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スバル レガシィBM9 リフレッシュプラン。10年10万キロ時のリフレッシュ整備。前編

岡山県から来店していただきました。
スバル レガシィ BM9 H21年式 走行距離10万キロ

提案型整備リフレッシュプランのご依頼です。


新車から10年、10万キロ以上走行した車両を、
ある程度の費用を投入して車両全体を整備するリフレッシュプラン。


目指すは新車時に近いコンディション。

予算に合わせて過去の整備歴も参考にしながら、
(この車が私の愛車なら限られた予算でどう整備するか?)
整備する個所や優先順位を考慮して、整備のプランニングを提案。


プランニングとは計画立案、計画を立てる事。
メーカー、車種、搭載エンジン&ミッション、駆動方式などを考慮しながら、
(あーでもない、こーでもない)と悩みながら毎回計画を練っています。



メールからの相談で現状の不満点、改善点を教えてもらいます。

・最近中古車購入し、これから長く良い状態で使用したい。
・高速走行時の安定性が悪い。(横揺れ、振動がある)
・サスペンションからの僅かな異音


燃費等は想定範囲内で良好だそうで、車両自体は気に入っている。
ただあまり乗り心地等が良くなく、改善したいと思ったそうです。



入庫していただいて問診をし、試運転を行います。

そこからホイールアライメント測定をして数値の確認。
フロントトゥ以外は良好ですね・・・。

排気ガステストでエンジン燃焼状態をチェックし、
バッテリーアナライザーで発電・充電状態を点検。

スキャンツールを接続し各数値をライブデータで観察して、
リフトアップ後に下回りやエンジン等を点検しています。


予算と不具合点、不満点からお勧めの整備プランを提案させていただきます。

御見積を提示してお電話で協議し、作業内容を決定。
OKがいただけたので作業を始めますね。


まずはサスペンション等の足回り・下回り等から始めました。

ブレーキからハブ・ロアアーム、ショックアブソーバーに
ドライブシャフトとバラバラに分解していきます。


予約時にお聞きしている整備予算から
サスペンション系は全てリフレッシュする予定。

そんな時は前金を頂いてから、部品を先行発注しています。


入庫して点検してから部品を発注しても、ほぼほぼ部品は揃いません。
少なくとも1か月前には集め始めるようにしています。

比較的錆がある車両でしたので、ボルトナットは錆固着が多かったです。

想定内ですがナックルに装着されている
ABSセンサーの取付ボルトが固着し緩めると折れましたね。


・ドリルで折れたボルトごと穴を開ける。
・リコイル用のドリルで下穴を開ける。
・タップでリコイルが入るネジ山を作って、リコイルを装着。

整備ではポピュラーなボルト折れの対処法。

部品を交換するだけでもボルト1本が折れれば、
結構手間が掛かるものなのです。


ヘタッて劣化したショックアブソーバーでは、
乗り心地は当然悪くなりますよね。

今回使用するショックアブソーバーはKYB ニューSRスペシャル。
スプリング以外は消耗品全てを交換しますね。

フロントロアアームのブッシュ交換。
位置決めをしてブッシュを打替えしました。

ロアボールジョイントとハブベアリングも同時に交換します。



足回りの部品が外れている状態からエンジンを宙吊りにし、
サブフレームを降ろします。


サブフレームを降ろすとスペースが生まれるので、
間にあるエンジン・ATマウントを全数交換しますね。

これでアイドリング時の静粛性は大きく改善するでしょう。


劣化しやすいドライブシャフトのブーツ・グリスも、
耐久性の高い純正ブーツキットでO/H。

同じ場所に同じベアリングが装着するように、
印を付けながら洗浄しています。

組み立てる時の逆の手順で慎重に。


こうしておけば、また10万キロはノーメンテで使えるでしょう。



リアサスペンションもブッシュ交換でリフレッシュ。


スバルはサスペンションアームのブッシュを単品で供給してくれるので、
メンテナンスの理解度があるメーカーだと思います。

ただ部品単価はやや高めですが・・・。


メーカーが部品供給してくれるアームブッシュは全数交換しました。


リアも同じくKYBで交換しリフレッシュ。



前後のスタビライザー インナーブッシュも
同時に交換しますね。


フロントディスクローターは研磨機にて再生し、
耐熱塗料で化粧直し。


リア側は錆腐食が酷く、
研磨しても厚みが確保出来なかったので新品に交換しました。

キャリパーも分解して洗浄し、
シールキットでO/H。

10年に1度はブレーキキャリパーのO/Hをお勧めしています。

キャリパーのホルダー側も洗浄して古いグリスを掻き出し、
新しいグリスとブーツを装着します。


ブレーキパッドも新しくしますが、
バックシムに錆が多いのでシムも交換しました。


パッドに使用するグリスはWAKO’S BPR高性能パッドグリス。
耐熱・耐久性の高いグリスで交換しています。


国産車でブレーキから異音がするのは、整備不足でしょう。
正しい整備を行えばブレーキから異音等は発生しません。
(新車時から異音があれば別ですが)

リフレッシュプランの前半はここまで。
作業はまだまだ続きます~。



次回ブログでも引き続きレガシィBM9の
リフレッシュプラン後半を紹介しますね。

・タイミングベルト/ウォーターポンプ交換一式
・ラジエター交換 LLC圧送式交換
・リニアトロニックCVTF圧送式交換
・ホイールアライメント調整
・カーエアコンリフレッシュα

それではHAPPY CAR LIFE!!

2020年10月6日

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