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三菱 デリカD-5 リフレッシュプラン。 愛車復活でまだまだガンガン使いましょう。サスペンション整備は総合的に!!

ライバル車もなく唯一無二の車種である三菱デリカD-5。

旅行やキャンプにフル活躍している愛車を、もう一度新車時に近い状態へ戻するリフレッシュプランをメールからご相談されました。






滋賀県から来店されたのはデリカD-5 CV5W H21年式 走行距離12万キロ 

メールからの相談で愛車の不満点・不具合点。

・足回りがフワフワで乗り心地が悪く、ロールも大きい。

・エンジンからウィーンという異音がする。CVT?パワステ?エアコン?異音がしたり止んだりする。

・ドライブシャフトからのオイル滲み&パワステホースからのフルード漏れ。

・走行中は右に流れる。

・スパークプラグ等の交換歴はなく、アイドリング中の音も昔より大きい気がする。

・長いカーブでのハンドリングが悪く、ビシッと決まらない。

・キャンプに行く時の荷物と乗員が満載だと、ややお尻が下がり気味。



こんな感じで希望整備や改善点をお聞きして、予約来店をしていただきました。





問診をしてからお預かりします。
代車をお貸しして、まずは試運転をしますね。




試運転での感想は・・・。
・フラフラでユラユラな乗り心地。サスペンションが完全にヘタッていますね。

・異音というかノイズが多く、エンジンからの振動も気になりました。

・加速も弱く、ブレーキのフィーリングが低下しているのでコントロールがしにくい状態。

距離相応のコンディションですが、これからバシッと走るデリカD5にリフレッシュ整備をしますね。



事前ホイールアライメント測定と排気ガステスト。
数値的には乱れていませんが、もう少し改善できるでしょう。


バッテリーアナライザーでは充電状態は悪くないのですが、バッテリー自体はそろそろ寿命ですね。



足回り・下回りやエンジン・CVT等も点検をしてから、整備プランを制作しました。

ユーザーさんに御見積書を提示して作業内容を説明し、OKがもらえたので作業を始めます。




サスペンションから整備しますね。

点検し見積OKしてからサスペンション等の部品を発注しても、部品は揃いません。

メール予約の段階でサスペンション整備を実施するのが分かれば、入庫前に部品を揃えるようにしています。  部品待ちの時間って無駄ですからね。



それにサスペンションは部品点数が多いので、一つでも部品が不足していると整備が進まないのですよね。



今回は純正ショックアブソーバーではなく、KYBニューSRスペシャルで交換しました。 周辺消耗部品は純正品で交換します。



ショックアブソーバーはオイルが漏れていればもちろんNGですが、漏れていなくても(充填ガスが減少)(充填オイルの劣化)でも性能は著しく低下しています。   見た目で判断してはダメですよ~。



