ハイエース ワゴン 100系 リフレッシュプラン。 整備記録に無い整備。
三重県からお越し頂きました。
ハイエースワゴン KZH106
ディーゼル4WD 走行距離 17万キロ
リフレッシュプランのご依頼です。
半年前に中古車購入したそうで、
過去整備状況は数枚の記録簿のみ。
記録簿だけではなく
実際の車両状況はどうなのか?
一度キチッと点検したいと
今回メールにてご相談を頂きました。
問診と試運転。
リフトアップし車両状況をチェックしますね。
バッテリーの充電状況や
スキャンツールでのデータチェック。
スキャンツール側からの強制操作(アクティブテスト)で、
EGR等が作動しているかも確認します。
法令24ヶ月点検 と 弊社独自点検基準
点検結果から
ご予算に合わせて整備プランを提案させて頂きました。
『必要・保留』をお客様の相談して、
最終整備プランが決定します。
まずはブレーキから。
Fr・Rともに9割以上は残っており
残量的には問題なし。
記録簿でも少し前にパッド・シューは交換済みでした。
パッドの当たりやローターの状態は良好なので、
今回はFrキャリパーのオーバーホールを行います。
(リアドラムブレーキは保留。)
リアドラムブレーキはブレーキ開放すると、
スプリングの力で強制的にライニングがドラムから離れます。
つまり当たり面の隙間(クリアランス)は
バネの力で確保しています。
ですがディスクブレーキはブレーキ開放時の
パッドとディスクのクリアランスは、
キャリパー内にあるピストンシールの柔軟性に依存しています。
ゴムシールが元の形に戻ろうとする(ゴム弾性)が
経年劣化で硬化すると、元に戻る作用が低下。
引きずり や 固着の原因になるのです。
ドラム式とディスク式では
当たり面のクリアランス確保は構造的に違うのです~。
交換して間もないブレーキパッドも、
残量的には問題ないでしょう。
ですがパッドとバックシムのグリス充填が不足し、
シム本来の役割が出来ていない状態でした。
グリス粘度でパッドの微振動を軽減するので、
この状態では不十分。
シム・パッドの古いグリスはキレイに洗浄。
低温から高温時まで安定した性能を誇る
WAKO’S BPR 高性能パッドグリスを薄く~塗りこみます。
LLCは圧送式交換。
メイン・サブ ラジエターと
エンジン・ Fr、Rヒーターコア。
全てのLLCを圧送式で交換します。
エンジンを掛けながら
ムラタトレーディング製ラジエターリフレッシャーを
使用して交換しますね。
冷却経路が複雑なので、
30分以上と作業時間は長めで行いました。
水冷インタークーラーのLLCも別途交換して、
最後にLLC再生強化剤を注入。
エア抜き作業をすれば完了。
ATFは交換暦が不明のため、
オイルパン洗浄・ストレーナー交換します。
液体ガスケットをキレイに除去して、
完全脱脂後に再組み立て。
ATFを補充注入して完全暖気。
ATFチェンジャー(トルコン太郎)に接続し
まずはアイシンAFW+でプレ洗浄。
イッキに全量入れ替えますね。
奥の新油と比べればマダマダですが、
廃油と比べると結構きれいになりました。
このまま30分ほどアイドリングを続けます。
今回の本命ATFは
NUTEC ニューテック ZZ-51改。
全化学合成ハイパフォーマンスATF (エステル系)
微細化・高性能化したエステル系ベース基油
高負荷・高回転・高温時でも安定した性能を発揮。
高耐熱性能は熱劣化に強く、ロングライフ化に貢献します。
キレイに入れ替わりましたね。
これで次回交換推奨時期は4万キロ以上になりますよ。
(ただし使用環境・乗車人数で増減します。)
カーエアコンリフレッシュα でエアコンメンテ。
デンゲン社製 エコマックスJr 全自動冷媒 回収再生充填装置。
・冷媒全量を回収し、フィルターでろ過。
・真空引きで空気・水分の除去。
・重量管理で規定量まで液化充填。
最後にNUTEC NC-200 AC添加剤も注入し、
コンプレッサーの保護と潤滑・気密性を向上。
規定冷媒充填量 1200g
回収冷媒量 620g
追加量(不足分) 580g
新車時の約半分しか
冷媒が入っていない事がコレで分かりましたね。
ハイエース100系は規定充填量が多いので、
半分ほど少なくてもそれなりに冷えますが
冷媒が少ないと冷えが悪いだけではなく、
燃費にも影響するんですよ~。
(コンプレッサー作動しっぱなしですから。)
Fr・Rデフ トランスファ のギアオイル交換。
リアは純正LSDかもしれないので、
LSD対応のギアオイル『ガルフ プロガード 75w90 GL-5』
を使用しました。
点検結果からのオススメ整備プランで
保留箇所があったのですが、
これは次回整備機会に再検討。
不安箇所を
(知っている) と (知らない)のでは、
意味が全然違いますからね~。
車両の現状把握は結構大切だと思います。
17万キロのハイエース コンディションは上々で、
過去の整備状態も比較的良かったと思います。
今回は過去の整備暦を補うメンテメニューが中心。
弊社では定番の整備メニューも
一般的には定番ではないので、
そのあたりを中心に点検整備をしてみました。
本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に
お越し頂きありがとうございます。
現在工場の3分の1をリフレッシュ改装中。
結構ぐちゃぐちゃに散らかっています。
夏の終わりぐらいを目処に
大掛かりな設備工事が入りますので、
それに合わせて撤去と準備。
整備士をしながらブログも書いて、
事務経理もしつつ商談打ち合わせ。
夕方からはビスを打ち込み、部材を切断。
溶接しつつ寸法合わせの内装作業。
出来る範囲は自分でしようかと、
空いてる時間にボチボチと。
それではHappy Car Life!!