整備プラン内容は要望と予算と現状から。 トヨタ アルディオ リフレッシュプラン。
リフレッシュプランで入庫したのは
トヨタ アルディオ ZZV50G
走行距離12万キロ
最初に問診させて頂くと
車両の大きな不満点は2つ。
・車両が真っ直ぐ走らない。
・ブレーキの効きが凄く甘い。
駐車場の事情からこのアルディオの車高が使いやすく、
愛着もあるので予算の範囲で改善したい。
そんなユーザーさん向けの整備メニューがリフレッシュプランですから、
どうぞご遠慮なくご相談ください。
まずは試運転と排気ガステスト。
アライメント測定と車両点検。
アライメント数値はバラバラで、
排気ガスの数値もHCが車検不合格基準の一歩手前。
車両は左に流れて、サスペンションはフワフワ。
ブレーキのタッチも甘く、コントロールもしづらい。
経年劣化で非常に運転がしづらい車両になっており、
同乗者の方も乗り心地の悪化を感じていると思います。
要整備箇所は多いのですが、
この2つの不満点を解消するプランを提案し、
OKが頂けましたので作業を開始しますね。
完全に劣化した前後4本のショックアブソーバー。
乗り心地を悪化させている原因はコレでしょう。
もうフワフワですからね。
左前からはカタコト異音が発生しているので、
ショックマウント・B/Gもダメでしょう。
ショックアブソーバーは
カヤバ ニューSRスペシャルに交換し、
マウント・B/G・インシュレーターブーツ等も
同時に交換します。
フロントブレーキのパッド残量を十分ありますが、
ディスクローターの錆でパッドとの当たり面が悪くなっています。
正常な当たり面が減れば、
もちろん制動力は低下します。
今までリアブレーキ調整を
何度か他社で依頼したようですが、
あまり改善しなかったようです。
ここまでブレーキライニングシューと
ドラム当たり面が荒れていると、
いくら調整してもダメだと思います。
ブレーキドラムにある深い溝が
効きの悪さを物語っていますね。
試しに自転車でFrブレーキのみで停止してください。
止まらないし、制動力のコントロールも難しい。(雨ならなおさら)
前後とも使用して適切にブレーキングすれば、
狙ったところでピタッと止まれますよね。
自転車はその感じがスグに体感できますが、
自動車は4輪とボディがあるのでなかなか感じられない。
だから整備の必要性が見えてこないのでしょう。
ローターとドラムの限度厚を確認しながら、
研磨作業でリフレッシュ。
国産車の場合は限度厚から余裕があれば
研磨にて対応しています。
あまりにも酷い場合は新品交換になります。
Frブレーキパッドも交換します。
弊社のブレーキパッド交換は
パッドのみの交換はしていません。
パッドの背面にあるバックシムの洗浄と、
WAKO’S BPR 高性能グリスの塗り込み。
キャリパーホルダーのスライドピン部も
洗浄&グリスアップ。
ホルダーシムも真鍮ブラシにて清掃。
予算があればディスクローター研磨も同時に。
ブレーキパッド交換は
ただパッドのみを入れ替える事ではないと思います。
同時にする作業も含めてするのが、
ブレーキパッド交換ではと。
すると、しないとでは、
部品寿命も性能発揮も大きく変わりますよ~。
上記画像は洗浄前のバックシム。
塗っているはずのグリスはすでに無くなり、
シムの機能を果たせていない。
たとえパッド残量が有っても、
定期的なグリスアップは必要ですね~
リアライニングシューも交換して、
研磨済みのドラムを装着。
まずは一回目のクリアランス調整をしてから走行し、
当たりが付けばもう一度クリアランス調整。
リアのブレーキ調整が
ペダルタッチに大きく影響しますからね。
ペダルの踏み応えが甘く感じるなら、
リアブレーキを点検してください。 (リアドラム式の場合のみ)
ワイヤー式の旧型スロットルの場合は
アイドリング時の空気量を微調整しているのは、
スロットルボディでありません。
その横に付いているISCV。
(アイドルスピードコントロールバルブ)
が行っています。
ISCVのシャッターバルブ開閉で
空気量を調整していますが
ある程度使用すればカーボンが蓄積します。
すると開閉の障害・邪魔になり
空気量の調整がしづらくなります。
そうなれば燃料と空気量のバランスが狂い、
燃焼が乱れて排気ガスが悪化。
ISCVを分解し洗浄しました。
ゴム製のガスケットパッキンも同時交換し
また汚れたエアエレメントも交換しますね。
アイドリング時の排気ガス改善策は
これだけでは無いですが、
今回はISCVをリフレッシュし、
かなり改善されたと思います。
アライメント調整時の画像を取り忘れて申し訳ない。
長めの試運転のあとに、
最新式ハンター社ホークアイで
アライメントを測定・調整。
結構良い数値まで持っていけたので、
かなり乗りやすいアルディオになったと思います。
またブレーキタッチも向上し
無駄なペダル踏み増しをしなくても
停止線でパチッと止まれるようになりました。
あとは数点の改善整備点を提案しましたので、
次回整備機会にぜひ実施して下さいね。
適切な整備をすれば
平成11年式 125,000kmのアルディオ
まだまだ余裕で使える車だと思いますよ~。
ミナト自動車の提案型整備(リフレッシュプラン)は
簡単に言えばオーダーメイドの整備プランの提案。
年式・走行距離・使用環境・使用用途
それぞれバラバラな車両コンディションなので、
どこを優先的に整備するのか?
予算はどこぐらいでまとめるのか?
あと数年使用?
いやまだまだ10年は乗りたい!!
オーナー様の要望と予算と
実際に車両状況を点検して
(自分の愛車だったなら、どこから整備するだろうか?)
そんな目線で整備プランを制作しています。
お問い合わせでは、
『いくらの費用が掛かりますか?』とよく聞かれるのですが、
逆に『いくらの費用が掛けれますか?』と返答しています。
予算から逆算してプランニングすれば、
無駄な工賃の重複が減り、
結果的にはお徳になります。
作業重複度が高い箇所などは
優先順位を入れ替えてイッキにまとめて作業した方が
長い目で見ると費用負担が少なくなりますよ~と
提案させて頂いています。
普通に考えれば
整備士が自分の愛車を整備するのに、
無駄な重複作業はしないですよね。(しんどいですし)
予算の中で一番効率の良い効果的な整備を提案するのが、
リフレッシュプランの本質なのかな?と最近思っています。
コレって伝わるかな~?
伝わらねぇだろうな~!!
それではHappy Car Life!!