百台以上試乗してきましたが、
それに比べると荒さが気になりますね。
それでも熱劣化したATFを入れ替えて内部を洗浄し、
NUTEC NC-65を使用すれば
違いはスグに分かると思います。
帰宅時の運転が以前よりもスムーズになり、
楽しく運転する事が出来ました。
周りのCX-5オーナーにもこの感想、感触を伝えようと思います。
これからもよろしくお願いします。本当にありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。
また何かありましたらどうぞよろしくお願いします。
というわけで・・・。
最後までブログを見て頂きありがとうございます。
マツダ CX-5 DSC&ATF交換の作業と
レビューをお知らせしました。
Happy Car Life!!
2016/11/25 追記
山口県シルバーCX-5さんもこのブログを見て頂いたようで、
納車4日後にレビューをメールで教えてくれました。
・納車後すぐに感じたのはアクセルのツキが良くなった。
・いわゆる(ドッカンターボ)状態が改善された。
・先月エンジン不調になりディーラーにてインジェクター交換、高回転が少しは良く回るようにはなったのですが、DSC後は出力に谷間が無く、さらにストレスなく回ります。
・メーター読みで往路(ほぼ高速走行)より、復路(高速&下道走行)のほうが約1.7km/Lほど燃費が改善しました。
・おかげさまで車の調子も良くなり、エンジン内部の状態もはっきりし、感謝しております。
こちらこそご利用ありがとうございます。
やはりsky-DのDSCを実施された方の感想は皆さん同じですね~。
sky-DのDSCだけじゃなくて、
・ブレーキの効きの甘さ・タッチの違和感。
・ショックアブソーバーの劣化による乗り心地悪化。
・ATFの熱劣化によるシフトフィーリング低下。
・トータルアライメントのズレによる直進安定性の低下。
機械を使用すれば相応に劣化します。
そして正しい整備をしてあげれば、本来の性能は回復します。
回復させる整備技術を今後も勉強していきますので、
これからもどうぞ宜しくお願いします。