私の愛車は4~5万キロも走行するとショックアブソーバー類は全交換しています。


・Frスタビライザーブッシュ
・FrロアアームASSY
・Frハブベアリング

劣化している部品を交換していきます。


サスペンション等を分解している時にこれらの消耗部品も同時に整備すれば、重複工賃分は節約されますよね。


リアもサスペンションブッシュやショックアブソーバー等を交換しますね。

また尻下がりでヘタッたスプリングも同時交換します。


・Rサスペンションアーム&ブッシュ一式
・Rショックアブソーバー&スプリング
・RハブベアリングASSY

サスペンションを一新し、新車時の乗り心地に改善させます。



三菱はスバル同様にサスペンション系の部品を単品供給してくれますね。日産トヨタ系はASSYでしか部品が出ない場合が多いです。

ドライブシャフトインナーブーツからのグリス漏れ。
劣化し粘度が低下したシャバシャバのグリスが漏れ出していました。


(バター)ぐらいの硬さがあるグリス粘度が、劣化して(飲むヨーグルト)ぐらいの粘度に・・・。


粘度がシャバシャバに低下すると内部ベアリングが摩耗しますので、定期的にメンテナンスをしましょうね。



耐久性の高い純正ブーツグリスでO/H。これで今から10万キロは大丈夫でしょう。




ディスクローターはローター研磨機で再生します。


摩耗や錆腐食が酷い場合は新品交換ですが、これぐらいならササッと整えてあげるだけで十分再生可能です。  最後に耐熱塗装でキレイにしますね。


これでまた10万キロ使えますよ~。


冷間時にキーキー異音がするブレーキはキャリパーO/Hを行います。


キャリパーからピストンを抜き出して洗浄し、コンパウンドで磨きます。
新しいシールとダストブーツでグリスを塗りながら組み立てますね。


ホルダー側のスライドピンも洗浄し、グリス注入。



ブレーキパッドはWAKO’S BPR高性能ブレーキパッドグリスで組立。



ディスクローター研磨・キャリパーO/H・ブレーキパッド交換をすれば、異音もなく、コントロールしやすいブレーキに戻りますよ。

逆に言えばこの3つを同時に実施しないと、異音が出たりフィーリングが悪いままだったりするのです。




サスペンション・ブレーキもハブ・ドライブシャフトも、バラバラのタイミングで無計画に整備行うと費用が掛かるばかりで満足度は低いままとお伝えしています。


12万キロ使用したスパークプラグはNGKプレミアムRX高性能スパークプラグに交換。


エア吸いで加速が悪かった原因の破れたエアダクトを交換して、スロットルボディ清掃初期化でアイドリング安定化も行いました。


エンジン異音の原因はオルタネーターのワンウェイクラッチプーリー破損。

プーリー内部のクラッチが破損していると異音もしますし、ベルトの摩耗も早くなりますよね。


外して手で確認すると、プーリークラッチがロックしていました。
補器ベルトも同時に交換しましたよ。


CVTFは希釈式で全量交換。

オイルパン洗浄ストレーナー交換をして、全化学合成フルード(NUTEC ZZ51改)でフルード交換しました。 


フルードレベル調整をして、劣化度レベルをリセットします。



リアデフ・トランスファのギアオイルはガルフ プロガード75W90で交換し、LLCはラジエターリフレッシャーで脈動圧送式で全量交換。


LLC再生強化剤を注入し、エア抜き作業も行います。



忘れがちなエアコン冷媒ガスもリフレッシュ。

デンゲン社エコマックスjrで全自動冷媒回収再生充填作業。
同時にNUTEC NC-200でコンプレッサーオイルを強化します。


結果的には3割ほど冷媒ガスが少なかったようです。





整備リフトからアライメントリフトに移動して、サスペンション整備の必須作業(1G締付)を実施します。


整備リフトでのリフトアップ時にはサスペンションは伸びている状態。

水平ライン(赤線)に対してアームの角度(青線)を注視してください。





アライメントリフトで4輪が接地した状態のアームの角度を見てください。
ほぼ水平に近い角度になっていますよね。


つまり整備リフトでアームブッシュを本締めすると、走行時には常にブッシュが捻じれた状態で走行する事になります。


結果、新品のゴムブッシュは早期に破損し、整備した意味がなくなるのです。





フロント・リアともに全てのブッシュを交換しましたので、交換した時の仮締め時には黄色のテープを張り付ける。


アライメントリフトで一度ブッシュ固定ボルトナットを緩め、ブッシュの不要なテンションを開放し本締めします。 これが(1G締付)。





本締付が完了すれば、赤ペンでチェックを入れます。

(ボルトナット締め忘れは整備士の恥。)
(常にチェックを入れているのは、心配性なのもありますが作業後の最終確認が容易になるからです。)




1G締付後に軽く試運転をして、サスペンションを馴染ませます。

純正サスペンションはゴム部品が多いです。
スプリングとゴムインシュレーターをギシギシ伸縮し、アームブッシュをグニュグニュ負荷をかけて(馴染ませる)試運転を実施してからホイールアライメントを測定。




・ハンター社ホイールアライメントテスター
最新鋭テスター ホークアイWA470

・イヤサカ ビシャモンマルチアライメントリフト






そこからやっとホイールアライメントが調整出来ます。
組み立ててスグの状態だとこんな感じで数値がバラバラですよ~。





車体下に潜り込んでホイールアライメント数値を整えました。

フロントキャンバーとSAIを調整し、リアのキャンバーとトゥを整えて、最後にフロントトゥとステアリングセンターをドンピシャに調整します。


キレイに整ったので試運転に行きますね~。



試運転をして最終チェックを入念に。


緩めたボルトナットに赤ペンでチェックしているのは、最終チェックが確実になるから。


無数に作業した箇所を覚えるよりも、視覚的にチェックしていると早くて確実なんですよね。  そしてチェックは納車日まで何度も繰り返し、万全の状態で引き渡ししています。




リフレッシュプランは他府県から来店される方が多いので、(ちょっと手直しします。)では済まないのです。 人間なのでミスはしますが、その確率をゼロに近づけるにはこの方法かな??と思っています。




リフレッシュプランはレストア作業ではありません。

使える部品はそのままにし、(既に劣化している)(今後劣化しそうだ)という個所を重点的にリフレッシュ整備をし、なるべく新車時のコンディションに近づける提案型整備です。


それには各車種に対して整備予算の下限を設定し、(少ない整備予算の依頼)は不可としています。


経験上相応の整備をすると、相応の部品価格が必要になりますのでご理解のほど宜しくお願い致します。


こんにちは。
先日はお世話になりありがとうございました。

デリカ引取り後、堺市内走っている時も、帰りの高速道路でもしなやかで上質な走りでした。新車の時に戻ったかのような感覚で、気になっていた異音も全て解消されていて、精神衛生上の満足感がとても高くて、今回ミナト自動車様にお願いして本当に良かったと思っています。
家族も乗り心地が全然違うって喜んでいます。

また、このデリカでいろいろ出掛けるのが楽しみな今日この頃です。帰りに少しお話しした、新車の頃のようにトータルで整備提案して下さる、お店はミナト自動車さんの他に無いと思いました。

そういう、1台の車を愛情を込めて整備されているのを感じられて、僕もこの車を長く乗っていきたいと改めて思いました。
また、何かの際にはお願いすることもあるかと思いますが、よろしくお願い致します。





ここまでの整備をすればオーナーさんなら少し走行するだけで、違いが分るでしょう。運転が楽しくなれば愛車への愛着も増しますからね~。こちらこそありがとうございました。




本日もミナト自動車ブログ日々是好日にお越しいただきありがとうございます。


リフレッシュプランのご依頼はHPお問い合わせフォームからお待ちしていますね。 (何年何月の○○○の整備はいくら掛かりましたか??)と問い合わせていただけると参考予算をお答えできます。



それではHAPPY CAR LIFE!!



2022年7月24日

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