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デリカD-5 CV1W リフレッシュプラン後編。    サスペンション・ブレーキもリフレッシュ。 ホイールアライメント調整!!

前回・前々回ブログで紹介した大阪市から依頼のデリカD-5 CV1W ディーゼルエンジン 走行距離12万キロ。


車両全体を整備するリフレッシュプランを依頼されました。
最優先のディーゼルエンジン整備がDSCとマルチサーブで完了しました。
http://minato-motors.com/blog/?p=38899 DSC
http://minato-motors.com/blog/?p=38959 マルチサーブ

今回のブログではサスペンションやドライブシャフト・ブレーキやATF交換等を整備していきます。



リフトアップしてタイヤを外し、サスペンション整備。

少し前にショックアブソーバー関係はKYBに交換済みだそうで、今回はサスペンションブッシュ関係を整備させていただきます。



リアサスペンションアームブッシュ交換。

ブッシュ単体で部品供給される箇所は油圧プレスで圧入交換。
アームASSYでしか供給されない部品はASSY交換になります。






ロアアームを外しますのでスプリングインシュレーターも同時交換しました。




フロントロアアームはブッシュやボールジョイントの単体供給は無いので、アームASSY交換になります。


前後スタビブッシュも交換しました。






劣化しやすいフロントドライブシャフトをリフレッシュ。

純正ブーツグリスKITでO/Hしました。

半固体のグリスが液体状になれば寿命ですよ。
またシャフトブーツもIN側はゴム製ですので劣化して割れます。


定期的に整備すればドライブシャフトも長く使えるんですよ。


CV1WのデリカはFr右のアウターブーツKITは部品供給がありません。
(Fr右のみブーツを再利用し内部洗浄して、グリス注入してブーツバンドを交換しました。)




ハブベアリングはFrのみ交換を提案しました。


フロントは圧入式でバラバラに分解しないと交換が出来ません。
また交換時にはホイールアライメント調整が必要です。
今回同時に実施しておけば無駄な工賃の重複が省けますよね。



リア側はボルトオンで固定されているので、あとから簡単に交換可能。
悪くなって異音が出てからの交換で良いかと思います。


ちなみにフロントハブベアリングは単体供給で部品代は安価ですが、リアはベアリングASSYになるので部品価格はなかなか高額。


予算に合わせて整備提案をさせていただいています。


ブレーキのキャリパーは以前に地元で整備済み。

今回はディスクローターを研磨再生して、ブレーキパッドをリフレッシュします。

前後のディスクローターを研磨再生し、耐熱塗装(500℃)でリフレッシュしました。

ブレーキパッドはWAKO’S BPR高性能ブレーキパッドグリスで組立。

エンジンマウント 全数交換。
前・右・後・左の順番で交換難易度があがります。

後側のエンジンマウントは簡単に外れそうで外れない。
サブフレームを降ろさないとブッシュ交換が出来ません。


左側のミッションを支えているマウントは固定ボルトを回すスペースが無いので、周辺部品をゴッソリ外さないとボルトが回せないんですよね。


最後にマウントブッシュの1G締付。
マウントブッシュに無駄なテンションが掛からないように、順番にボルトを締め付けていきます。

狭いデリカD-5のエンジンルーム。
その奥にある樹脂製インテークダクトパイプ。

このパイプのバンド締付部が高確率で割れるので、今回の整備時に新品パイプに交換しました。

車齢10年 走行距離12万キロでの予防整備ですね。

ATF交換を行いますが、この車両は過去に何度もATF交換済み。

そこで今回はプレ洗浄等は省いて、いきなり本命ATFで圧送式交換をしました。



使用する本命ATFはニューテック史上最高峰ATF(NC-65)
全化学合成ハイパフォーマンスATF エステル系

・極薄で強靭な油膜性能はローフリクション・ハイパフォーマンス
おそらく市販ATFでは最強レベルの油膜性能。


ドライブシャフトを外した時に排出した分のATFはニューテックNC-RFを補充し、ATFチェンジャーで全量イッキに圧送式交換をしますね。


キレイに入れ替わりましたね。

プレ洗浄を行えば色までキレイに入れ替わりますが、無しでもここまでキレイになったので全く問題ないでしょう。


次回交換推奨距離は6万キロになります。


トランスファとリアデフオイル交換
ガルフプロガード 75W90で交換しました。



ブログ前編のDSC時には冷媒ガスを530gを回収しており、リチャージと同時にカーエアコンリフレッシュαで冷媒ガス780gをリチャージ。


冷媒ガスリフレッシュと同時にニューテックNC-200コンプブーストを注入。 コンプレッサーの気密潤滑を強化しました。


整備リフトからアライメントリフトに移動。

タイヤが4輪接地した状態で1G締付を行います。



サスペンション整備時の必須作業(1G締付)

1G締付についてはググっていただけると分かりやすく解説しているのでそちらを参考に。


簡単に言えば組付け時に発生するブッシュの捻じれを取りましょう!という作業。  それをしないと走行中は捻じれたブッシュに負荷が掛かりすぎるので、交換したブッシュが早期破損します。


それを(やらない・やれない)整備工場もありますが、弊社ではサスペンション整備時には確実に行っています。



そこから試運転をしてブッシュを馴染ませてから、サスペンション整備時にもう一つの必須作業(ホイールアライメント調整)を行います。



調整用カムボルトを中立の位置にして組み立てても、ホイールアライメント調整前はこんな感じでバラバラな数値。

これでは真っすぐに走る事は難しく、ハンドルも曲がった状態で走る事になるでしょう。



車体下に潜り込んでホイールアライメント調整を行いますね。

・ハンター社最新鋭ホイールアライメントテスター WA470ホークアイ
・イヤサカ社高剛性ビシャモンマルチアライメントリフト


整備後のホイールアライメント数値

最終的にはこんな感じで調整しました。

上の画像がサスペンション整備後の数値。
下の画像は入庫時の測定したアライメント数値。

参考 整備前のホイールアライメント数値

サスペンション整備後にはホイールアライメント調整は必要なんです。
ですが国内の自動車整備工場でホイールアライメントテスターとアライメントリフトを導入しているのはほんの僅か。(国産車ディーラーも同様)

おそらく輸入車ディーラーの整備工場にはほぼ導入しているはずですが、国産車メインの整備工場となると・・・・でしょう。



先進運転支援システム(ADAS)は搭載された最新の車両などは、更にホイールアライメント調整が必須作業なんですけどね。


作業を終えて試運転。

いつものテストコースを走ります。
高速走行からのブレーキングや市街地の凹凸走行などをして、異音や振動・整備ミスが無いかを入念にチェック。

帰ってきてから再リフトアップ。
オイル漏れや締め忘れなどを何度も確認。



リフレッシュプランでは百か所以上はボルトナットを緩めて締めて。

締め忘れをしない為にはマーキングが確実。
締め付けたら必ずマーキングをする習慣を付ければ、締め忘れのミスは無くなります。



下回りのマーキングは気にしていませんが、エンジンルームのマーキングは雑にすると美しくないので、ユーザーさんの目に付きやすい箇所は極小のマーキングに留めています。


タイミングベルトなどカバーをして再確認しにくい箇所のマーキングは、デジカメで撮影しています。



(○○は武士の恥)ならば、(締め忘れは整備士の恥)かな?と思っています。


デリカD-5 リフレッシュプラン3部作を見ていただいてありがとうございます。

デリカD-5へのDSC・マルチサーブのご依頼・御見積は、HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。


また車両全体を新車時に近づけるリフレッシュプランをご希望の場合も同様に、HP(お問い合わせフォーム)からご相談ください。



どうぞ宜しくお願い致します。

2025年1月19日

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